注:本記事は(2022年4月21日)に公開された(Can Data Help Save the Planet?)を翻訳して公開したものです。

4月22日はアースデーです。この日以上に地球を守ることについて話し合うべき日があるでしょうか。

地球の大気や海水の平均温度が上昇している中、温室効果ガスの削減競争が始まっています。 

気候変動の影響を細かく把握し、進捗を測定し、排出量の削減+ドローダウンの増加(大気中からの温室効果ガスの排除)によって競争に勝利するために、データは重要な役割を果たしています。

SnowflakeのシニアセールスエンジニアであるStephen Paceは、データは費用に対して最大の効果をもたらす活動の優先順位をつける上で非常に有益である、と語っています。

買収によって成長を遂げた米国に拠点を置く大規模なごみ処理&リサイクル企業の例を見てみましょう。この企業はよくあるITの異種システムの問題を抱えていました。IoTベースのデータ取得システムがごみ埋め立て地におけるメタン漏れをモニタリングしていましたが、そのデータサンプリングの頻度がバラバラであることがデータの正規化を難しくしていました。(この記事を読めばエンジニアでなくともこれが簡単なタスクではないことが理解できます。)メタンはもう1つの温室効果ガスとも言われ二酸化炭素よりも強力であるとされており、地球温暖化の主な要因の1つです。

ごみ埋め立て地のメタン漏れのモニタリングのような問題に対し、SnowflakeのシニアソリューションアーキテクトであるChris Watersは、ストアドプロシージャを使用してあらゆる時間間隔におけるデータの正規化を行うことを提案しました。その結果、より短期間で排出を最小化できる復旧作業の優先順位づけができるようになりました。

Paceは次のように語っています。「データが提供するのは、目標、他社の状況や有効な活動の確認手段です。」

もちろん、データの保存や分析には電力を消費します。そのため、データセンターの脱炭素化も急務となっています。Paceは、データセンターオペレーションの効率化促進に向け、オープンコンピュートプロジェクトによるサステナビリティワークを提示しています。

ゼロより少なく:ドローダウン

地球の健康を改善するためには、排出量の均衡を保つだけでは足らず、大気中に既にある温室効果ガスを削減していかなければなりません。これがドローダウンプロセスと呼ばれるものです。

Carbon Cycle Institute(CCI)のレンジランド&アグロエコシステムマネジメントディレクターであるJeff Creque氏は次のように語っています。「ドローダウンは特に、産業活動によるものではなく自然なプロセスによる温室効果ガスの排除に焦点を当てています。これらのプロセスで大きな役割を果たしているのは産業界ですが。」

CCIは、農場や農地を使用して炭素を取り除き、それを樹木や植物、土壌に貯留するカーボンファーミングに注力する非営利組織です。1本の木につき年間48ポンドの炭素の貯留というのは、膨大な量とは言えないかもしれません(Creque氏もこれは控えめな数字だと考えています)。しかし、この量は増加していきます。アメリカンファームビューロー連合によると、森林100エーカーは平均105トン、つまり年間231,525ポンドの炭素吸収源に相当します。

排出量削減との兼ね合いもあり、正確な隔離データの取得は困難ですが、この動きを妨げるべきではありません。Creque氏は、カーボンファーミング技術で隔離できるおおよその量を算出するモデルを開発したと言っています。このモデルには、炭素を貯留し土壌品質も向上させる防風林の植林も含まれています。農地ごとの正確な数字は、現地の土壌や気象条件、樹木の種類、その他のさまざまな要素によって異なってきます。Creque氏は、ある場所における保全活動が炭素隔離にどのように影響するかについて、コロラド州立大学における調査およびCOMETツールが有効であると提唱しています。

ネットゼロの達成、さらにその先を目指す企業にはカーボンオフセットの購入といった方法もあります。

オフセットで得られた資金の大半は植樹に使われていることと、化石燃料による電力供給を代替するための再生可能エネルギー用インフラストラクチャーの構築は、また別の話です。この目的においては、カーボンオフセットの非営利団体、Cool Effectが作成した、出張といった特定の活動における排出量の概算を出してくれるこの計算機のようなツールが有効です。

炭素を森林に貯留する取り組み、排出量削減に向けての取り組み、このようなあらゆる取り組みにおいて、地球温暖化の抑制のためには企業と個人双方のさらなる参加が必要です。データはその指針となることでしょう。