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データクリーンルームとはメカニズムとユースケース

データクリーンルームは、プライバシーに準拠したセキュアなデータコラボレーションを実現します。データクリーンルームがどのように機能し、メリットを提供し、企業の成長を促進するのかをご紹介します。

  • 概要
  • データクリーンルームとは
  • データクリーンルームのメカニズム
  • 分散型データクリーンルームのメリット
  • データクリーンルームのユースケース
  • 事例: MerkleのMerkury Clean Room
  • 関連リソース

概要

プライバシー規制を遵守しながらデータを共有することはこれまで、常に困難なことでした。しかし、分散型データクリーンルームを利用することで、プライバシー規制に沿ったセキュアな方法でデータを使ってコラボレーションすることが可能になりました。広告主やメディア業界は、CookieやデバイスIDなどの重要なデータシグナルのアクセス減少が原因のシグナルロスに直面しているため、分散型データクリーンルームの機能は、特に有益です。データクリーンルームを利用すると、組織はデータを効率的に管理、匿名化、共有することが可能になります。データクリーンルームの概要、データクリーンルームのメカニズム、データクリーンルームで実現するメリット、そして企業がデータクリーンルームを利用してビジネスを成長させている方法について詳しく見ていきましょう。

データクリーンルームとは

データクリーンルームとは、複数の企業または企業の複数の部門が共同して分析を実行するためにデータを集約できるようにする、セキュアで制御された環境のことです。社内クリーンルームガイドラインを策定して、データの取り扱いと共有を、GDPR、HIPAA、CCPAなどのプライバシー規制に合わせることができます。データクリーンルームでは、個人を特定できる情報(PII)を匿名化できます。

データクリーンルームの最も一般的なユースケースは、複数のパーティからの匿名化されたマーケティングおよび広告データをアトリビューションのためにリンクすることです。データクリーンルームを設定して、特定のユーザーを特定できるデータの露出を防止できるため、クリーンルームのユーザーはプライバシー要件を遵守できます。

データクリーンルームのメカニズム

データクリーンルームの設定では、入ってくるデータ、クリーンルーム内の他のデータとの結合方法、各関係者がデータに対して実行できるアナリティクスの種類、そして出て行くことのできるデータを制御します。データクリーンルームを使用すると、クリーンルームに読み込んだPIIのセキュリティと暗号化が可能になります。データクリーンルームでは、一般的にデータオーナーはクリーンルーム内のデータを高度に制御できますが、承認されたパートナーは、匿名化されたデータをフィードで取得できます。

従来型データクリーンルームと分散型データクリーンルームの違い

従来型と分散型のデータクリーンルームの違いを区別することが重要です。従来型データクリーンルームでは、すべてのデータが単一の物理的な場所に保存されます。このため、データの共有方法が制限されます。クラウドテクノロジーの発展に伴い、分散型データクリーンルームでは、データをローカルストレージから別の場所に移動する必要がありません。ライブデータをクラウド内で管理できるためです。これにより、各パートナーはそれぞれのデータを制御しながら、別のパートナーと、さらには他の複数のパートナーとガバナンスを確保したアナリティクスを同時に実行できるようになります。

分散型データクリーンルームのメリット

データクリーンルームは、主に次のようなメリットを広告主、メディア企業、小売企業にもたらします。

1.データアクセスの強化

データクリーンルームにより、メディア企業やパブリッシャーは個人を特定できる情報を露出させることなく、オーディエンスデータをパートナーデータと組み合わせられるようになり、広告主はアトリビューション追跡を改善できます。

2.カスタムオーディエンスの作成

データクリーンルームは、広告プラットフォームのカスタムオーディエンスの作成を容易にし、マーケターが広告ターゲティングを最適化できるようにします。

3.高度なデータ分析

組織はデータクリーンルームを使用して、組み合わせたデータセットの詳細な分析を実行し、顧客行動、セグメンテーション、顧客生涯価値に関するインサイトを取得できます。

データクリーンルームのユースケース

次に、データクリーンルームの3つの具体的なユースケースを見てみましょう。

広告のためのオーディエンスインサイト

ある企業が、顧客とそれに関連するセールスSKUに関する属性を含む、ファーストパーティデータを所有しているとしましょう。この場合、この企業はデータクリーンルームを使用して、広告のためのオーディエンスインサイトを改善できます。この企業が、最良の顧客と同じ属性を持つ新しい顧客を発見し、その属性を他の特性と組み合わせてアップセルの機会の促進を目指しているとしましょう。 

この場合、自社または広告パートナーがホストするクリーンルームにデータをアップロードして、プライバシー規制に準拠しながらターゲットセグメントを構築できます。クリーンルームを使用してプライバシー強化テクノロジーを実装することで、参加者が生のユーザーIDを露出することなく、ファーストパーティデータのセキュアな結合や分析が可能になります。クリーンルームの構成が設定できないと、プライバシーに関する法律、規制、競争上の懸念により、関係者の間でのデータ共有の制限が大きくなってしまいます。

専有データの収益化

オムニチャネルのカスタマージャーニーは複雑であり、ブランドの広告がきっかけとなって開始することはほぼありません。たとえば、ある消費者がもうすぐキッチン家電を購入する予定の場合、購入のジャーニーはオンラインのレビューサイトがきっかけとなる可能性が高くなります。レビューサイトは、家電ブランドにとって非常に有益なファネルの最初の段階のデータを収集します。PIIを管理できるデータクリーンルームがあれば、サイトオーナーはプライバシーを保護したサードパーティのデータプロダクトを作成できます。

小売・消費財(CPG)業界のコラボレーション

小売企業と消費財企業はデータクリーンルームを使用して、一緒に宣伝を実施するブランドとのコラボレーションが可能になります。たとえば、小売企業はトランザクションデータをプライバシーとガバナンスが確保された方法で共有することで、会話シグナルに関するインサイトを提供したり、ターゲティング、パーソナライゼーション、アトリビューションを改善したりできます。

事例:MerkleのMerkury Clean Room

データクリーンルームを利用してビジネスの成長を成功させている組織の事例として紹介するのが、Snowflakeのお客様であるMerkleです。Snowflakeデータクリーンルームが支援するMerkury Clean Roomでは、Merkleの顧客とパートナーは機密データへの不正アクセスを取得することなく、複数のソースからのデータを結合できます。

データの共有とインサイトの収集をさらに安全に

Merkleの顧客やパートナーの中には、コラボレーションの新たな機会をもたらすSnowflakeを採用する企業が増えています。Merkleのアーキテクチャ担当VPのJohn Gajewski氏は、「私が3年前に顧客向けのビジネスに参加したとき、競合サービスを検討する必要がよくありました。しかし現在では、まずはSnowflakeを検討する方向へと大きく変化しました」とコメントしました。

これまでは、組織、クラウド、リージョンを横断したセキュアな連携には、データの移動が必要だったため、望まないリスクが生じていました。現在では、MerkleはSnowflakeセキュアデータシェアリングを使用して、抽出、変換、ロードのETLプロセスやSFTPを削減しながら、Merkleの顧客やパートナーのライブデータにアクセスできるようになりました。また、MerkleのMerkury Clean Roomを構築する基盤であるSnowflakeデータクリーンルームでは、複数の関係者に適切な権限を許可できるため、PIIなどの機密情報を露出させることなくデータを分析できます。

データクリーンルームのためのSnowflake

企業はSnowflakeを使用してデータクリーンルーム内でセキュアかつプライベートにデータを共有し、効率的でリアルタイムかつ詳細な分析を実現できます。参加者は、共有するデータを「リスト」し、許可された関係者のみが閲覧できます。ここではデータの移動を必要としません。

つまりSnowflakeは、企業がデータのプライバシーとセキュリティを保護しながら、選択したパートナーによるセキュアなデータアクセスと分析を有効にするよう設定可能なプラットフォームを提供します。