注:本記事は(2022年5月19日)に公開された(How Snowflake Support Uses Data to Improve the Customer Experience)を翻訳して公開したものです。

Snowflakeサポートチームの最も重要な役割の1つにカスタマーアドボカシーがあります。世界中のカスタマーと日常的に密に接することで、Snowflake製品に関する有意義なインサイトや使用法、直面している課題を知ることができます。私たちは、これらのインサイトやトレンドを採り入れ、分析し、Snowflakeカスタマーのために積極的に変革を推進することに強い責任を感じています。

前回のブログ記事では、あらゆるタッチポイントにおいてSnowflakeのカスタマーエクスペリエンスを向上し続けるということについて書きました。カスタマーエクスペリエンス分析(CXA)プログラムは、このような意識を実務に取り入れる多彩な方法のうちの1つです。継続したサポートケース分析を通じ、CXAプログラムでは大切な顧客である皆様のために、アドボカシーに根付いた2つのアウトカムを目標としています。

  • サポートとのやり取りが必要な問題については、トラブルシューティングを最適化し、問題のより迅速な解決やプロダクトチームの改善に向けたフィードバックの提供を行っています。
  • 「最適化で解決できる」一連の問題に関しては、Snowflakeサポートチームに問い合わせしなくて済むように、製品、機能、セルフサービスリソースの簡素化に取り組んでいます。

カスタマーケースやフィードバックからのリアルワールドデータを活用することにより、私たちはプロダクト、エンジニアリング、サポートチームが向上する機会を積極的に見出すよう努めています。すべてのサポートケースのやり取りを見渡すことにより、具体的かつ客観的な知見を提供し、カスタマーの真の擁護者となることができます。特に、ポストケース調査で得られた顧客努力指数のフィードバックにおいて、「Snowflakeにより問題解決が容易になった」というステートメントに対する1(「同意しない」)~5(「同意する」)の評価には特別な注意を払っています。

サポートにおけるあらゆるやり取りからの知見の習得

Snowflakeサポートは、当社のカスタマーサポートジャーニーの改善分野についての関連情報を豊富に有する、独特な位置に立っており、想像通り、カスタマーと接する機会が頻繁にあります。平均して週当たり3,000件を超えるサポートケースタッチポイントがあり、豊富なコンテンツ&コンテキストにより、カスタマーが経験する潜在的なペインポイントを特定することができます。

保有しているデータにより以下の内容を提供できます。

  • サポートケース作成における定量的かつ定性的トレンドの特定:私たちは、膨大なトラブルシューティングデータを必要とする特定のケースに注目し、時間をかけて丁寧に解決を図っています。また1つの問題を明らかにすることで、些細なやりとりの多くを回避できるようになる場合もあります。いずれの状況においても、データを分析しソリューションを導入することでエクスペリエンスを向上したり、最終的にサポートの必要性を排除することができたりしています。
  • 時間、取り組み、製品エクスペリエンスにおけるカスタマーに対するインパクトの評価:私たちは、カスタマーの立場に立って、当該の状況がSnowflakeの使用にどのように影響したか、あるいは無事に解決に至るまでにどのていどの労力が必要だったかを明らかにします。
  • データに基づいた、顧客対応の改善につながる推奨事項の提案:Snowflake製品の改善、セルフサービス機能、新たなナレッジベース記事、明確化されたドキュメント、カスタマーとの積極的なコミュニケーションが、可能かつ望ましいアウトカムです。
知見に基づくカスタマーエクスペリエンスの改善

有意義な改善機会を特定した後は、繰り返されるタッチポイントにおいて当社のエンジニアリングやサポートイネーブルメントチームに対しカスタマーの立場に立った提案を行います。

  • カスタマーに影響するクエリインシデントの改善:私たちは、メモリ不足エラー(OOM)のようなカスタマーが直面している上位のクエリインシデントを分析し、このようなエラーに関するテレメトリーデータを活用して、エラーメッセージやドキュメントを改善できる箇所を特定しています。製品が顧客によるソリューションの理解を助け、顧客が直接ソリューションを導入することができれば、サポートケースを開設する必要もなくなります。
  • セルフサービスによるPrivateLinkの有効化:私たちはエンジニアリングチームと連携し、カスタマーがサポートチームとやり取りすることなく、AWSやAzure向けPrivateLinkを有効化できるようにしました。Snowflakeの6.15リリースで提供開始となったこの機能により、このセキュリティ機能を有効化するための時間を短縮するセルフサービスが利用可能となります。
  • クラウドサポートエンジニアのためのデバッグ/トラブルシューティングの改善:私たちは、クラウドサポートエンジニア(CSE)が使用するデバッグやトラブルシューティングのツールを継続的に評価し、ケースの解決に努めています。定期的にCSEおよびエンジニアとのフィードバックセッションを開催し、ケースデータを分析することで潜在的ボトルネックを把握し、ツール開発チームにケースの解決時間の短縮につながるようなアプローチに関するインプットを提供しています。
  • コネクタートラブルシューティングの改善:Snowflakeプラットフォームとの接続の確立において、カスタマーは最初の接続に影響を与えるようなネットワーク、セキュリティ、プロキシ構成上の問題に気づくことがあります。当社のデバッグツールは、カスタマーとSnowflakeサポートチームの双方に是正措置が必要な注力すべきエリアを示すことで、隠れた障壁を取り除きます。

CXAチームは単にSnowflakeのカスタマーデータを分析するのではありません。CXAチームもまた、Snowflakeのカスタマーです。私たちは、Snowflakeプラットフォームを使用して、データの保存、分析、使用、報告書の作成を行っています。このような活動により、以下を含む全体的な取り組みの基盤が構築されています。

  • サポートケースのやり取りおよびエンジニアリングタッチポイントによりエンリッチ化されたメタデータ(欠陥、改善、リリースに関する情報など)
  • 顧客満足度調査の結果
  • サポートケースの品質レビュー
  • カスタマーエクスペリエンス関係の年次調査

Snowflakeをデータや分析のベースとして使用することにより、当社製品の使用エクスペリエンスに関する直接的なインサイトが得られます。私たちは自身のエクスペリエンスを補足データポイントとしてエンジニアリングチームとのフィードバックループに取り込み、当社の製品、サービス、全体的なカスタマーエクスペリエンスの継続的改善に努めています。今後のブログでSnowflake上でSnowflakeをサポートする取り組みについて取り上げる予定です。

Snowflakeサポートは、当社の素晴らしいプロダクトおよびエンジニアリングチームとともに、データドリブンで真にカスタマー中心のアプローチを使用して、カスタマーのために貢献できることを誇りに感じています。CXAプログラムの立ち上げは素晴らしい第一歩となるでしょう。