ETLパイプラインは、データを単一または複数のソースからデータウェアハウスなどのデータベースに移動するために使用する、一連のプロセスです。ETLは、「抽出、変換、ロード」を意味します。これは、あるデータベースのデータを別のデータベースに移動するために使用される、相互依存関係にある3つのデータ統合プロセスです。ロードされたデータは、レポーティング、分析、アクション可能なビジネスインサイトの抽出のために使用されます。
ETLパイプラインのメリット
ETLパイプラインの目的は、分析やビジネスインテリジェンスのためにデータを準備することです。価値のあるインサイトを提供するためには、さまざまなシステム(CRM、ソーシャルメディアプラットフォーム、ウェブレポーティングなど)からソースデータを移動して集約し、移動先のデータベースのパラメーターや関数に合わせて加工する必要があります。ETLパイプラインは、以下に役立ちます。
データの一元化と標準化:アナリストや意思決定者がデータを使いやすくなる
開発者の解放:データの移動やメンテナンスの技術を要する実装タスクが不要になるため、開発者はより重要な業務に注力できる
データの移行:レガシーシステムからデータウェアハウスに移行できる
より深い分析:基本的な変換から得たインサイトを使い果たした後に、さらに深い分析が可能になる
ETLパイプラインの特徴
クラウドで構築されたソフトウェアサービスに移行する企業が増えてきていることに加え、ETLパイプラインの改善も進んでいます。そのため、企業にはデータ処理の簡素化を実現できる可能性があります。現在、バッチ処理に依存している企業は、現在のプロセスを中断することなく継続的プロセスの手法を実装できます。すべてを一度に入れ替えるのはコストがかかります。しかし、この実装は特定のデータの種類やビジネス領域から漸進的に進めることが可能です。
そして最終的に、ETLパイプラインによって意思決定者の能力が向上し、競争優位性を獲得できます。効果的な実現のためには、ETLパイプラインには以下が必要です。
継続的なデータ処理を提供する
伸縮性に優れ、アジャイルである
独立した分離型の処理リソースを使用する
データアクセスを増加させる
セットアップとメンテナンスが容易である
ETLパイプラインとデータパイプラインの違い
データパイプラインとは、あるシステムから別のシステムに移動するデータに適用される一連の処理の全体を指します。「ETLパイプライン」は、データを抽出して変換し、データウェアハウスなどのデータベースにロードする処理です。そのため、ETLパイプラインはデータパイプラインの一種と言えます。「データパイプライン」は、より一般的な用語です。データパイプラインには、データの変換や宛先データベースへのロードを行わないものもあります。たとえば、データパイプラインのロード処理で別の処理やワークフローがアクティベートされる場合があります。
SnowflakeのETLパイプライン
新しいツールとセルフサービスのパイプラインにより、手動のETLコーディングなどの従来のタスクやデータクリーニングが不要になります。
Snowparkは、Snowflakeの開発者フレームワークです。Snowflakeの伸縮性のある処理エンジンでの、Python、Java、Scalaで記述したデータ処理やパイプラインの実行を可能にします。Snowparkを使用するデータエンジニア、データサイエンティスト、データ開発者は、シングルプラットフォームで任意の言語を使用して、より迅速かつ安全にMLモデルやアプリケーションにフィードするパイプラインを実行できます。
SnowflakeのETLとELTのオプションはシンプルであるため、データエンジニアはデータ変換やデータ取り込みについて心配することなく、重要なデータ戦略やパイプライン最適化のプロジェクトにより多くの時間を使用できるようになります。また、Snowflakeデータクラウドをデータレイクやデータウェアハウスとして使用すると、事前変換や事前スキーマが不要になるため、ETLを実質的に排除できます。
Snowflakeデータクラウドの詳細については、こちらで説明しています。Snowflakeのさまざまな機能について、ぜひご自身でお確かめください。Snowflakeのご試用は、無料トライアルの登録からお申し込みいただけます。