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OLTPとOLAP:違いと用途

オンライン分析処理(OLAP)とオンライントランザクション処理(OLTP)は、多くの企業や組織で広く使用されている2種類の一次データの処理システムですが、両者には重要な違いがあります。

  • 概要
  • OLAPとOLTPの主な違い
  • OLTPの用途
  • OLAPの用途
  • 関連リソース

概要

データは使用する前に処理する必要があります。オンライン分析処理(OLAP)とオンライントランザクション処理(OLTP)は、あらゆる種類の企業や組織で使用されている2種類の一次データの処理システムです。OLAPは複雑なデータ分析に使用されるのに対し、OLTPは大規模なオンライントランザクションのリアルタイム処理に使用されます。それぞれのシステムの目的やデータ処理の方法は異なりますが、OLAPとOLTPはいずれも複雑なビジネス課題を解決するうえで有用です。前者はビジネスの理解を深めるために、後者はビジネスをより効率的に運営するために使われます。では、OLAPとOLTPの違いと、両者のさまざまな用途を詳しく見てみましょう。

OLAPとOLTPの主な違い

OLAPとOLTPは、それぞれ独自のデータ処理およびストレージのニーズにより、歴史的に区別されてきた別個のプロセスです。しかし、多くの組織は通常、どちらか一方だけを選択するわけではありません。片方だけを必要とするチームもあれば、両方を必要とするチームもあります。この2種類のシステムの主な違いを以下に示します。

目的

OLAPとOLTPの主な違いは、各システムの中核となる目的です。OLAPシステムは、大量のデータを迅速に処理し、意思決定および問題解決のための複数の次元にわたる詳細なデータ分析を可能にします。チームはこのデータを、意思決定や問題解決に役立たせることができます。 

これに対して、OLTPシステムは複数のユーザーが関与する大量のトランザクションデータを処理するよう設計されています。リレーショナルデータベースは、少量のデータをリアルタイムで迅速に更新、挿入、または削除します。ほとんどのOLTPシステムは、オンラインホテル予約、モバイル銀行取引、eコマースでの購入、店内での精算などのトランザクションの実行に使用されます。多くのOLAPシステムは、OLTPデータベースからETLパイプラインを介してデータを取り込み、ATMのアクティビティや経時的なパフォーマンスの分析などのインサイトを提供できます。

簡単に言うと、OLTPシステムは組織がビジネスを実行するために使用し、OLAPシステムは組織がビジネスを理解するのに役立ちます。 

データソース

OLAPの多次元スキーマは、前述のOLTPソースなどを含む、複数のデータセット(履歴データや最新データなど)からデータを取得する複雑なクエリに適しています。OLTPシステムは、システムに投入される大量のトランザクションデータを処理するよう最適化されたリレーショナルデータベースに、トランザクションデータを保存します。

更新とバックアップ

OLAPシステムは、数千から数百万のデータ行を含むクエリを処理するように設計されています。データは、組織のニーズに応じて1時間から1日に一度更新されます。これに対して、OLTPシステムは通常、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで、データの数行を一度に更新します。OLTPシステムはまた、OLAPシステムよりもはるかに頻繁にバックアップされます。トランザクション処理ツールとしての性質により、ビジネス運営を維持するため、および関連する法規制要件を遵守するために定期的なバックアップが必要になるからです。OLAPシステムでデータ損失が発生した場合は、失われたデータを元のソースから再ロードするだけで修復できます。 

スピード

定義上、OLTPシステムの応答時間はミリ秒単位で測定されます。OLAPデータベースは処理するデータ量が大幅に上回るため、応答時間は遅くなります。使用されるテクノロジーや処理されるデータ量によって、OLAPシステムの応答時間は1秒から数時間に及ぶことがあります。

データストレージ容量

履歴トランザクションデータがアーカイブされる場合、OLTPシステムのデータストレージ要件は比較的控えめです。これに対して、OLAPシステムは機能するために膨大なデータストレージ容量を必要とします。OLAPの用途では大量の集合データが必要になるため、大規模ストレージ要件に対応できる最新のクラウドデータウェアハウスを使用する必要があります。

対象ユーザー

OLTPは顧客向けのシステムで、店員、ホテルの予約担当者、オンライン買い物客などの最前線の担当者を対象としています。OLAPは、ビジネス向けのシステムで、データサイエンティスト、アナリスト、ビジネスユーザー(チームリーダーやエグゼクティブなど)によって使用されます。これらの意思決定者は分析ダッシュボードを使用してデータにアクセスします。

OLTPの用途

OLTPデータベースは、多岐にわたる重要なビジネスおよびコンシューマー向けアプリケーションをサポートし、シームレスでリアルタイムのトランザクション処理を促進する上で極めて重要な役割を果たします。ビジネスのシナリオでは、これらのデータベースはさまざまな必須タスクを支援します。このようなタスクには、通話中に即座に顧客情報にアクセスするコールセンタースタッフ、効率的な受注の実施と倉庫内管理の実施、オンライン金融取引のセキュアな処理、その他のさまざまな時間的制約のあるオペレーションの処理などがあります。

OLTPの重要性は、消費者向けアプリケーションにも及びます。迅速なデータ処理能力により、スムーズなユーザー体験を実現できるからです。消費者は、OLTPを活用したアプリケーションによって、テキストメッセージの即時送信、リアルタイムで空き状況を確認しながらの貸別荘予約、オンライン食事配達サービスでの迅速かつ簡単な購入など、さまざまな形でメリットを享受できます。

OLTPデータベースを活用することで、企業は日常業務のニーズに応える迅速な応答時間と確実なデータ処理を確保でき、消費者はオンラインエクスペリエンスで円滑なインタラクションとシームレスなトランザクションを享受できます。これらのデータベースは、多数の重要なシステムのバックボーンを形成し、企業と消費者のインタラクションのさまざまな領域で、リアルタイムデータ要件が効率的かつ効果的に満たされるよう支援します。

OLAPの用途

OLTPとは異なり、OLAPは分析のためのデータのクエリに焦点を当てています。医療、製造、広告など、さまざまな業界の組織がOLAPを使用してビジネスを強化しています。

ヘルスケア部門:OLAPは、データセットを詳細に掘り下げる機能があります。この機能により、医療機関は健康転帰に関する詳細な分析を実行できます。入院期間、関与する医療機関、医療診断、患者のデモグラフィックデータなどの重要な要因を調査できます。これにより、医療機関は価値あるインサイトを獲得し、患者治療を改善でき、より良い健康転帰のための判断を下すことが可能になります。

製造:OLAPの多彩な機能により、運営のさまざまな側面に関する豊富なインサイトが得られます。製造企業は、個々の顧客や製品の収益性を詳細に分析できるため、より適切な戦略立案やリソース割り当てが可能になります。さらに、OLAPは供給と需要の予測にも役立ち、製造企業が生産プロセスや在庫管理を最適化できるようにします。OLAPによる差異分析は、改善すべき領域を特定するのに役立ち、業務の効率化や全体的な生産性向上につながります。

広告:OLAPは、顧客データを処理して詳細な分析を実現する上で極めて重要な役割を果たします。広告主は、OLAPの機能を活用して顧客の行動、解約パターン、エンゲージメントレベルに関する理解を深めることができます。この知識を活用して広告戦略を洗練させ、特定のターゲットオーディエンスに合わせたキャンペーンを展開し、顧客生涯価値の向上を目指すことができ、最終的にはマーケティング投資の収益率を高めることにつながります。

OLAPの多用途性と分析能力により、複数の分野の組織は実用的なインサイトを得て、絶え間なく進化するビジネス環境で競争優位を確保できます。OLAPがさまざまな業界で広く導入されているという事実は、生データを価値ある知識に変え、意思決定をサポートし、ビジネス全体の成功を促進する上で有効であることの証です。