注:本記事は(2022年5月17日)に公開された(How Kimberly-Clark Uses RGM Analytics to Drive Portfolio Growth)を翻訳して公開したものです。

消費財(CPG)企業は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により厳しい経済情勢に直面しています。米国経済では、2022年第1四半期の国内総生産(GDP)は0.4%落ち込み、民間在庫投資、輸出、および州、地方、連邦といった政府の支出が減少していることを示しています。消費者物価は年率7%で上昇する一方で、米国民の所得は4四半期連続で下落しています。McKinseyは、「CPGのリーディングカンパニーは経済が今後さらに予測不可能かつダイナミックになると見ており、自社のビジネスがこの危機を切り抜けるためには慎重なアクションが必要だ」としています。

このような状況で生き残るために、CPG企業は収益成長管理(RGM)戦略を最適化する必要があります。McKinseyが説明したように、RGMとは「品揃え、プロモーション、貿易管理、価格設定に関する幅広い戦略を通じ、自社の消費者基盤より持続可能で収益性のある成長を促進するための指針」を意味します。RGMではリアルタイムデータやアナリティクスを用いて意思決定を向上し収益可能性を広げます。

世界的な主要消費財メーカーであるKimberly-Clarkは、SnowflakeおよびSnowflakeのエリートパートナーであるTredenceを活用して、統合モデルの構築からリテールパートナーとの協力により最適化されたアクションの促進まで、エンドツーエンドのRGM戦略を実施しました。最近実施されたウェビナーでは、Kimberly-Clark、Tredence、Snowflakeの役員らが業界トレンド、データの果たす役割、データサイロの解消、データサイエンスを用いたオペレーションの最適化について語っています。本記事では、オンデマンドで視聴可能な本ウェビナーのハイライトをご紹介します。

CPG業界の課題とソリューション

CPG企業は、コストの高騰やサプライチェーンの制約といった業界の流れにおいて、多くの課題に直面しています。また情報へのアクセス不足が、これらの問題をさらに悪化させています。そのため企業は、プロモーション支出や品揃え計画といった、企業側で管理が可能なコストやプロセスに焦点を当てています。彼らはAIを使用して膨大なデータをふるいにかけ、行動パターンを特定して問題を発見し、適切な場所に適切なタイミングで製品を届けています。最終的に、組織的なサイロを解消して大量のデータを一元化し、インサイトをアクションにつなげるよう取り組んでいます。

CPGにとって、データは戦略的アセットです。同時に、データの管理やガバナンスはCPGにおける最大の課題の1つとなっており、その主な原因がデータサイロです。たいていのCPG企業には、ERPシステムやその他の計画システム、POSシステムやリテールパートナーからの外部データ、シンジケートデータやマーケティングデータといった内部データを抱える無数の社内システムが存在しています。これらすべてのデータセットはさまざまなサイロに格納されており、ビジネスユーザーによるデータの有意義な使用を困難にしています。このような問題は、企業が世界的に事業展開し、さまざまな地域や国からデータを取りまとめる必要がある場合にはさらに難しいものとなります。

これらの課題を解消するために、Kimberly-Clarkでは、データサイロの排除、アナリティクス機能の獲得、ガバナンスとスケーラビリティの向上、という3つのエリアに注力しました。

Kimberly-ClarkにおけるRGMジャーニー

Kimberly-Clarkは、RGMにより強化されたコマーシャルトランスフォーメーションに着手し、適切な製品を、適切な包装、価格、プロモーション戦略により、適切な消費者に適切なタイミングで販売することに努めました。同社は考え方においても能力においても、RGMをビジネスの中心に据えました。同社の最終的な目標は持続可能な利益の拡大、収益の最大化、顧客中心のインサイトでした。

これらの目標達成に向け、Kimberly-Clarkチームが注力した3つの分野:

  • 強固なデータ基盤:Kimberly-Clarkは、世界全体における同社のRGMアナリティクスニーズに対応するワンストップショップを構築しました。この統一されたデータモデルは、あらゆるデータ(内部データだけでなく、POSシステムからの外部データやリテーラーやサードパーティデータプロバイダーからのシンジケートデータなど)の連携や標準化をもたらしました。Tredenceと協力することにより、統一された取り込みレイヤにより、データの取り込みがより高速化され、価値を生み出すまでの時間が7割も短縮されました。
  • アクションからインサイトへ:Kimberly-Clarkは高度なアナリティクスを活用し、Powered By SnowflakeのRGMデータプラットフォーム上で生成された必須KPIをモニタリングやアクション化することで、パイプライン開発や成長機会に向けた主なビジネス機会を特定しました。
  • グローバルなスケール:Kimberly-Clarkは、同社の持つRGM能力を調整し、効率がよくスケーラブルなアナリティクスを、事業展開する3つの地域(APAC、中米、北米)すべてで展開する重要な機会を見出しました。

これらの目標達成に向けた複数年にわたるKimberly-Clarkのジャーニーは、データやデータガバナンスの標準化、またSnowflakeを含めた世界的、地域的なステークホルダーとの提携が含まれていました。

Snowflakeデータクラウドは、Kimberly-Clarkにおけるデータサイロの解消や膨大なデータの取り込み、調整、分析に貢献しています。データの保存場所や保存形式(構造化、非構造化、半構造化など)にかかわらず、データクラウドは、シームレスなエクスペリエンスをエンドユーザーに届け、ニアリアルタイムのデータ分析やインサイトを実現します。セキュアでデータドリブンな意思決定、データガバナンス、ユーザーアクセス管理により、データの分類に費やされていた時間をデータ分析やインサイトに活用できるようになりました。

Kimberly-Clarkにおける、RGMによる成長拡大に向けたジャーニーの詳細、さらにSnowflakeおよびTredenceによる業界やテクノロジーのインサイトについては、Kimberly-Clarkによるポートフォリオ成長に向けたRGMアナリティクスの使用のウェビナーをご覧ください。