注:本記事は(2022年4月20日)に公開された(Snowflake Employees Collaborate with Polish Government to Aid Ukrainian Refugees)を翻訳して公開したものです。

ロシアの侵攻を受け何千人というウクライナ人が祖国からの避難を余儀なくされるのを見て、SnowflakeのプリンシパルソフトウェアエンジニアであるPawel Ufnalewskiは、何かしなければ、と感じました。

ポーランドに入国しようとするウクライナ人で溢れかえっている国境は、Ufnalewskiが勤務するSnowflakeワルシャワ事務所から120マイル離れたところにあります。入国してきた避難民に対し、ポーランド国民は食糧、シェルター、移動手段を提供していました。Ufnalewskiは自分も何か手伝いたいとネットを検索しましたが、救済のための組織だった取り組みは何もありませんでした。危機が生じた際はいつでもそうであるように、すべてが混乱していました。 

Ufnalewskiはすぐに、自身の持つエンジニアリングのリソースやスキルが、避難民と彼らを助けたいポーランド人の双方に待ち望まれているインフォメーションポータルの構築に役立つと気付きました。FacebookのITグループを通じ、ポーランドの情報技術センターと連絡を取ったUfnalewskiは、ウクライナ避難民のために、公式のポーランド政府のドメイン名「gov.pl」の下、「Craigslist」のようなサイトを立ち上げる計画をたてました。

本サイトには、ウクライナ避難民のための最新情報が掲載されており、ポーランド人は本サイトを通じて、住居、移動手段、物資、法的・医療的支援、就労機会などを提供することができます。避難民の安全性確保のため、支援を提供するポーランド人の身元は、同国のソーシャルセキュリティシステムによって認証されます。

即時性が最重要であったにもかかわらず、ポーランド政府のITリソースでは、このようなウェブサイトを短期間で構築することはできませんでした。同時に、政府の公式サイトである以上、本ポータルは安全性や可監査性における厳しい基準をクリアしていなければいけませんでした。そのためUfnalewskiは、Snowflakeワルシャワ事務所のエンジニアリング、HR、その他の部署で働く社員を集め、書記対応車としてAPIの構築にあたってもらいました。

Ufnalewskiは次のように語っています。「Snowflakeの社内全体、あらゆるチームにおいて、すべての人が協力的で手伝いを申し出てくれました。避難民支援のサイト構築に集中できるよう、社内の他の業務を引き受けてくれることもありました。」

Ufnalewskiは、現地リーダー陣やエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるGreg Czajkowskiの承認をとりました。Czajkowskiはプロジェクトに非常に強力的で、勤務時間内にサイト構築のための作業をすることを許可してくれました。このような規模のプロジェクトは通常何か月も要しますが、開発者陣は1週間もかけずに完成させました。

プロジェクトコーディネーターとしてチームに加わった、ワルシャワ事務所のシニアエンジニアリングマネージャーであるTomek Malachowskiは次のように語っています。「私たちは週末も含め、1日14時間、集中して作業にあたりました。」

完成したウェブサイト(https://pomagamukrainie.gov.pl/)は「ウクライナを支援しています」という意味で、3月30日に公開されました。これは、ポーランド初の官民連携事業となります。現在本サイトはポーランド政府によって運営され、Snowflakeやポーランドに在する現地企業の社員も含め、100人を超えるボランティアが参加しています。

ポーランド情報技術センターのeサービス品質部門ディレクターであるTomasz Rychter氏は、本ポータルサイトについて、政府と民間事業体による連携が目に見える成果や共通の利益を生み出した素晴らしい事例だと評しました。

Rychter氏は次のように続けています。「双方とも、多くのものを得ました。民間事業体は情報技術センターの内側を見ることができ、公共機関側はITコミュニティにおけるまったく新しいソリューションについて知ることができました。経験を共有できることは、今回のような多様なグループで働くことの大きなメリットです。チームのメンバーはそれぞれが離れた場所かつ異なる時間帯で作業しているため、チーム間の調整は大きな課題でしたが、サイトの現在の成果を目の当たりにして、プロジェクトを引き受けて本当に良かったと感じています。」

本ポータルプロジェクトはオープンソースとなっており、GitHubで無料で利用できます。そのため、プロジェクトには誰でも参加可能です。ラトビアやロシアと国境を接する他の国の首脳陣からも、彼らの国向けに同様のサイトの構築をサポートしてほしいとの依頼があります。

ロシアの侵攻開始後、270万人以上もの多くの人がポーランドに避難してきており、Ufnalewskiは、これだけ多くの人に自分たちの専門能力を駆使して支援できたことは、彼やチームのメンバーにとって非常にやりがいのあることだったと語っています。「Snowflake社員やITコミュニティに属する他の人々、ポーランド政府が迅速に対応し、尽力してくれたおかげで、今では、ウクライナ避難民に必要な支援を迅速かつ安全に届けることができます。」

Malachowskiは次のように語っています。「個人的には、ウクライナ侵攻は受け入れがたい出来事です。何らかの支援を行えることで、少しは慰めとなっています。」