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データ取り込みとは:完全ガイド

データを効率的に収集、準備、分析するために不可欠なデータ取り込みについて、プロセス、種類、アーキテクチャ、主要ツールなどを含めて詳しく取り上げます。

  • 概要
  • データ取り込みとは
  • データ取り込みが重要な理由
  • データ取り込みの種類とユースケース
  • データ取り込みとETLの比較
  • データ取り込みパイプラインについて
  • データ取り込みプロセスを最適化するメリット
  • データ取り込みの課題
  • 主要なデータ取り込みツールとソリューション
  • ビジネスに適したデータ取り込みソフトウェアの選択
  • データ取り込みの関連リソース

概要

データは身の回りのあらゆる場所にあり、膨大な数のシステムにさまざまな形式で保存されています。ソーシャルメディアの投稿履歴から、企業の顧客データベース、遺伝子配列データベースまで、その種類は非常に多岐にわたります。データドリブンな意思決定の鍵となるのは、このような情報を1か所に集約してアクセスできるようにすることです。しかし、まずはそのデータを特定して取り込む必要があります。

データ取り込みは、リアルタイム分析、ビッグデータプロジェクト、AIイニシアチブをサポートするモダンデータパイプラインの構築に不可欠なステップです。しかし、組織によるデータの収集とインポートの方法は、ビジネス目標とデータ戦略によって異なります。この記事では、さまざまなデータ取り込みの方法と、そのデータを使用して企業のデータイニシアチブを実現する方法について詳しく説明します。

データ取り込みとは

データ取り込みとは、分析や意思決定に使用するために複数のソースから情報を収集、操作、保存するプロセスです。取り込みは、広範なデータ管理戦略の最も基本的な部分です。データをターゲットシステムにインポートしてクエリを実行する機能がなければ、データにはほとんど何の価値もありません。

インサイトの促進、結果の予測、課題の予想、最良と最悪のケースシナリオ計画にデータを使用したいと考えている組織にとって、データの効率的な取り込みは不可欠です。このプロセスを理解することが、データワークフローの最適化と運用コストの削減に役立ちます。

データ取り込みが重要な理由

世界中で作成、キャプチャ、コピー、消費されるあらゆる種類のデータの量は年率19.2%で増加しており、その勢いが衰える気配はありません。現代の企業は、利用できる最もタイムリーな情報にアクセスする必要があり、さらにそのデータが正確で関連性が高く、包括的なものであることを確認しなければなりません。

データ取り込みプロセスを効率的に管理している組織には、明確な競争優位性があります。このような組織は、顧客行動の変化に迅速に対応し、製品の市場投入を加速させることができます。また、新たな収益源を開拓し、規制上の制約を遵守して、状況の急変による影響を低減できます。

データを適切に取り込めない企業では、盲点が生じて機会を失い、リスクが高まります。また、取り込みの方法が適切でない場合は、記録の欠落、データの重複、不整合、コンプライアンス違反、セキュリティ違反、変換エラーがエコシステム全体に伝播し、ユーザーからの信頼と意思決定の正確性が低下する可能性があります。

データ取り込みの種類とユースケース

データ取り込みプロセスには、情報の使用方法や時間的制約に応じてさまざまな形式があります。データ取り込みの主な種類は次の3つです。

バッチ方式のデータ取り込み

最も一般的な取り込み形式では、プラットフォームがスケジュールされた間隔(毎時間、毎日、毎週)でデータを収集し、一度にまとめて処理します。バッチ取り込みはシンプルで信頼性が高く、オフピーク時にスケジュールできるため、システムパフォーマンスへの影響を最小限に抑えられます。しかし、タイムリーな情報と迅速な意思決定を必要とするアプリケーションには適していません。典型的なユースケースには、タイムシートのデータを毎週または隔週で処理する必要がある給与システムや、トランザクションデータを夜間に集約する必要がある金融機関などがあります。Snowflakeでは、COPY INTOコマンドで大量ファイルを一括ロードできます。

リアルタイムのデータ取り込み

このシナリオでは、データはソースから宛先への連続した流れとして処理されます。この方法は、クレジットカード取引中の不正検知や、製造環境内の機器故障センサーのモニタリングなど、リアルタイムで意思決定を行う必要がある場合に不可欠です。しかし、インフラストラクチャへのより多大な投資が必要となり、運用コストも増加します。Snowflakeにおいては、Snowpipe Streamingを使うことで行データを数秒以内にテーブルへ書き込めます。

マイクロバッチ方式のデータ取り込み

3つ目のデータ取り込みの形式は、上記の2つのハイブリッドです。データの収集は継続的に行われますが、処理は数分または数秒間隔など、定期的に少量ずつ実行されます。このアプローチはリアルタイム処理よりもシステムインフラストラクチャへの要求を抑えられるうえ、データ収集からアクション実行までの遅延を短縮することができます。マイクロバッチ取り込み機能を使用する例としては、Eコマースサイトで買い物かごの内容に基づいて訪問者に商品を勧める、地域の医療センターが公衆衛生の危機発生時に病床の空き状況を判断するといったことがあります。

単一の組織が、日報作成にはバッチ処理、不正検知にはリアルタイム方式、ウェブやモバイル顧客とのコミュニケーションにはハイブリッドアプローチなど、アプリケーションごとに異なる形式のデータ取り込みを採用している場合もあります。どの取り込み方法を選択するかは、データ量、レイテンシーの要件、インフラストラクチャのコスト、技術的な複雑さ、ビジネスにとってのデータの重要度などの要因によって異なります。Snowpipeはステージにファイルが届くたびに自動で取り込みを実行します。

データ取り込みとETLの比較

データ取り込みでは、データウェアハウスやデータレイクの構築プロセスにおける不可欠なステップを実行するために、ステージング領域に情報を送ります。ステージング領域では、その情報を抽出、変換、ロード(ETL)し、ウェアハウスまたはレイクに取り込むことができます。したがって、データ取り込みは、ETLまたは抽出、ロード、変換(ELT)プロセスを補完するものです。

このプロセスを、レストランの仕組みにたとえて説明します。データ取り込みプラットフォームは、生の食材(データ)を厨房に届けるトラックのようなものです。ETL/ELTオペレーションでは、これらの食材を洗って切り、味付けし、データウェアハウスやデータレイクのシェフに渡します。顧客はクエリ(注文)をシェフに送り、シェフは、顧客が求めている回答(食事)に合うように材料を混ぜ合わせ、対応します。

場合によっては、ETLやELTを使用せずに、データウェアハウスやレイクでデータを直接受け入れることができます。この設定では、データ取り込みプラットフォームは、ファストフードレストランのドライブスルー窓口のような役割を果たします。たとえば、販売管理(POS)システムや取引システム(フォーマットに変化がなく、データの変換が不要なシステム)や、機器センサー(データに一貫性があり、迅速な対応が必要なシステム)などです。

データ取り込みパイプラインについて

データパイプラインは、適切な情報源の特定で始まり、クリーンで一貫性のある分析可能な大量のデータで終わる、一連の連続したプロセスで構成されています。主なステージは以下のとおりです。 

 

  • ディスカバリー:パイプラインは、データベース、ストリーミングプラットフォーム、IoTデバイス、APIなど、信頼できるデータソースに対する接続の確立から始まります。 
  • 抽出:パイプラインは、ソースごとに適切なプロトコルを使用してデータを引き出すか、リアルタイムフィードへの永続的な接続を確立します。パイプラインは、幅広いデータフォーマット、フレームワーク、プロトコルをサポートできなければなりません。
  • 検証:パイプラインは、アルゴリズムによって生データを検査および検証し、正確性と一貫性について期待される基準を満たしていることを確認します。
  • 変換:パイプラインは、検証済みのデータをターゲットシステム内で使用するための一貫した形式に変換し、エラーを修正して重複を削除し、欠落しているデータがあれば、フラグを立ててさらにレビューします。このステージでは、データリネージと品質を説明するメタデータを追加することもできます。
  • ロード:最後のステップでは、変換されたデータをターゲットシステム(通常はデータウェアハウスまたはデータレイク)に移動し、分析とレポート作成の準備を整えます。

データ取り込みプロセスを最適化するメリット

データ取り込みプロセスの最適化と合理化は、将来的な利益につながります。データの迅速かつ正確な取り込みは、企業にさまざまな競争優位性をもたらします。

意思決定の正確性の向上

適切に設計されたパイプラインは、一貫性の欠如を解消し、エラーを低減することでデータ品質を改善し、結果として、そのデータに基づく意思決定を向上させます。

新しいインサイトへの迅速なアクセス

取り込みプロセスの合理化により、データを収集してから実際に活用するまでの遅延を大幅に短縮することができます。処理時間が数時間から数分以下に短縮されることで、企業は変化する市況により迅速に対応できるようになります。

運用上のボトルネックの軽減

適切に設計されたパイプラインは、機能停止が少なく復旧も迅速なため、トラブルシューティングの必要性が減り、コストの削減にもつながります。

スケーラビリティと柔軟性の向上

合理化されたデータ取り込みプロセスは、データ量の増加に合わせてスケーリングでき、大規模なアップグレードや再構築が必要ありません。

自動化により、データ取り込み時のオーケストレーション、データ検証後の下流プロセスのトリガー、需要の増加に応じたリソースの動的なスケーリングが可能になり、データ取り込みワークフローが強化されます。一貫したデータフォーマットの採用や取り込みパイプラインの個別のコンポーネントへの分割といったベストプラクティスに従うと、人間による介入を最小限に抑えた自己管理システムを構築できます。

データ取り込みの課題

データの量は増加の一途をたどっており、関連するフォーマットやプロトコルも膨大であることから、データ取り込みによって、組織が克服しなければならない複数の複雑な課題が生じています。例としては、以下があります。

ソースの多様な形式

データソースの複雑さは、おそらく企業が直面する最大の問題です。ソースごとに独自の認証方式を使用し、異なるレート制限を適用して、互換性のない形式でデータを提供している可能性があります。組織はソースごとに専用のコネクタや統合パターンを構築する必要があり、開発時間が大幅に増加しています。

一貫性のない、または不完全なデータ

組織は、信頼できるデータの確保と、取り込みの迅速化のニーズとの間でバランスを取ろうとしています。このため、データレコードの欠落、不正確さ、重複が依然として重要な課題となっています。

大規模なリアルタイムパフォーマンスの確保

組織は、リアルタイムの情報に基づいた行動をますます求めるようになっています。しかし、正確性と一貫性を維持しながらレイテンシーを削減することは、依然として大きな課題です。データはソースごとに異なるタイミングで到着する可能性があり、処理やエラー対応にかかる時間も異なるため、ボトルネックにつながります。

セキュリティとコンプライアンスのリスク

組織にとって、安全でセキュアな情報の維持は最重要事項です。機密データの転送時と保存時の暗号化、すべてのステージでの強力なアクセス制御の実装、監査証跡の維持が必要になる場合があります。上場企業または規制が厳しい金融、健康、または個人データを扱う企業は、データの保存と保護に関する特定のルールに従う必要があり、そのために全体的な複雑さが増しています。

主要なデータ取り込みツールとソリューション

市場には数多くのデータ取り込みプラットフォームがあります。以下に、特に検討すべき5つのプラットフォームを挙げます。

Snowflake Openflow

このフルマネージドのデータ取り込みサービスは、Snowflake AIデータクラウド内の任意のソースから任意の宛先にシームレスにデータを移動するように構築されています。オープンソースのApache NiFiを基盤とするOpenflowは、構造化データと非構造化データを単一のソリューション内で統合できるため、多様なデータタイプとソースを扱う必要がある組織にとって特に有用です。

Apache NiFi

このオープンソースツールは、使いやすさと視覚的なワークフロー管理に重点を置き、システム間のデータフローを自動化します。その最大の特長は、ドラッグアンドドロップでデータフローを設計できるウェブ可視化インターフェイスです。Apache NiFiは、多くの異なるシステム間でデータを移動する必要がある組織や、コードベースのソリューションよりも視覚的なワークフロー設計を好む組織に適しています。

AWS Glue

このフルマネージドのデータ統合サービスは、Amazonの広範なデータアナリティクスエコシステムの一部です。Glueは、各ジョブの要件に基づいてコンピュートリソースのプロビジョニングとスケーリングを自動的に行うため、メタデータの自動管理を必要とするシナリオに適しています。インフラストラクチャ管理を回避し、他のAWSアナリティクスサービスとの緊密な統合が必要な組織に最適です。

Fivetran

このクラウドベースの統合プラットフォームは、最小限の継続的なメンテナンスで自動化されたデータレプリケーションを行えるように構築されています。運用オーバーヘッドの軽減と信頼性の高いデータレプリケーションに優れており、エンジニアリングリソースが限られている組織や、複数のSaaSアプリケーションのデータを統合する必要がある組織に最適です。

Informatica

Informaticaのデータ取り込みプラットフォームは、Informatica Intelligent Cloud Servicesを中核としているため、企業はオンプレミスとクラウドベースのアプリケーション間でデータを交換できます。強力なガバナンス、セキュリティ、コンプライアンス機能を備えたエンタープライズ規模の展開用に設計されており、エンタープライズデータウェアハウス、マスターデータ管理、大規模なデータ移行プロジェクトに広く使用されています。

データ取り込みツールは、提供形態(マネージドかセルフホストか)、得意な取り込み方式(バッチ、ストリーミング、CDC)、接続できるデータソースによって向き不向きが分かれます。主なツールの特徴を以下にまとめます。

ツール 提供形態 得意な取り込み方式 主な接続先 向いている組織・ケース
Snowflake Openflow Snowflakeが提供するデータ統合サービス(Apache NiFiベース。Snowflake上で動くSPCS版と、自社クラウドで動くBYOC版を選べる) バッチ、ストリーミング、CDC SaaSアプリケーション、データベース、ファイル、非構造化データ Snowflakeを分析・AI基盤にしており、取り込みから活用までを一つのプラットフォームで管理したい組織
Snowpipe/Snowpipe Streaming Snowflakeの標準機能 Snowpipe:ファイル到着時の自動取り込み(マイクロバッチ)/Snowpipe Streaming:行単位の低レイテンシー取り込み クラウドストレージ(Amazon S3、Azure Blob Storage、Google Cloud Storage)、Apache Kafka(Snowflake Connector for Kafka経由) 追加ツールを導入せずに、継続的なファイル取り込みやリアルタイム取り込みを実現したい組織
Apache NiFi オープンソース(セルフホスト) バッチ、ストリーミング 多様なシステム間のデータフロー ドラッグアンドドロップによる視覚的なワークフロー設計を好み、自社でインフラを運用できる組織
AWS Glue AWSのフルマネージドサービス バッチ中心(ストリーミングETLにも対応) Amazon S3などのAWSサービス AWSのアナリティクスサービスと緊密に連携し、インフラ管理を避けたい組織
Fivetran フルマネージドのSaaS ELT、CDC SaaSアプリケーション、データベース(事前構築済みコネクタが豊富) コネクタの開発や保守をせずに、多数のSaaSからデータを集約したい組織
Informatica エンタープライズ向けプラットフォーム(Informatica Intelligent Cloud Services) バッチ、CDC オンプレミスとクラウドのアプリケーション 強力なガバナンスやコンプライアンスが求められる、大規模なデータ移行やマスターデータ管理

ビジネスに適したデータ取り込みソフトウェアの選択

データの取り込みは手動ではできません。企業は、柔軟でセキュア、かつコスト効率の高い堅牢な取り込みプラットフォームを必要としています。

 

  • 互換性:プラットフォームは、既存のデータエコシステムとシームレスに連携し、データソースや下流のアナリティクスプラットフォームに簡単に接続できる必要があります。

  • データの品質:堅牢なデータ検証、エラー処理、およびモニタリング機能が不可欠です。データリネージの追跡や包括的なログなどの機能があれば、取り込みプロセス全体でデータの整合性を確保できます。

  • 使いやすさ:セットアップが難しいプラットフォームでは、特殊な専門知識が必要となり、データプロジェクトが数週間から数か月遅れる可能性があります。直感的なインターフェイスと合理化されたワークフローを利用できれば、運用オーバーヘッドが削減され、習得が容易になります。

  • 柔軟性:プラットフォームは、パフォーマンスを犠牲にすることなくピークロードを簡単に処理し、データ量の増加に応じて柔軟にスケーリングできなければなりません。

  • セキュリティとコンプライアンス:暗号化機能、アクセス制御、監査ログ、コンプライアンス認証は、業界の要件を満たすか、それを上回っている必要があります。

  • 総保有コスト:プラットフォームの料金モデル(使用量ベースまたは定額)が組織の理想的な使用パターンに合致することを確認し、インフラストラクチャ、人員配置、運用オーバーヘッドのコストを必ず考慮してください。

 

データ取り込みは、複雑で時間がかかることがあります。そのため、広範なテクニカルサポート、トレーニング、チュートリアル、豊富なコミュニティリソースを提供しているプラットフォームベンダーを選択してください。

データ取り込みに関するよくある質問

データ取り込みは、さまざまなソースからデータを収集してターゲットシステムへ移す工程であり、ETL(抽出、変換、ロード)は、そのデータを分析に使える形へ整える工程です。取り込みが「データを運ぶ」役割を担うのに対し、ETLやELTは「データを整える」役割を担うため、両者は対立するものではなく補完し合う関係にあります。クラウドデータプラットフォームでは、まず生データを取り込んでから、プラットフォーム上で変換するELTの構成が一般的です。

データを使うまでに許容できる遅延と、コストのバランスで選びます。日次レポートや給与計算のように数時間から1日の遅延が許容される用途ではバッチ取り込みが、不正検知や設備の異常監視のように即時の判断が必要な用途ではリアルタイム取り込みが適しています。数分程度の遅延で十分な場合は、両者の中間にあたるマイクロバッチ取り込みを選ぶと、インフラへの負荷を抑えながら鮮度を高められます。1つの組織が用途ごとに方式を使い分けることも一般的です。

Snowflakeでは、用途に応じて主に4つの方法を使い分けられます。大量のファイルを一括でロードする場合はCOPY INTOコマンド、クラウドストレージにファイルが届くたびに自動で取り込む場合はSnowpipe、アプリケーションのイベントやセンサーデータを行単位で低レイテンシーに取り込む場合はSnowpipe Streaming、SaaSアプリケーションやデータベースから継続的にデータを連携する場合はSnowflake Openflowを利用します。これらは組み合わせて使えるため、バッチとリアルタイムの取り込みを1つのプラットフォーム上で管理できます。