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JUL 07, 2026/約1分で読めます製品 & テクノロジー

AIとFinOpsの融合:AI時代に向けたSnowflakeによるコスト管理の再定義

ウェアハウスのクレジットの急増を説明するのは簡単です。しかし、AIの請求額についてはそうはいきません。

1つのSnowflake Cortex Agent™が、複数のデータセットにまたがって一連の推論ステップを実行することがあります。1つのプロンプトが数千のトークンをトリガーする可能性もあります。また、従来のインフラストラクチャとは異なり、多くのAIワークロードは本質的に探索的です。

そのため、FinOpsチームは新たな課題に直面しています。それは、出力と同様にコストも動的に変動することが多いシステムをガバナンスすることです。チームは、次の2つの問題を同時に解決することを迫られています。

  • AIを活用したFinOpsの改善

  • AIの支出自体のガバナンス

Snowflakeでは、AIドリブンなワークロードに対応するためだけでなく、AI自体をコストガバナンスをよりスマートかつ迅速にし、誰もが利用できるようにするためのメカニズムとして活用するために、コスト管理を根本から見直してきました。本記事では、コスト管理ツールにAIを組み込んでより強力なものにすることと、AI投資を適切に管理するために必要なガバナンスのプリミティブを提供することの、両方のアプローチについて解説します。

FinOpsの課題の複雑化と緊急性の高まり

FinOps Foundationの「State of FinOps 2026 Report」は、ある事実を明確に示しています。それは、AIがFinOpsの最重要課題になったということです。同レポートによると、今後12か月間において、チームの将来を見据えた優先事項第1位はAI向けFinOpsとなっています。AIのコスト管理は、組織が構築を目指す最も重要なスキルセットとなっており、現在、FinOpsチームの98%がAIの支出を管理しており、2年前のわずか31%から急増しています。AIは、単一のプロダクトサイクルの間に、新たな懸念事項からFinOpsの普遍的な責任へと変化しました。

これを困難にしているのは、AIの支出額の大きさだけでなく、その性質にあります。同レポートでは、実務担当者が最も頻繁に直面する3つの課題が挙げられています。 

  • AIコストの可視性(価格モデルが多岐にわたるため)

  • ビジネスユニットへのコストの割り当て(従来のインフラストラクチャよりも困難)

  • ROIの判断(投資が探索的であることが多いため)

さらに、「State of FinOps 2026 Report」で最も要望の多かったツールの機能は、トークン、LLMリクエスト、GPU使用率などのAIの支出の詳細なモニタリングです。ある実務担当者は次のように述べています。「チームは、より多様なプロジェクトにわたるAI支出管理の複雑さと、市場投入期間を遅らせる可能性のあるAI利用制限を回避するという指示との間で、バランスを取る必要があります」

FinOps Foundationは、これをAIを活用してFinOpsの生産性と効率を向上させ、AIの支出を管理するという二重の課題として位置付けています。この二面性こそ、Snowflakeが構築を目指してきたものです。

パート 1:コスト管理に組み込まれたAI

FinOpsにおいて最も一般的な失敗の要因は、データを理解するための時間が不足していることです。エンジニアはACCOUNT_USAGEに対してクエリを記述でき、財務リーダーは毎月の請求書を確認できます。しかし、その中間にいる誰も、先週の支出が30%増加した理由、原因となっているウェアハウス、そしてその対処法を迅速に理解するためのコンテキストを持っていません。

この問題に対処するため、SnowflakeはAI駆動のコーディングエージェントであるSnowflake CoCo™を、コスト管理エクスペリエンスに直接組み込んでいます。

Cost Intelligenceスキルによる自然言語でのコスト分析

CoCoには、コスト管理をSQLタスクから会話へと変革する、専用のCost Intelligenceスキルが含まれています。次のように、コストに関する質問をすることができます。

  • 「水曜日にコンピュートの支出が急増したのはなぜですか」

  • 「今月、ウェアハウスのクレジットを最も消費しているユーザーは誰ですか」

  • 「コストが最も高い上位5つのウェアハウスと、過去6か月のコストの傾向を示してください」

  • 「今月の予算の消化状況はどうなっていますか」

CoCoは説明付きで回答を返し、基礎となるデータを提示し、追加の質問に対してもコンテキストを維持します。ウェアハウスのアクティビティ、クエリのパターン、ユーザーの行動、コストの属性を関連付けます。これは、これまでACCOUNT_USAGEスキーマに関する深い知識を持つデータアナリストでなければできなかった作業です。

このスキルは、Snowsight UI™とSnowflake CoCo CLIまたはDesktopの両方で利用できます。つまり、ターミナルを使用するプラットフォームエンジニアであっても、ブラウザを使用するFinOpsアナリストであっても、同じ自然言語インターフェイスにアクセスできます。

自己説明型の異常検知

組み込みのCost Anomaly機能を使用して、Snowflakeアカウントのコストの異常を検知できますが、異常が発生したことを知るだけでは問題の半分しか解決していません。異常が発生した理由の特定は、これまでチームがウェアハウスの履歴、クエリログ、ユーザーアクティビティの関連付けに何時間も費やし、行き詰まっていた課題でした。

コスト管理UIにCoCoが組み込まれたことで、支出チャート上の異常をハイライトし、「explain」をクリックするだけで詳細を確認できるようになりました。CoCoは異常を調査し、ウェアハウスのアクティビティと関連付け、関与するユーザーやワークロードを特定して、多くの場合、数秒以内にわかりやすい言葉で説明を返します。 

アクションを重視して再設計されたアカウント概要

Snowflake Summit 2026で一般提供が発表された、Snowsightの更新されたコスト管理のアカウント概要は、レポーティングダッシュボードとしてではなく、統合されたコストコマンドセンターとして設計されています。単一のページから、予算の健全性、未解決の異常、ウェアハウスの割り当て状況、サービスタイプ別のクレジットの内訳をすべて一目で確認できます。すべてのインサイトはアクションに結びついています。異常の調査が必要な場合は、ワンクリックでCoCoを利用できます。ウェアハウスがコストセンターに割り当てられていない場合は、CoCoを活用してタグ付け計画を立てることができます。目標は、問題の発見から解決までの距離を縮めることです。

 

account

 

パート 2:新たな必須事項となるAI支出のガバナンス

AIはコスト管理をスマートにする一方で、組織がプロアクティブにガバナンスを効かせる必要のある新たなカテゴリのコストも生み出します。Snowflakeは、可視性から通知、適用に至るまで、AIコストのガバナンスに特化した包括的なプリミティブのセットを構築しました。

可視性の確保 

見えないものを管理することはできません。Snowflakeは、あらゆるレベルでの詳細なAIコストの可視性に多大な投資を行ってきました。

組織レベルの7つの新しいAIビュー

組織アカウントからアクセスできるORGANIZATION_USAGEスキーマで、主要な各AI機能(Cortex AI関数™、Cortex Agents™、Snowflake CoWork™、Snowflake CoCoなど)に対応する7つの新しい詳細なAIサービスビュー の提供を開始しました。これらのビューにより、財務、プラットフォームエンジニアリング、FinOpsの各チームは、Snowflakeの組織全体におけるAI関連のすべてのクレジット消費を一元的に把握できるようになります。

これらのビューは、日々のAI支出をより細かい粒度(アカウント、ユーザー、関数/モデル)で分類して表示するため、複数のアカウントにまたがる複雑なJOINクエリを記述することなく、導入トレンドの監視、ビジネスユニット間のAI使用量の比較、社内のチャージバックレポートの作成が可能になります。

Snowsightのコスト管理ダッシュボード

[管理者] > [コスト管理]の消費ビューを使用すると、アカウント管理者はAI支出をドリルダウンし、サービスタイプでフィルタリングして、特定のAI機能の使用量をウェアハウスのコンピュートから分離できます。新しく再設計されたアカウント概要とCost Intelligenceスキルを組み合わせることで、チームはSnowsight UIから離れることなく、AIコストが上昇傾向にあるかどうか、どのサービスがそれを牽引しているか、誰が使用しているかを迅速に確認できます。

制御:AIのスピードに合わせたガードレール

可視性によって何が起こったかを把握できますが、ガードレールは望まない事態の発生を防ぐのに役立ちます。Snowflakeの予算とクォータのプリミティブは、AIワークロードのガバナンスに特化して拡張されました。

機能レベルでガバナンスを効かせるAI向けの予算

Snowflake 予算 は、定義されたリソースグループのクレジット使用量を監視する月間の支出制限です。最新の更新により、予算はAI関連のサービスタイプもカバーするようになりました。これには、従来のコンピュートリソースに加えて、AI関数、Snowflake CoWork、Cortex Agents、Snowflake CoCoが含まれます。

タグベースの予算を使用すると、組織構造を支出の制御に直接マッピングできます。チーム、コストセンター、またはプロジェクトごとにAIリソースにタグを付け、そのタグをスコープとする予算を作成します。支出が定義されたしきい値に近づくと、Eメール、Slack、Teams、PagerDutyへのWebhook、さらにはクラウドサービスプロバイダーのメッセージキューを介して、適切な担当者に通知が自動的に送信されます。しきい値を超えた場合は、ユーザーが定義したストアドプロシージャであるカスタムアクション、が自動的に実行され、ビジネスニーズに基づいてアクセスの取り消し、監査ログの書き込み、またはダウンストリームのワークフローのトリガーを行うことができます。その結果、受動的なアラートではなく能動的な対応を提供する、自動化されたプログラマブルなコスト適用レイヤーが実現します。

 

budget

AIの民主化に欠かせないユーザーごとのクォータ(パブリックプレビュー)

AI機能を広く展開する際に組織が直面する最も一般的な課題の1つは、100万行に対して複雑なCortex関数を実行したり、タイトループでLLM呼び出しを繰り返したりして、莫大なコストを発生させる個々のユーザーの存在です。従来の予算はリソースレベルの総支出を追跡しますが、単一ユーザーの異常値からは保護しません。

(現在パブリックプレビュー中の)ユーザーごとのクォータは、このギャップを埋めるものです。クォータは、ユーザーごとに適用される月間または日次のクレジット上限を定義し、スコープ内の各個人に対して独立して適用されます。クォータは、最も急速にコストが増加する以下のAIドメインをカバーします。

  • AI関数(すべてのCortex SQL関数:AI_COMPLETE、AI_CLASSIFY、AI_EXTRACTなど)

  • Snowflake CoWork(旧Snowflake Intelligence)

  • Cortex Agents

  • Snowflake CoCo(Snowsight、CLI、Desktop)

個々のユーザーを手動で列挙することなく、Snowflakeのタグ を使用して既存の構造(コストセンター、部門、チーム)をクォータのスコープにマッピングすることで、ユーザーがスコープに設定されます。包括的な可視性を確保するために、制限に近づくか上限に達すると、クォータ管理者と個々のユーザーの両方に自動通知が送信され、特定のクォータ構成に基づいて全員に情報が共有されます。

 

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厳格なガードレールを求める組織にとって、ブロックの適用により、ユーザーが指定されたクォータに達してから数分以内に消費に上限を設けることができ、制御不能な支出リスクを軽減できます。設定した日次または月次の制限に応じて、上限に達すると特定のAI機能へのユーザーアクセスが自動的に制限され、次の期間の開始時にシームレスにリセットされます。 

AIを広範に展開する組織にとって、ユーザーごとのクォータは、セルフサービスAIをより安全にするガバナンスのプリミティブです。すべてのアナリストにAI関数へのアクセスを許可しながら、各ユーザーの使用状況を追跡し、予期せぬ高額な請求が発生する前にプロアクティブにアクションを実行できます。

全体像:コスト管理の両面を担うAI

これまでのFinOpsツールの波と今回の決定的な違いは、AIが2つの異なる役割を同時に果たしている点です。

一方で、AIはコスト管理そのものを強化しています。CoCoのCost Intelligenceスキルにより、ACCOUNT_USAGEに関する深い知識を持つデータエンジニアだけでなく、チームの誰もが、平易な英語を使用して支出を把握し、異常を調査し、予算を作成できます。再設計されたアカウント概要では、AIが生成したインサイトがコストワークフローの中心に配置され、「何かがおかしい」と気づいてから「何が起こったのか、どう対処すべきか」を把握するまでの時間が大幅に短縮されます。コスト管理はもはやバックオフィスのレポート業務ではなく、チームの日常的な業務プロセスに組み込まれた、AI支援型の意思決定レイヤーとなっています。

もう一方で、AIはガバナンスの対象でもあります。詳細なAI使用状況ビュー、タグベースのAI予算、ユーザーごとのクォータを組み合わせることで、FinOpsチームやプラットフォームチームは、より強力な財務ガバナンスを維持しながらAIを広範に展開するためのプリミティブを得ることができます。これにより、どのAI機能がどれだけのコストを消費しているかを確認し、チームおよび個人レベルで制限を適用し、しきい値を超えた場合の適用アクションを自動化できるようになります。

これら2つの側面は、シンプルかつ重要な原則を反映しています。AIドリブンなコストの複雑さに対する適切な対応は、手作業のプロセスを増やすことではなく、データがすでに存在するプラットフォームに組み込まれた、AIを活用したより優れたツールを使用することです。

パフォーマンス最適化およびコスト最適化の詳細をご確認ください。 

 

将来の見通しに関する記述:本コンテンツには、当社の将来の製品提供に関するものを含め、将来予想に関する記述が含まれていますが、いかなる製品の提供をお約束するものでもありません。実際の結果や提供内容は異なる場合があり、既知および未知のリスクや不確実性の影響を受けます。詳細については、最新の四半期報告書(10-Q)をご覧ください。

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