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Powered by Snowflake:成長やスケーリングに対応したコネクテッドアプリケーションの構築

Powered by Snowflake:成長やスケーリングに対応したコネクテッドアプリケーションの構築

B2B SaaSアプリケーションの構築方法について、大きな変化が訪れようとしています。Redpoint VenturesのプリンシパルでありベンチャーキャピタリストのPatrick Chaseも指摘しているように、インダストリーリーダーやエクスパートらは、この変化に気付いています。私たちはPowered by Snowflakeのパートナーやエンタープライズ顧客を通じてこの変化を感じています。これは、顧客がデータの管理するコネクテッドアプリケーションへの移行と言えます。

This is the first part of a two-part blog series on connected applications. In this post, we’ll explore the connected-application model and why you should consider it both as an application provider and as a customer. In the next blog post, we’ll review how connected applications work and how they are built.

コネクテッドアプリケーションとは

最近までSaaSアプリケーションプロバイダーは、顧客が自身の環境で稼働させることができる性能をはるかに上回るようなビッグデータ機能への投資を行っていました。その結果、SaaSアプリケーションが所有する高性能データプラットフォームで処理するためには、顧客の持つデータをアプリケーションに取り込む必要がありました。そのため、顧客はデータの管理を放棄しなければならず、データにアクセスするためにはSaaSアプリケーションごとにAPIパイプラインを構築して管理する必要がありました。顧客のデータが保存されたデータプラットフォームの管理をアプリケーションプロバイダーが行うため、私たちはこの従来モデルを実装したアプリケーションのことをマネージドアプリケーションと呼んでいます。

Snowflakeデータクラウドや他の最新データプラットフォームが幅広く利用できるようになり、あらゆる規模の企業が圧倒的なスケーラビリティとコスト効率の良い、ベンダー所有のものと同レベルのデータプラットフォームを導入し始めています。今では、SaaSプロバイダーは顧客のデータを、自身のプラットフォームに取り入れることなく、顧客のデータプラットフォーム上で保存し、処理することができるようになりました。SaaSプロバイダーは、自身のマネージドデータプラットフォームにデータを読み込むことなく、顧客のデータプラットフォームに接続して処理を実行するため、このようなアプリケーションをコネクテッドアプリケーションと呼んでいます。

コネクテッドアプリケーションによるSaaSデータからのSaaSコードの分離

金融、マーケティング、セキュリティチームの意思決定者らは、データサイロを生じさせず、自社のデータを会社の管理下に置き続けることのできるSaaSソリューションを導入しようとしています。これらの利点を実現する鍵となるのが、SaaSデータからSaaSコードを分離するSaaSアプリケーションの選択です。

Snowflake®や他の最新データプラットフォーム上でアプリケーションを構築する際、開発者は自身のコードを顧客のデータから分離することができるため、開発者がコネクテッドアプリケーションを作成するためのコードを作成、管理する間、顧客は自身のデータに対する管理を維持することができます。

Snowflake独自のアーキテクチャは常に、アプリケーション開発者に技術面での多大なメリットを提供してきましたが、ますます多くのPowered by Snowflakeパートナーが、Snowflakeコネクテッドアプリケーションモデルにより、製品の差別化が促進され、顧客のための価値が増大し、市場投入に向けたSnowflakeとの連携が向上することを実感しています。

コネクテッドアプリケーションモデルのメリット

顧客が自社のSnowflakeインスタンスと直接結びつくコネクテッドアプリケーションを選択する6つの理由をご紹介します。

  1. コネクテッドアプリケーションによる、企業全体におけるシングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)の実現

SaaSアプリケーションの爆発的増加は、高度な断片化を引き起こしました。Oktaが実施した最近の調査によると、2,000人以上の従業員を有する同社の顧客は、平均175ものアプリケーションを管理していました。ほとんどのSaaSアプリケーションは従来のマネージドモデルで顧客のデータを管理しているため、図1で示すように、各アプリケーションが新たなサイロを生み出すという状況になっています。そのため、顧客側のデータの展望が断片的なものとなり、データドリブンへの移行が妨げられています。 

図1:従来のSaaSアプリケーションアプローチでは、各アプリケーションが個別に顧客のデータを保持。

コネクテッドアプリケーションモデルでは、データは顧客によって中央に集約され、各アプリケーションが顧客のデータプラットフォームに接続しています(図2参照)。これにより、サイロ化が防止され顧客によるデータの管理が可能となります。

図2:コネクテッドアプリケーションアプローチでは、アプリケーションが顧客のデータプラットフォームへの接続を提供。

2. コネクテッドアプリケーションによるAPI統合バックログの防止

コネクテッドアプリケーションモデルを実装していない多くのアプリケーションプロバイダーは、APIを介した顧客データへのアクセスを提供しています。そのため顧客側では、各アプリケーション用のAPIパイプラインの構築、管理が必要となります。ほとんどの企業では多数のSaaSアプリケーションを使用しているため、多数のパイプライン、長い統合バックログ、いつまでも中央集約できないデータセットといった状況に陥っています。コネクテッドアプリケーションモデルでは、顧客のアプリケーションデータはSnowflakeインスタンス上に存在するため、API統合を構築、管理する必要がありません。さらに、Snowflake上にマネージドアプリケーションが構築されている場合は、顧客は、APIを介さず、Snowflakeの安全なデータシェアリング機能を使用して自社のデータに簡単にアクセスすることができるため、このような心配も無用となります。

3. コネクテッドアプリケーションによるカスタマイズされたアナリティクスの実現

すべてのアプリケーションからのデータがSnowflakeインスタンスに集約されるため、ビジネスユーザーは、アプリケーションにまたがるデータセットを簡単に分析することができます。たとえば、コンプライアンスアナリストは、HRアプリケーション内の退職記録とID管理サービス内の認証イベントとの相互関係を証明する必要があるかもしれません。マーケティングマネージャーは、顧客サービスアプリケーションからのサポートチケットデータを、CRMからの顧客の購買履歴と併せて分析することで、オファーのターゲティングが可能になります。ここの種のクロスアプリケーションアナリティクスを、APIインターフェースを超えて実施することは簡単ではありません。

4. 顧客による独自のデータガバナンスポリシーの適用

自社のSnowflakeインスタンス内にアプリケーションデータを保有することで、顧客はデータガバナンスポリシーが一貫して適用されていることを確認することができます。たとえば、アクセスログや金融取引の記録を数か月でシステムから削除するベンダーがありますが、コネクテッドアプリケーションモデルでは、顧客がアプリケーションプロバイダーの限定的なデータ保持期間に煩わされることなく、独自の保持期間を柔軟に設定することができます。

5. コネクテッドアプリケーションによるSaaSの大幅な高速化

SaaSアプリケーションのパフォーマンスに苦労している顧客は、コネクテッドアプリケーションモデルを使用した改善が可能です。顧客がSnowflakeインスタンスを管理している場合、アプリケーションプロバイダーが使用しているSnowflakeウェアハウスを簡単にスケールアップできるため、アプリケーション用のサーチやダッシュボード機能が高速化します。この高速化は、監査時期のみなどの一時的なケースにも企業の成長に合わせた永続的なケースにも対応できます。

6. コネクテッドアプリケーションによる会社全体の実用的なレポートの提供

ほとんどのSaaSアプリケーションには何らかのレポーティング機能が備わっていますが、ダッシュボード機能は基本的なものに限られており、すべてのデータにはアクセスできなかったり、アプリケーションへのログインが必要だったりします。顧客のデータプラットフォームにデータが存在していれば、ニーズに応じたカスタマイズが可能で社内の誰もがアクセスできるTableauのような標準的なツールを使用して、エンタープライズBIレポート内でそのデータを利用することもできます。この際、CSVファイルのエクスポートやスクリーンショットの送信は不要となります。

アプリケーションプロバイダーが得られるメリット

コネクテッドアプリケーションモデルの恩恵を受けるのは顧客だけではなく、SaaSアプリケーションプロバイダーにもメリットがあります。Powered by Snowflakeパートナーとのエクスペリエンスから把握できたメリットをご紹介します。

顧客はコネクテッドアプリケーションモデルを高評価

アプリケーションの差別化が図れ、顧客からの評価も高いことから、アプリケーションプロバイダーはコネクテッドアプリケーションモデルを歓迎しています。顧客は自社のデータを管理できることを好意的に受け止め、コネクテッドアプリケーションモデルに対応しているベンダーを選びがちです。このような顧客の要望に応えることができるアプリケーションプロバイダーは、ビジネスにおいて優位に立ち、より多くのビジネスを獲得する機会に恵まれます。顧客がコネクテッドアプリケーションモデルを高く評価する理由をいくつかご紹介します。

Snowflakeの市場投入戦略と連携したコネクテッドアプリケーションモデル

コネクテッドアプリケーションモデルにより、Snowflakeとのより強力な連携が可能になります。Snoflakeは使用量ベースの販売モデルを有しています。そのため、Snowflakeの営業担当は常に、5,400人以上もの顧客(2021年10月31日時点)のために、カスタマーバリューを提供し使用を促進する新たなユースケースやワークロードを模索しています。その結果、コネクテッドアプリケーションモデルを提供するアプリケーションプロバイダーは、自社のアカウントチームとの連携を大いに活用できるようになり、Snowflakeの顧客ベースに自社のアプリケーションを浸透させる機会が増えることになります。

営業サイクルにおける摩擦の低減

プロバイダーのデータプラットフォーム内で自社のデータを保存する新たなSaaSアプリケーションを選択する際、見込み客はコンプライアンスやセキュリティに関する異議を唱えがちです。たとえば、多くの顧客は、特定のクラウドリージョン内に保存しなければならない、といった具体的なデータレジデンシー要件を有しています。コネクテッドアプリケーションモデルにおいては、顧客が選択したどのリージョンでもデータを維持できるため、このような問題は生じません。また、スタートアップ企業のセキュリティについてその成熟度に不安を感じる見込み客もいるかもしれませんが、その問題もコネクテッドアプリケーションモデルで解決できます。このモデルを実装することで、アプリケーションプロバイダーはそのような懸念を払拭し営業サイクルの摩擦を緩和することができます。

収益性の向上

Snowflake上で構築され、Snowflakeの使用量ベースの価格モデルの恩恵を受けることで、アプリケーションプロバイダーの収益性が守られます。アプリケーションプロバイダーはコンピュート費用として秒単位で、使用した分の課金に対して支払いを行うことになります。コネクテッドアプリケーションアプローチでは、Snowflakeの使用量やコストは、プロバイダーのシステムではなく顧客のシステムに対して課されるため、アプリケーションプロバイダーの収益性はさらに向上することになります。

潜在的課題

コネクテッドアプリケーションモデルを実装したアプリケーションプロバイダーにとって新たな課題はいくつかあるものの、前述したメリットはこのようなデメリットを上回るものであると信じています。たとえば、社内の最適化のために顧客間の分析をサポートすることはコネクテッドアプリモデルでも可能だが、マネージドアプリモデルではより簡単に実装できると話すパートナーもいます。

両方のモデルへの対応

コネクテッドアプリケーションモデルとマネージドアプリケーションモデルは補完的な関係であり、相互を排除するものではありません。Powered By Snowflakeアプリケーションを構築するアプリケーションプロバイダーは、両方のモデルのサポートを検討するべきです。これにより、既にSnowflakeアカウントを有するまたはこれから取得する予定の顧客向けにはコネクテッドアプリケーションを、その他の顧客にはマネージドアプリケーションモデルを展開して、さまざまな顧客ニーズに柔軟に対応し、対象となる市場を拡大させることができます。PantherHuntersといったPowered by Snowflakeパートナーは両方のモデルをサポートしています。

代表例:HuntersおよびNETGEAR

サイバーセキュリティ分野には、コネクテッドアプリケーションモデルのメリットを示す素晴らしい例があります。従来、セキュリティチームは専用のセキュリティインフォメーションおよびイベント管理(SIEM)ソリューション内でデータを収集していました。これらのシステムは、企業における他のデータスタックからは切り離して運用されており、拡張性や柔軟性が大幅に制限されていました。その結果、ほとんどのセキュリティ組織が、他の業務から隔離された多数のデータサイロに対処しなければなりませんでした。

このような制限を取り除き、クラウド分野で急速に存在感を増すNETGEARのセキュリティニーズに対応するため、NETGEARのグローバルサイバーセキュリティ部門代表であるPallavi Damle氏は、データクラウドで稼働するコネクテッドアプリケーションに注目しました。このブログ記事でも述べたように、Damle氏は、専用のSIEMソリューションから、Snowflake上でNETGEARの他のアナリティクスワークロードと並行してセキュリティアナリティクスも実行するようにすることで、可視性とオートメーションに関する目標を達成しただけでなく、大幅なコスト削減にも成功しました。このような移行は、NETGEARがHuntersから購入したSaaSソリューションにより実現しました。Powered by Snowflakeパートナーであり、Snowflake Venturesのポートフォリオ企業でもあるHuntersは、顧客がスタンドアロンとしても既存のSnowflakeインスタンスの追加としても実行可能な脅威検出機能や対応機能を提供しています。

HuntersはNETGEARのSnowflakeアカウントにセキュリティデータを読み込み、NETGEARが持つSnowflakeコンピュートリソースを使用してインターフェースや自動化を強化しています。NETGEARのSnowflakeリソースに直接アクセスできるため、Hunterの脅威検出エンジンは、より完全で多様なデータセットとの連携や統合が可能となります。迅速な調査が必要なセキュリティインシデントが発生した場合、NETGEARがウェアハウス規模を管理しているため、同社の情報セキュリティチームが必要に応じて素早くクエリ権限を拡張できます。コネクテッドアプリケーションモデルはこのように魅力的であり、NETGEARがHuntersの顧客となる上で重要な役割を果たしました。

Hunterだけではありません。SecuronixPantherといったセキュリティ業界で躍進を遂げている他の企業も、この革新的なアプローチを採用しています。

参加方法

Snowflakeデータクラウドや他の最新データプラットフォームの人気の高まりにより、多くの企業が自社のSaaSアプリケーションに対しコネクテッドアプリケーションアプローチを選択しています。企業は自社のデータの管理を維持でき、SaaSプロバイダーは新たな成長機会を得ることになります。重要な点として、SnowflakeをサポートするSaaSプロバイダーは、市場投入に向けたSnowflakeの営業チームとの強固な連携および、何千というSnowflake顧客への潜在的なアクセスを手にすることができます。

さらに、Snowflakeとの統合はいたってシンプルです。多くの場合、長期的な再プラットフォーミングプロジェクトは不要です。双方向的な統合に向けてSnowflakeが提供するコネクターやサービスをすぐに使用できるため、SaaSプロバイダーにとってのROIも非常に魅力的となります。
次回のコネクテッドアプリケーションに関するブログではこれらのアプリケーションがどのように機能するか、またその構築方法について述べる予定です。コードとデータを分離するアプリケーションの詳しい構築方法を知りたい方は、Powered by Snowflakeプログラムを通じてSnowflakeパートナーとなってください。Powered by Snowflakeプログラムは、顧客のSnowflakeインスタンス上で直接実行可能なアプリケーションの設計や実装についてのガイダンスを提供します。ソリューションのローンチ後は、Snowflakeデータクラウドのユーザーにおける認知度向上の面でもサポートします。

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