注:本記事は(2021年9月29日)に公開された(Seven Tips to Creating a Successful Customer Advocacy Program)を翻訳して公開したものです。

ブランドにとって最高のマーケターは、マーケティング部門のオフィスにはいません。

マーケターの皆さんの気分を害するつもりはありませんが、実際、ブランドプロモーションの最適な担い手はカスタマーです。なぜかと言えば、人は仲間の意見をより信じるものだからです。Gartner社の調査によると、B2Bの購入者の75%以上は、購入の意思決定を下す前に3名以上のアドボカシーに相談していることが判明しました。1 

カスタマーをブランドのアドボカシーにする方法はたくさんあります。アドボカシーは、照会者という形をとる場合も、業界や会社のイベントの講演者という形をとる場合もあります。そこで成功談や製品やサービスのレビューを語ったり、もしくはマーケティング資料にお客様の声として掲載されたりします。アドボカシーがブランドについての発言をソーシャルメディアで広げる場合もあります。こうした口コミによる紹介はとても貴重です。

では、カスタマーに、効果的で、押しつけがましくなく、嘘偽りのないアドボカシーになってもらうにはどうしたらよいでしょうか。 

Snowflakeのマーケティングチームとして私たちがまず始めにやるべきことは、カスタマーアドボカシープログラムを作成することです。現在、当社のカスタマーアドボカシーは、ビジネスの多大な推進力となっています。しかしこれには、初期段階から時間をかけ、投資し、慎重に考慮することが重要となります。

優れたカスタマーアドボカシープログラムを構築するための7つのヒントは次のとおりです。

1. 得たもの以上に与える

前向きなカスタマーアドボカシーを獲得するには、まず前向きなカスタマーが必要です。したがって、最初にすべきことは、皆さんが顧客を第一に考えることです。会社全体が、顧客の成功と満足を中心に据える必要があります。これを中核的価値観にしなければなりません。

カスタマーアドボカシープログラムの中でも、カスタマーが皆さんにとって第一の考慮事項である必要があります。皆さんの代わりに彼らはどのような価値を生み出すでしょうか?彼らはどのように熱烈な推薦をしてくれるでしょうか?それをしてくれる彼らにどのようなメリットを提供すればよいでしょうか?どうしたらやる気になってもらえるでしょうか?

カスタマーが小規模企業である場合、マーケティング部門からの露出が増えれば、彼らにとってプロモーション的なボーナスになるかもしれません。個人の場合、その活動が世にもっと知られることで、彼らのキャリアに弾みがつくかもしれません。大規模企業がカスタマーの場合、カスタマーアドボカシー委員会のメンバーになるよう依頼し、ロードマップを伝えてもよいでしょう。ロードマップを把握してもらうことで、さまざまな方法で皆さんの会社やプロダクトを社として推奨してもらう1つの道筋になるかもしれません。さらに、皆さんのプロダクトやサービスに関して非常に画期的な働きをしているカスタマーを取り上げて表彰してもよいでしょう。Snowflakeの場合、データドライバーズアワードが表彰の場です。こうすることで、そのソリューションで何ができるようになるかをさらに強調することができます。彼らにとって何が重要で何を重視しているかを考え、その価値を提供することを検討しましょう。

2. 信頼を築く

皆さんの代わりに公の席で話すことや、皆さんの会社でカスタマーの名前を使わせてもらうことを依頼する場合は、まず、皆さん自身や皆さんのブランドを信頼してもらわなければなりません。そのために一番良い方法は、単なる売買に基づく関係だけではない人間関係を構築することです。

カスタマーとの関係を築くことは、カスタマーアドボカシープログラムにおける使命です。カスタマーを知るために努力し、信頼を構築してから、アドボケートになるよう依頼しましょう。その依頼に快く承諾してもらえるようなインセンティブも用意します。セールスチームとマーケティングチームには、アカウントのパーソナライゼーションに集中してもらいます。データを利用して各カスタマー固有の特性とニーズを理解し、関係と信頼の構築に向けて活動を整合、集中させます。これを実現するための1つの方法として、アカウントベースのマーケティング(ABM)が挙げられます。

3. セールスチームと連携する

たいてい、セールス担当者は最初のミーティングから定期的な連絡まで、カスタマーとの関わりが最も多いものです。彼らはカスタマーとの関係作りの「責任者」として、カスタマーについて多くの有用な情報を持っています。マーケティングとセールスとの間の足並みを揃えることで、セールスチームがアドボカシープログラムの橋渡し役となり、特定のカスタマーとどう付き合うのがベストかを助言してくれることでしょう。また、適切なメッセージの作成を支援してくれるはずです。カスタマーを成功に導くことは、セールス部門にとっても最大の関心事であるからです。

たとえば、特定のカスタマーや事業のリーダーは、カスタマー成功事例の宝庫かもしれません。または彼らは才能ある話し手であり、業界を代表した座談会などに理想的かもしれません。新興企業の場合、共同マーケティングキャンペーンに参加することにプロモーション的なメリットを見出す可能性もあります。これらの可能性のそれぞれが、カスタマーにもチャンスを提供することになります。どのカスタマーがこの種の活動に対して前向きかについて、セールス担当者は貴重なインサイトを提供してくれるかもしれません。

4. 優れた成功事例を探す

カスタマーアドボカシーの取り組みに大手グローバルブランドを引き入れることができれば、成功は確実でしょう。しかし忘れてはならないのは、皆さんのプロダクトやサービスを使って革新的なことを成し遂げた小規模なブランドから、競合他社よりも皆さんを選んだ企業から、皆さんのおかげで主要な目標や指標を達成できた組織から、最高の成功事例が得られる可能性があるということです。もしくは、皆さんのブランドのファンで、その良さを熱く語りたいという人もいるかもしれません。

強力で興味深いストーリーを持つカスタマーは誰か。セールスはそれを特定する手助けをしてくれる一方、パートナーも貴重なリソースです。パートナーはより深いメッセージを生み出し、信憑性を加味することができます。また、皆さんのコンテンツにより多くの目を引き付けてくれることでしょう。 

5. メッセージングの準備をする

カスタマーからアドボケートとなる承諾が得られたら、多くの場合、その後のチャンスは一度きりです。チャンスを逃さないよう、メッセージプランは事前に準備しておくようにしましょう。その人はアドボケートとして、ほかのカスタマーとは別のストーリーを語ってくれるでしょうか?皆さんが伝えたい重要ポイントは何でしょうか?カスタマーのメッセージは会社の全体的な姿勢に沿っているでしょうか?

特にライブで話すようなイベントである場合、アドボケートであるカスタマーを事前に準備することも等しく重要です。素晴らしいストーリーを語ることに加えて、皆さんのプロダクトやサービスを選んだ理由を強調するようなコメントすれば、皆さんの位置づけが強化されることでしょう。また、コメントは真実である必要があります。今の見込み客は嘘のコメントをすぐに見破ります。関与するすべての関係者に話を通しておくことも、すべての重要ポイントを網羅し、準備を固める上で役立ちます。

6. シンプルに保つ

おそらく、カスタマーが皆さんのために行うアドボカシー活動は、カスタマーの仕事の範囲を超えています。そのことを肝に銘じてお願いしましょう。この活動にかかる時間と作業量に配慮します。動画を制作するよりも、ライブのウェビナーへの出演の方が、かかる時間が少なくてすむでしょう。電話インタビューでカスタマー成功事例を語る程度ならば協力できる、という場合もあるかもしれません。カスタマーにとって何がベストか、よく考えてください。

また、アドボカシーの要請を合理化できないか、常に考慮してください。ユーザーグループチーム、PR、プロダクトマーケティングなど、カスタマーによるアドボカシー活動に関心を持つ組織は複数あるかもしれません。これらのチームからのすべての要請を一元化し、整合させ、活動の重複やカスタマーの負担が増えないようにする必要があります。

7. 活動を広く生かす

せっかくのカスタマーアドボカシー活動は、広く活用することを検討してください。本人の承諾があれば、カスタマーから得られる貴重な情報をさまざまな場面に使うことができます。たとえば1時間ほどのインタビューを、短いブログ記事にまとめたり、より長いケーススタディーに組み込んだり、といった具合です。ウェビナーでの発言を、コンテンツマーケティングの一部として利用することもできます。

推薦の言葉は、カスタマーアドボカシーの大きな部分です。ほとんどの見込み客は、推薦者との対話を望んでおり、推薦者との1対1での対話や、見込み客からの質問に推薦者が回答することに勝るものはありません。しかしカスタマーの時間には限りがあります。そんなとき役立つのが、当社で最も成功しているカスタマーアドボカシープログラムであるSnowflakeオフィスアワーズです。これは、30分から60分ほどの時間を決めて、見込み客がカスタマーの1人とライブで話せるというものです。これには、ライブでのケーススタディーや、業界の同業者がSnowflakeの使用感についてカスタマーに自由に質問できる時間も含まれます。Office Hoursのような取り組みは、会社が成長し、見込み客が増えていく中で、活動の規模を広げる優れた方法と言えるでしょう。

適切な基礎を構築する

マーケティングにおいて、周到に構築されたカスタマーアドボカシープログラムより強力なものはありません。鍵となるのは、信頼に基づくプログラム作り、関係の構築、信憑性、そしてカスタマー第一の姿勢です。一度、その活動の結果の追跡と分析に着手すれば、それを基礎として、カスタマーや会社により良い結果をもたらす戦略が見えてくることでしょう。


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