「お昼休みに学ぶ」SNOWFLAKE入門シリーズ | 3月31日(火) - 4月2日(木)開催

今からでも遅くない!これから始める業務改善・DXのためのデータ活用

カスタマーストーリー

「Why?」に即答できないもどかしさをデータ基盤刷新で打破 JINSが挑んだSSoT確立とAIエージェント開発の並走 非エンジニアがわずか2週間で実装した対話型分析の裏側

アイウェア業界を牽引するJINSが、Snowflakeでデータ基盤を刷新。8種のスプレッドシートが乱立する状況を打破し、信頼できる唯一の情報源(SSoT)を確立しました。特筆すべきは、非エンジニアがわずか2週間で対話型AIエージェントを開発した点です。現場の分析ノウハウを移植し、迅速な意思決定を実現した軌跡を紹介します。

1-2週間

非エンジニアが1-2週間で初期開発

550店舗

約550店舗の分析工数を削減

woman wearing Jins glasses

ビジョン「Magnify Life」の実現へ。現場の「作業」を「戦略的分析」に変えるJINSのDX

「Magnify Life -まだ見ぬ、ひかりを」を掲げ、国内約550店舗を展開する株式会社ジンズ。軽量メガネ「Airframe」や革新的な店舗体験で業界をリードする同社だが、その店舗運営の裏側では8種類ものスプレッドシートが乱立し、現場はデータ分析という名の「作業」に時間を奪われていた。AI活用の波が到来する中、同社はより柔軟かつ迅速な意思決定と、よりデータに基づいたビジネス戦略が必要であると考え、データ基盤の抜本的刷新を決断。信頼できる唯一の情報源(SSoT)の構築と、非エンジニアによる「Snowflake Intelligence」を活用した対話型AIエージェントの開発を並行して推進した。

このストーリーのハイライト
  • 基盤刷新とAI開発を並行推進し信頼性を確保 
  • 非エンジニアがCortex Agentsで分析エージェントの短期間開発を実現
  • 誰もがデータに基づき最適な意思決定ができる組織への進化を目指す

8種のスプレッドシートと「危機感」の正体

 アイウェア業界に革命を起こし続ける株式会社ジンズ(以下、JINS)。業界の常識を覆した軽量メガネ「Airframe」や、公園のような「みんなの場所」として地域コミュニティのハブを目指した施設「JINS PARK」、さらにはAIによる「似合い度判定」など、その店舗体験や商品開発は常に時代の最先端を行く。しかし、先進的なブランド戦略を支える一方で、店舗運営におけるデータ活用では、複数スプレッドシートを駆使した負荷の高い分析が求められ、業務の効率化が求められていた。

 例えば、国内約550店舗の日々の売上管理には、実に8種類ものスプレッドシートが使われていた。担当者は複数のファイルを行き来しながら、「なぜ昨日の売上が上がったのか、下がったのか?」という問いへの答えを導き出すための分析、示唆出しといった工程に対し、膨大な時間を費やしていたのである。

 さらに深刻だったのは、長年の改修によって複雑化したデータ基盤のサイロ化だ。10年ほど前に構築されたシステムは度重なる拡張でロジックが散在し、さらには担当者の退職によりロジックの紐解きや整合性の確認に多くの時間を割かれることも少なくなかった。

 全社のデータ活用基盤の構築と運用を統括する、グローバルデジタル本部 エンジニアリング課の中島 直人氏(以下、中島氏)は、AI活用が企業の競争力を左右する時代において、JINSがさらなる競争力を獲得していくためには、複雑化した当時のシステムを放置するのではなく、将来の変化に耐えうる強固で信頼性の高いデータアーキテクチャへと進化させることが不可欠だと確信していた。

 「現在は業績が好調でも、将来調子が悪くなった時にデータ基盤が整っていなければ原因究明ができず手遅れになります。AIが当たり前になる時代に、活用できる土台がないままでは、将来的に取り返しのつかない事態になりかねないという、強い懸念がありました。上長ともすぐに認識を合わせ、早急な刷新が必要だと決断しました」

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「ガバナンスが効いた安全な環境で、迷いなく新しいデータ活用に挑戦できる時間が生まれました。経験や勘に頼るのではなく、ファクトに基づいた意思決定を組織の文化として根付かせ、お客様への価値提供のスピードを極限まで高めていきます」

中島 直人 氏
株式会社ジンズ グローバルデジタル本部 エンジニアリング課

SSoT確立とAI開発の「並走」という決断

 JINSが選択した解決策は、極めて難易度の高いアプローチだった。中島氏率いるエンジニアチームがデータ基盤を刷新し「信頼できる唯一の情報源(SSoT)」を構築する裏で、AI&DS部 シニアディレクターの川嶋 三香子氏率いるAI推進室(非エンジニアチーム)が、Snowflake Intelligenceを用いたAIエージェントの開発を進める。この二つのプロジェクトを並行して走らせたのである。

 分析エージェントの基盤としてSnowflake Intelligenceを選定した理由はシンプルだった。すでに全社のデータ基盤としてSnowflakeを利用しており、その環境上で自分たちが目指す対話型分析が実現できそうだと判断したからである。SSoTとして整備を進めていたデータを、外部に出すことなくそのまま安全に参照できる点もスムーズな導入を後押しした。

 開発で最も注力したのは、AIへの「Instruction(指示出し)」のチューニング、いわばJINS流の分析ノウハウの移植だ。営業担当者が毎週月曜日の朝に行う2時間分の分析プロセスという一連の思考回路を、詳細に言語化しAIに教え込んだ。

 「AIは放っておくと、売上の良し悪しを単純な数値の大小だけで判断してしまいます。『昨対比でこれ以上なら良い』といった評価基準や、『まずは性年代別に深掘ってみる』といった人間が無意識に行っている手順を、秘伝のタレとしてCortex AgentsのInstructionに落とし込みました。コーディング不要で試行錯誤できたからこそ、現場の暗黙知を短期間で実装できたのです」(川嶋氏)

経営層が驚いた「人間のような」回答精度

 「SSoTによる正確なデータ」と「JINS流の分析ロジック」が融合したことで、AIエージェントはPoC(概念実証)の段階から成果を上げた。実際にツールを使用した営業部の役員や管理職からは、「分析や示唆出しのレベルが人間と同じだ」といった声が聞かれた。チャット形式で「〇〇店は計画を20%上回る好調な実績でした。主な要因は30代男性の客数増です」と、文脈を持った回答が返ってくる体験は、多忙な経営層にとって画期的なものだった。

 特に象徴的な変化は、社長が出席する経営会議の場で見られた。これまでは社長から「この店舗の状況はどうなっている?」と予期せぬ質問が飛ぶと、手元の資料にデータがなく、「持ち帰って確認します」と回答せざるを得ない場面があった。しかし、AI導入後は役員がその場でエージェントに問いかけ、別の話題を進めている間に事実を確認。「今調べたところ、このような状況です」と、会議の場から持ち帰ることなくその日のうちに報告できるようになったのだ。

 また、開発を非エンジニアが主導したことで、現場の改善要望を即座に反映できるアジリティも手に入れた。「もっとこういう聞き方に答えられないか?」というフィードバックに対し、AI&DS部の非エンジニアがコードを書くことなく、即座にCortex AgentsのInstructionを修正し、翌日には改善版をリリースする。Snowflakeのマネージドサービスとしての完成度の高さが、このスピード感を支えている。

 「強固なデータ基盤が整ったことで、データ活用の仕組みを非エンジニアでも迅速に構築できるようになりました。自然言語でAIを調整し、現場のニーズを即座に反映できるアジリティを手に入れたことは、組織にとって大きな収穫です」(川嶋氏)

「Magnify Life」を実現するデータ文化へ

 現在、AIエージェントは国内営業部での本格展開に加え、マーケティング部門や海外事業への横展開も構想されている。さらに今後は、Snowflake Marketplaceを活用した外部データとの連携や、店舗独自のオペレーションデータなどを掛け合わせることで、これまで以上に顧客体験(CX)の向上に直結する分析を強化していくことも模索中だ。

 中島氏と川嶋氏が目指すのは、単なる業務効率化ではない。「誰でもいつでも必要なデータに基づき、最適な意思決定ができる状態」を当たり前にすること。それこそが、従業員一人ひとりのクリエイティビティを解放し、企業ビジョンである「Magnify Life」を体現するための基盤となると信じているからだ。

 「ガバナンスが効いた安全な環境で、迷いなく新しいデータ活用に挑戦できる時間が生まれました。経験や勘に頼るのではなく、ファクトに基づいた意思決定を組織の文化として根付かせ、お客様への価値提供のスピードを極限まで高めていきます」(中島氏)

 JINSの挑戦は、データ基盤の刷新という枠を超え、組織のあり方そのものを変革しようとしている。Snowflakeというパートナーと共に、彼らの視界はますますクリアに広がっている。

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