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Under Armourは、Snowflake上に構築した統合データ、対話型AI、エージェント型ワークフローを活用し、同社が支えるアスリートに匹敵するスピードでビジネスを進めています。
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金曜日の夜。
ベルリンの陸上トラック、東京のジム、ボルチモアのバスケットボールコート。
世界のどこかで、アスリートがシャツに袖を通します。
軽い着心地のシャツは、汗を吸い上げて逃がし、体の動きにしなやかにフィットします。
Under Armourが今年届ける数百万枚のうちの1枚です。
デザイナーの最初のスケッチから、カスタマーが購入に至るその瞬間まで、たったひとつのプロダクトの裏側では、数十のシステムが連動し、数百の意思決定が重ねられ、数千ものデータポイントが交差しています。
そして、すべてのプロダクト、あらゆるチャネル、世界中の地域へと広がるとき、その裏側にあるオペレーションは瞬く間に圧倒的な規模へと膨れ上がります。
Under Armourは、初期デザインから最終消費者に届くまでのこのジャーニーを「アーティクルアクティベーション」と呼んでいます。
そして、そのすべてを支えているのがデータです。
Under Armourは、常に更なる高みを求めるアスリートのために生まれたブランドです。
その舞台裏を支えるデータプラットフォームにも、厳しい水準が求められます。
だからこそ2020年、Under ArmourはSnowflakeという答えにたどり着いたのです。
スポーツ用品の小売業界では、1時間ごとに結果が問われます。タイムリーなインサイトを得られるかが、成否の分かれ目となります。特定のカラーバリエーションがヒットするか売れ残るか、店舗の棚の在庫を維持できるか品薄になるかの差に直結するからです。
Under ArmourのRegional Planning担当Directorを務めるJenny Moore氏は、「当社のビジネスは非常に展開が速く、特にD2C事業では1時間単位で状況が変化することもあります」と語ります。
この急速なスピードの背景には、世界中の卸売、Eコマース、直営店舗にわたる広大なビジネス構造があります。その中核を担っているのが、在庫、サプライチェーン、需要計画、販売、製品開発にわたる広大なデータ領域です。このデータが、ビジネスにおける数多くの疑問に答える源泉となっています。インサイトの見落としが収益や市場機会の損失に直結するなかで、すべてのデータに対する可視性を確保できれば、極めて重要な競争優位性となります。
そしてAIは、この業界のスピードをさらに加速させています。
AIは、誰も経験したことのない速さで進化しています。この速度に対応できるプラットフォーム、エコシステム、能力を備えることが重要です。ビジネスもまた同じスピードで変化しているからです。Under Armour 最高データおよびAI責任者 Patrick Duroseau氏
しかし、Under Armourの従業員が対話型AIを利用できるようになるはるか前の2020年、同社のデータ活用はビジネスの急速なスピードに追いついていませんでした。
当時の典型的な1日の業務において、アナリストは複数のワークブックを開く必要がありました。最初のワークブックを開き、次に別のワークブックを開きます。そして、3つ目も開きます。チームごとに独自のデータ抽出手法が構築されていたため、本来一致すべき数値に乖離が生じており、その突き合わせ作業に追われていたのです。リーダーから先週の業績について説明を求められても、回答には半日のデータ準備が必要だったため、レポートが手元に届く頃には、好機は過ぎ去っていました。
チームは、分断された環境と、拡張性を欠く低速で硬直したシステムに阻まれていました。そしてその結果、サイロ化が進み、その隙間でシャドーITが増えていました。同じ質問に対して、チームごとに異なる回答が導き出されていました。
Under ArmourのEnterprise Data Analytics担当DirectorであるDenny Ward氏は、「意思決定につなげるために情報を読み解くことよりも、データ準備に多くの時間が費やされていました」と話します。「経営幹部は、必要な特定のタイミングでインサイトを得なければなりません。適切な情報を得る機会を逃すと、全員が意思決定に向けて熱量を高めているときに、その勢いが失われてしまいます」
Under Armourが新たなデータ基盤の構築に着手した際、チームはテクノロジーだけでなく、ビジネスを出発点に据えました。
Under Armourの最高データおよびAI責任者であるPatrick Duroseau氏は、「技術者として、テクノロジー先行で進めたくなる理由はよく理解できます」と語ります。「しかし、私たちが重視したのは、ビジネスの視点から出発し、テクノロジーをどう活用すれば事業成果につながるかを考えることでした」
この視点に基づき、Duroseau氏はSnowflakeとのパートナーシップに臨みました。そしてこの取り組みを、Under Armourが「モニュメント」と呼ぶ、将来のイノベーションへの道を開く極めて重要な投資として捉えました。
当社にとって「モニュメント」とは、継続的に機能を追加し、機能性を高められる、確固たる基盤を備えていることを意味します。Snowflakeは、当社のモニュメントの一つです。特定のテクノロジーに縛られることなく、テクノロジーの進化に合わせて成長し、スケーリングできます。Under Armour 最高データおよびAI責任者 Patrick Duroseau氏
Snowflakeは、拡大し続けるUnder Armourの構想に応えるものでした。Duroseau氏は、「Snowflakeを当社のパートナーへと押し上げたのは、その相互運用性と拡張性でした」と語ります。「それはテクノロジーの面だけでなく、パートナーとしてのあり方にも当てはまります」
この決断から、アーキテクチャに関する揺るぎない方針が生まれました。データプラットフォームを1つに統合するという方針です。
Duroseau氏は、「Snowflakeは、アナリティクス、AI、ビジネスインテリジェンスにおける信頼できる唯一の情報源を当社にもたらしてくれました」と語ります。「セキュアデータシェアリングやデータクリーンルームなどの機能は、価値の創出とスピードの向上に向けて大きな突破口となりました。この一貫した基盤によって、データを移動させないという原則を守りながら、より迅速な対応と優れた成果を実現できるようになりました」
Snowflakeへの移行で、最初になくなったのは待ち時間でした。
Under Armourは、Snowflakeをデータファウンデーションとして、製品利益率レポートの作成などの重要なプロセスを刷新しました。以前は、このレポートの抽出、照合、書式設定に1週間の手作業が必要でした。負担が大きいため、作成できるのは月に1回だけでした。最新の利益率を確認できるまでに30日かかっていたため、製品開発者は前月の情報に基づいて判断していました。現在は、自動化されたプロセスが毎日実行され、収益を守るための価格設定や品揃えの意思決定を、より迅速に行えるようになっています。
手作業での集計に1〜2日かかっていた経営層向けレポートも、今では毎朝、経営幹部の受信トレイに届きます。リーダーは事業の状況を確実に把握し、重要な意思決定を適切なタイミングで行えるようになりました。
なかでも特に重要な変化は、データの扱いに詳しい人だけでなく、必要とするすべての人がUnder Armourのデータを利用できるようになったことです。
| プロセス | 移行前 | |
|---|---|---|
| 製品利益率レポート | 作成に1週間 月1回のみの実行 |
自動で実行 毎日配信 |
| 経営層向けレポート | 手作業での集計に数日 |
朝までに経営幹部 の受信トレイへ |
| データアクセス | 静的なダッシュボード | ライブで共有されるデータ |
その効果は、各部門にも広がっています。在庫、サプライチェーン、需要計画、販売管理、営業の各チームが同じ数値を基に業務を進めるようになりました。各部門は業務効率化につながるインサイトを見いだし、最終的な収益向上に役立てています。Ward氏は、「以前は誰もが静的なワークブックをやり取りし、計算式を逆算して読み解こうとしていました」と語ります。「現在はライブの実データセットを参照できるようになり、全社的にデータリテラシーが向上しています」
また、同じ問いに対してチームごとに異なる数値が提示されるという、地域をまたいで発生していた問題も解消されました。Moore氏は、「Snowflakeを活用してデータ構造とレポート作成を合理化したことで、すべての従業員が常に同じ情報と回答を参照できるワンストップの環境が実現しました」と述べています。
Snowflakeによって得られた最も大きな成果の一つは、セルフサービス型のエコシステムを構築できた点です。適切なガバナンスが適用された環境下で、コードを書けなくても、すべての従業員がデータにアクセスして独自の成果物を生み出せるようになりました。Under Armour Data Platform Engineering担当Director Jeff Leineweber氏
レポート作成を刷新し、データを身近にしたUnder Armourは、さらに高い目標を掲げました。それは、すべての従業員が利用可能な、信頼できる対話型AIの実現です。
Duroseau氏は、「データガバナンスは、私たちの取り組みを支える中核的な柱です」と説明します。「これは、データを保護し、適切に構造化してアクセスできるようにすると同時に、誰がアクセスしても常に予測可能な状態を保つことを意味します」
この目標を達成するために、チームは5年の歳月を費やしてオブザーバビリティを確立し、ガバナンスを強化するとともに、高い信頼性を備えたデータモデルを構築しました。これにより、リーダーはデータの出所を疑うことなく、提示された数値をただちに確認して適切な行動を起こせるようになりました。Data Platform Engineering担当Directorを務めるJeff Leineweber氏は、「Snowflakeによって、データのガバナンスを構築すると同時に、エンドユーザーに対してAIの能力を解放できました」と述べています。
このガバナンス戦略の中心には、「ゴールデンレポート」という明確な仕組みがあります。Ward氏は、「AIが生成するすべてのインサイトを、業務で日常的に使用するゴールデンレポートと突き合わせています」と語ります。「インサイトの根拠はすべて、ゴールデンレポートのメトリクスと定義に基づいています。そのため、利用者がさらに深く掘り下げて提案を得る際にも、信頼できる情報源を起点としていると確信できます」
ゴールデンレポート
AIのあらゆる回答の根拠となる、信頼できる情報源
Duroseau氏は、「データのアクセシビリティを高めることは、もはや単にダッシュボードを増やすことではありません」と話します。「静的なダッシュボードでは答えられない問いに対しても、チームメンバーがデータを自由に深掘りし、より包括的なアクションにつながるインサイトを得られるようにすることこそが本質なのです」
Snowflake CoWorkにより、Under Armourのナレッジワーカーはパーソナルエージェントを得て、ガバナンスの効いた正確なデータソースを基盤としながら、AIによるインサイトに迅速にアクセスできるようになりました。
Leineweber氏は、「Snowflake CoWorkは、制御された環境でエンドユーザーが対話型AIを本格的に活用できるようにするうえで、大きな転機となりました」と話します。「また、独自の対話型インターフェイスをゼロから構築する必要もなくなりました。自社で構築していれば、多くの時間とメンテナンスの手間がかかっていたはずです」
技術面においては、Snowflake CoCoは開発者に専用のコーディングエージェントを提供します。これにより、開発スピードが向上し、ビジネスに対してより迅速に価値を提供できるようになります。Duroseau氏は、「6か月前には、CoCoはまだ存在していませんでした。しかし、3か月前から、社内での業務の進め方や成果の出し方を変革しています」と語ります。「CoCoは、データとの関わり方ややり取り、成果の創出をシンプルにしてくれました。現在はその能力を、組織全体にわたって従業員に展開できています」
CoWorkとCoCoを組み合わせて活用することで、現場から経営幹部に至るまで、あらゆるレベルでインサイトにアクセスできるようになりました。これは、ビジネスの現実に柔軟に対応しながら、AIのスピードで迅速に進化していくための基盤となっています。Under Armour 最高データおよびAI責任者 Patrick Duroseau氏
現在、リージョナルプランナーはワークブックを開くことも、クエリの実行を待つこともありません。CoWorkに質問を入力するだけで済むからです。朝の最初のミーティングが始まる頃には、昨日のビジネス状況はもちろん、今日取るべきアクションまですでに把握できています。
Moore氏は、「手作業のプロセスをCoWorkに置き換えたことで、チームに膨大な時間の余裕が生まれました」と語ります。「データの集計作業に追われることなく、Under Armourの継続的な成長につながる未開拓の市場機会の発見に注力できるようになったのです」
このようなインサイトにアクセスできるようになったことで、Under Armourでは経営陣から新入社員に至るまで、組織全体に大きな波及効果が生まれています。Ward氏は、「CoWorkにより、経営陣は各種メトリクスに基づいて最初の問いかけを自ら行えるようになりました」と述べています。「これにより、アナリストに依頼される問いはより高度なインサイトを含んだものとなり、彼らは問題の真の根本原因究明に集中できています」
一方、従業員のオンボーディングも変わりました。かつてはオリエンテーション、資料の確認、ミーティングに数週間を要していましたが、今では質問をしながらワークフローや会社の業務モデルを学べるため、数時間から数日で完了します。Duroseau氏は、「チームメンバーが早く業務に慣れれば慣れるほど、それだけ早く組織に貢献できるようになります」と述べています。
チームの誰に今後の展開を尋ねても、返ってくるのはただ一つ、「AIエージェント」です。
Under Armour初のエージェント型ワークフローであるAI駆動の社内ヘルプデスクは、すでに成果を上げています。Duroseau氏は、「当社におけるエージェント型ワークフローは、業務面で財務的なメリットをもたらすと同時に、従業員により優れたセルフサービスのユーザー体験を提供しています」と説明します。「この成功を支える大きな鍵となったのがSnowflakeです。非構造化データを活用する環境を整え、既存のデータ基盤の上に新たな機能を柔軟に追加できる相互運用性をもたらしてくれました」
次のフェーズにおける焦点は、テクノロジーではなくビジネスのスピードです。Snowflakeが強固なパートナーシップを結び、進化し続けるテクノロジーのスピードに合わせてイノベーションを起こし続けてくれることで、私たちは自社組織を強力に支え、常に数歩先を行く存在であり続けることができます。Under Armour 最高データおよびAI責任者 Patrick Duroseau氏
今後は、より多くの業務領域にさらにエージェントが広がっていきます。「今後構築していくあらゆるAIエージェントには、構造化、非構造化を問わず、判断の参照元として質の高いデータが不可欠です。Snowflakeのおかげで、これまでに築いたデータ基盤と蓄積された学びを活用しながら、エージェントやアシスタントを迅速かつ大規模に追加できています」と、Duroseau氏は語ります。
Ward氏が特に手応えを感じているのは、業務そのもののスピード向上です。「豊富なコンテキストに支えられた対話型AIは、ビジネスはもちろん、意思決定のスピードも飛躍的に高めてくれます。これまで数週間から数か月を要していたデータプロダクトの提供を、わずか数日で実現できるようになったのです」と同氏は語ります。
Under Armourの次期戦略において、Snowflakeはアジリティと競争優位性を確保するための不可欠な基盤となっています。