SNOWFLAKE SUMMIT 26 | 6月1日(月) - 4日(木) サンフランシスコ開催

エンタープライズデータの未来を体感

カスタマーストーリー

千葉銀行がバンキングアプリを軸にした顧客体験創出の基盤にSnowflakeを採用。 生成AIを活用したデータ分析で新たな顧客体験の実現に取り組む

千葉銀行は、オンプレミスのデータ分析基盤で抱えていた課題をどう解決したのか。生成AIによる高度なデータ分析を全行的展開に向けた取り組みを推進させる秘訣とは。この事例には、金融業界に限らず、あらゆる企業が生成AIを活用したデータ分析を全社的に展開するためのエッセンスが含まれる。

主な結果

30分

3時間以上のデータ加工時間を30分以内に短縮

5秒

1分掛かることも多かったクエリ処理を5秒以内に短縮

business man looking at computer

AIネイティブな企業を目指して進めている取り組みとは

千葉市に本店を置く有力な地方銀行である千葉銀行は、銀行アプリ活用 をはじめとするデジタル戦略の積極的な推進でも注目を集める。以前の オンプレミスのデータ分析基盤は、データ加工やクエリ処理に長時間を 要し、データ利活用に関する大きな課題を抱えていた。Snowflakeのクラ ウドデータ基盤への移行は、データ加工時間やクエリ処理時間の劇的な 短縮を実現しただけでなく、AIによる高度なデータ分析とその全行的展 開に向けた統合プラットフォームとしての役割を担い始めている。

Story Highlights
  • フルマネージドなデータ基盤によるデータ処理の効率化
  • Streamlit in Sno wflakeによる迅速なアプリ開発の実現
  • AI活用推進のための統合データ基盤としての役割

データ利活用の制約となったオンプレミスデータ基盤

千葉銀行は、「一人ひとりの思いを、もっと実現できる地域社会にする」をパーパスに掲げ、「お客さま中心のビジネスモデルの進化」を取組指針にする第15次中期経営計画(2023年3月〜)において、「最高の顧客体験の実現」を基本方針の一つとする。これを実現するためには、資産情報を含む顧客データの利活用を軸とした金融DX推進が強く求められていた。

 同行は以前から、残高照会やマネーレポート機能へのアクセス、入出金明細照会など、多様な機能を備える「ちばぎんアプリ」の操作ログデータ収集を通じ、顧客行動の分析に取り組んでいた。しかし、顧客行動に関するデータのオンプレミスサーバーによる管理は、データ利活用を高め、顧客解像度を高める上でのおおきな制約となっていた。デジタル戦略部 調査役の榎本 康彦氏は、当時の技術的・運用的課題を次のように振り返る。

「当行は以前からちばぎんアプリによる顧客解像度向上に取り組んできましたが、既存データ基盤による取り組みは、入出金に関するデータは取得できているものの、そこに至る顧客行動の把握が難しいなどの制約につながっていました。詳細な把握はマンパワーを掛ければ可能でしたが、それを恒常的に行うのは難しく、結果として顧客分析もデータの鮮度が低い中行うほかない状況になっていました」

 また、オンプレミス基盤の設計がログ系のデータ蓄積を想定していなかったため、データ量の増加に伴う処理速度の限界が予見されていた。このため、クラウド移行を前提とした新たなデータ基盤への移行が必須となった。

 さらに、地域社会との信頼関係を重視する同行にとって、デジタルチャネルだけでなく、営業店というリアルなチャネルの強化も重要であった。デジタル戦略部 シニアエキスパートの渡辺 光美氏は、オムニチャネル連携の必要性を次のように語る。

 「地方銀行である当行は、千葉県内および首都圏を中心に展開するリアル店舗網の存在が大きな強みです。その一方で、口座はあるもののリアルでお会いする機会が少ないお客さまも少なくありません。こうしたお客さまに店舗スタッフが的確に対応するためにも、データの力を活用し、オムニチャネルでデータ連携を実現する必要がありました」

ユーザー部門による運用を前提にSnowflakeを採用

クラウドデータ基盤への移行に際し、千葉銀行が重視したのは、情報システム部門に頼らず、ユーザー部門(ビジネス部門)が主体となって運用できることだった。渡辺氏は、この要件を満たすプラットフォームとしてSnowflakeを選定した理由をこう説明する。

「特にデータ利活用の観点でビジネスが直面する課題にスピーディに対応するには、ビジネス部門が独自にデータ基盤の管理・運用が行えることが大きな意味を持ちます。コンピューティングリソースの拡大や縮小が簡単に行えるSnowflakeの柔軟性を高く評価しました」

 また、金融機関としてセキュリティとガバナンスも重要な観点だった。「ユーザー側で運用まで行うことを前提にしたこともあり、情報システ

ム部門とセキュリティやデータガバナンスに関する協議を重ねた上でSnowflakeを採用しています。データガバナンスの観点では特に、役割に応じたアクセス制限が柔軟に行える点を高く評価しました」(榎本氏)

 Snowflakeへのデータ集約を核とし、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)である「トレジャーデータ」を新たに導入。Snowflakeで高速化されたデータ加工処理と連携し、顧客行動データの可視化と施行実行の高度化を図ることとなった。

データ可視化に加えAI活用にも大きく貢献

Snowflakeへの移行後、当初期待していたとおり、ユーザーインターフェースの良さ、処理速度の速さ、コンピューティングリソースの容易なスケールといった特長が導入効果に直結した。さらに、予想を上まわるSnowflakeの機能強化スピードと、Streamlitによる容易なアプリ開発が「最高の顧客体験」の実現を推進させる。デジタル戦略部 竹鼻 啓人氏は、データ基盤の構築を終える頃には、Snowflake上で生成AIを活用するための基盤が揃っていたと語る。

 その成果の一つが、竹鼻氏がStreamlit in Snowflakeを使って開発した「クロサポ with AIアドバイザー」である。これは、取引履歴や保有資産、AIによるニーズランクなどの顧客情報をダッシュボード形式で表示し、チャットボットを通して顧客特性の理解や商品提案をアシストするアプリケーションである。「クロサポ with AIアドバイザー」の大きなポイントは、顧客理解のサポートに留まらず、AIが生成したトークスクリプトの提示まで行う点にある。

 「トークスクリプトを参照することで、営業経験が短い、もしくはデータ活用経験が未熟な営業員でも、営業スキルを向上させるきっかけをつかむことができます。これにより、データを解釈することにハードルを感じていた現場の意見に対応し、より実践的な提案を可能にしました」(竹鼻氏)

 また、データ処理速度の大幅な短縮化は、デジタルマーケティングの即時性を高める上で非常に大きな効果をもたらした。榎本氏は次のように強

調する。

 「オンプレミスで運用していた頃であれば3時間掛かっていた加工が、Snowflakeの機能を活用することで30分以内に収まっています。リアルタイムマーケティングの大切さがいわれる中、この違いは大きいと思いますね」

 クエリ処理速度の向上も注目すべき点である。運用を担当するデジタル戦略部の水津 瑛斗氏は、その体感を語る。

 「私の場合、CDPとのデータ連携に先立ち、データの事前調査を目的としたクエリを打つことが多いのですが、オンプレミスの頃と比較するとデータ取得に必要な時間は劇的に短縮化しています。元々1分ほどかかっていたクエリが、Snowflakeでは基本的に5秒以内で取れるものが多く、作業時のストレスがなくなり、本当に助かっています」

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「特にデータ利活用の観点でビジネスが直面する課題にスピー ディに対応するには、ビジネス部門が独自にデータ基盤の管理・ 運用が行えることが大きな意味を持ちます。コンピューティン グリソースの拡大や縮小が簡単に行えるSnowflakeの柔軟性を 高く評価しました」

渡辺 光美 氏
株式会社 千葉銀行 デジタル戦略部 シニアエキスパート

アプリケーション開発とグループ連携で幅広いデータ利活用を促進

  千葉銀行のSnowflakeによるデータ基盤を前提とした取り組みの第一の柱は、Streamlit in Snowflakeを活用した業務アプリケーション開発の促進である。すでに、分析担当者自身が利用するツールとして、顧客アンケートの自由記入欄などの定性的な回答の分析を行う「感情分析アプリ」、特定の条件のデータ抽出を自然言語で行う「データ抽出アプリ」、デジタルマーケターのABテスト設計や効果検証支援を目的とした「ABテスト検証アプリ」などが内製開発されている。渡辺氏は、その生産性の高さを評価する。

「アプリケーション開発は竹鼻と私で内製していますが、特にABテスト検証アプリなどは、驚くほど簡単にできました。私たちが次に挑戦したいのが、テキスト、画像、音声、動画など、複数の異なる種類の情報を同時に理解し、統合して処理するマルチモーダルAIに基づくアプリケーション開発です。具体的には、こういうテキストや画像を見せた際にお客さまはそれをどう受け止めるのかであったり、逆にお客さまに感動していただけるにはどんなテキストと画像の組み合わせが効果的なのかなど、人の感情に関連する問いについてプロンプトを投げかけることで追求できる仕組みを想定しています」

 また、Snowflakeは、グループ連携基盤としての拡張が期待されている。グループ会社に点在していたデータをSnowflakeという単一のプラットフォームに集約し、グループ全体のシナジー効果を最大限に高めることを目指す。将来的には、お客さまの行動データに加え、営業担当者や従業員データ(HR関連など)も一元化のスコープに入っている。さらに、AI/ML統合プラットフォームとして、既存の推進系モデルやリスク系モデルのSnowflake上への移行に加え、不正検知系モデルの開発もスコープに入り、MLOpsを推進していく。

 千葉銀行は現在、AIネイティブな企業への移行を目指し、Snowflake認定資格を含め、AI活用やデータ分析に関連する従業員のスキルアップを目的とした施策を積極的に推進している。この一連の取り組みの基盤として、Snowflakeが大きな役割を果たすことが期待されている。

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