トランザクションデータと分析データのSnowflakeの新しいワークロード、Unistoreの紹介
注:本記事は(2022年6月14日)に公開された(Introducing Unistore, Snowflake’s New Workload for Transactional and Analytical Data)を翻訳して公開したものです。
最新のワークロード、Unistoreで、Snowflakeがまたもやデータ管理とデータ分析に変革をもたらしました。数十年の間、トランザクションデータと分析データと分析データは分離されたままであり、ビジネスが進化するスピードを著しく低下させていました。Unistoreでは、1つに統合されたデータセットを使用してアプリケーションを開発、デプロイでき、トランザクションデータと分析データをまとめてほぼリアルタイムで分析できます。
データサイロを排除すると、大規模なデータの分析速度が上がったり、データコラボレーションの世界が変わったりといった影響を実感できます。ビジネスの効率化、顧客の把握と顧客への供給、またはこれまで見えなかった市場機会の発見など、Unistoreが生み出す新しいユースケースによって、現在そして今後の「データドリブンであること」の意味が明らかになるはずです。
Unistoreとは
Unistoreは、単一のプラットフォームでトランザクションデータと分析データを組み合わせて利用する最新のアプローチです。Unistoreが誕生した理由はたくさんあります。システム間でデータを移動させるのに疲れた、複数のソリューションにまたがる冗長なデータセットの管理にうんざりしている、必要な時にデータにアクセスして、事実上すべてのデータを1か所で処理できるようにしたい、というお客様の希望に応えたのがUnistoreです。ただし、Unistoreにはデータの統合よりももっと重大なインパクトがあります。トランザクションのビジネスアプリケーションを直接Snowflakeに構築する、トランザクションデータでリアルタイムの分析クエリを実行する、ガバナンスとセキュリティに一貫したアプローチを取る、といったことが可能になるのです。
Adobe、UiPath、IQVIA、Novartis、WoltなどのSnowflakeのお客様は、早期にUnistoreを導入しています。これらの企業では、パイプライン用のアプリケーションの状態の保存、データ供給の処理またはオンライン機能ストアの強化、さらには企業のトランザクションアプリケーションの支援といったユースケースが見られます。早期段階でのフィードバックは上々で、Snowflakeでトランザクションのユースケースがサポートされるようになったことを大変喜んでいただいています。これらの企業では今後、以下のようなUnistoreのメリットを活用することに大きな意欲を抱いているようです。
- 1つのデータセットで可能となる最新の開発手法
ほぼ瞬時にトランザクションデータに作用し、カスタマーエクスペリエンスを向上し、トランザクションデータと分析データを1つのデータセットに統合することで新しいインサイトを得ます。
- Snowflakeでのシンプルで簡素化されたトランザクションアプリ開発
Snowflakeのデータクラウドと同じシンプルさ、パフォーマンス、使いやすさで、エンタープライズトランザクションアプリなどを構築します。
- 統合されたトランザクションシステムと分析システム
データを移動またはコピーする必要性を排除し、アーキテクチャを簡素化して、単一のプラットフォームでセキュリティとガバナンスの制御を標準化します。
単一のプラットフォームでトランザクションデータと分析データの両方に対応
トランザクションのユースケース用のハイブリッドテーブル
ハイブリッドテーブル(現在プライベートプレビュー中)は、Unistoreを強化する新しいSnowflakeのテーブルタイプです。ハイブリッドテーブル構築時の主な設計原則は、アプリケーション開発者が依存する最も一般的なトランザクション機能をサポートすることでした。特に高速な単一行オペレーションの場合、パフォーマンスがトランザクションアプリケーションの重要な側面であることは間違いありません。これをサポートするため、まったく新しい行ベースのストレージエンジンを開発しました。これにより、エンタープライズトランザクションアプリケーションをSnowflakeに直接構築できるようになりました。
ハイブリッドテーブルの使用を開始するのは簡単です。他の従来のSnowflakeテーブルと同じ方法でテーブルを作成するだけです。ただし、これらのトランザクションワークロードをサポートするには、ハイブリッドテーブルに主キーが必要であり、Snowflakeではアプリケーションの主キーは一意である必要があります。
もちろん、アプリケーションには複数のテーブルが必要です。アプリケーションのデータモデルは、主キーと外部キーを使用するテーブル間の関係によって定義されます。ハイブリッドテーブルでは、現在適用されている参照整合性制約を使用して関係を定義できます。例を見ていきましょう。まず、ハイブリッドテーブルと関連する制約を作成します。
では、顧客レコードと、制約に違反するオーダーを挿入してみます。
ハイブリッドテーブルには、エンタープライズトランザクションアプリの構築と実行をサポートするための新機能が他にも多数あります。例えば、追加の制約、インデックス、行レベルのロックなどです。これはほんの始まりにすぎず、さらに多くのユースケースに対応できるよう、今後も継続してUnistoreとハイブリッドテーブルに機能を追加し、進化させていきます。
トランザクションデータの分析
Snowflake上で直接トランザクションアプリケーションを構築できるだけでも素晴らしいのですが、Unistoreの強みはそれだけではありません。Unistoreでは、トランザクションデータ上で直接分析を実行することで、データの可能性を最大限に引き出します。このデータには、多くの分析価値が秘められています。だからこそ、多くのお客様が外部データベースからSnowflakeにトランザクションデータを取り込み、ビジネスインサイトを掘り出そうとしていたのです。トランザクションの発生時点で分析を実行することができれば、より強力なインサイトが得られるようになります。例えば、数十億件のレコードが収録された受注テーブルを、週間の売上傾向を表示するダッシュボードに瞬時に組み込むことができます。ハイブリッドテーブルを使用すれば、トランザクションデータに直接分析クエリを実行するだけで、いつものSnowflake品質の分析パフォーマンスで結果が返されます。
トランザクションデータに対して直接分析クエリを実行できるほか、ハイブリッドテーブルではトランザクションデータと履歴データの間のデータサイロを解消できます。ハイブリッドテーブルを、Snowflakeテーブル、Snowflakeマーケットプレイスからのデータ、または他のチームから共有されたデータなどの、既にSnowflakeに取り込んでいる他のデータと結合できます。例えば、システム間のデータ移動を伴わずに、受注データを既存のマーケティングキャンペーンからの情報とオーバーレイすることもできます。
すべてをデータクラウドで
ここまで、ハイブリッドテーブルの使用がいかに簡単か、どのようにしてアーキテクチャ、アプリケーション、ワークフローを変革できるかを紹介してきましたが、おそらく最も重要なのは、UnistoreはSnowflakeのデータクラウドが提供する多数のワークロードの1つであるという点です。つまり次のようなメリットがあるということです。
- データ全体で一貫して実施されるデータガバナンスとセキュリティ制御
- Snowflakeの伸縮性のある高性能エンジンを使用した、あらゆる規模での真のクラウドパフォーマンス
- Snowflakeのシンプルさによって、インフラストラクチャの管理、クエリ調整、アップデート、データの継続性を管理する必要がない
- データのコピーや移動を必要としない、クラウドやリージョン間で共有されたデータとのシームレスな統合
Snowflakeは、学習する概念、処理するテクノロジー、開けなければならないドアの数を減らすことで、このようなレベルの統合と一貫性を実現しています。これが、Snowflakeの真の手法です。
ハイブリッドテーブルは、Unistoreの始まりにすぎません。Snowflakeは、過去数年間にわたって多くの革新を継続的に提供してきました。そして今、組織がトランザクションデータと分析データの両方に単一のプラットフォームを使用できる日が来ました。かつては困難だった、あるいは想像もできなかったインサイトの獲得が主流になるのは時間の問題です。これまで想像できなかったようなものを、共にUnistoreで構築しましょう。
パブリックプレビューに登録
Unistoreとハイブリッドテーブルに興味をお持ちの場合は、公開後にパブリックプレビューにご登録ください。詳細については、Snowflake担当者までお問い合わせいただくか、以下のリソースをご確認ください。
見通しに関する記述
見通しに関する記述も、将来本記事には、明示または黙示を問わず、(i)Snowflakeの事業戦略、(ii)開発中や一般公開されていないものも含めたSnowflakeが提供する製品、サービス、テクノロジー、(iii)市場の成長、トレンド、競争に関する考慮事項、(iv)サードパーティプラットフォームと連携したまた同プラットフォーム上でのSnowflake製品の統合、相互運用性、および可用性、についての言及など、将来の見通しに関する記述が含まれています。これらの将来の見通しに関する記述は、さまざまなリスク、不確実性、前提に左右されます。これには、Snowflakeが証券取引委員会に提出するForm 10-Q(四半期レポート)およびForm 10-K(年次報告書)内の「リスク要因」などのセグメントに記載されているリスク、不確実性、前提が含まれます。これらのリスク、不確実性、前提を考慮すると、将来の見通しに関する記述において予想または暗示されている結果と比較して、実際には大きく異なる結果や反対の結果に至る可能性があります。そのため、将来の見通しに関するいかなる記述も、未来の出来事についての予測として利用するべきではありません。
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