Blog/パートナー & カスタマーバリュー/エージェント型企業におけるROIの実現:エグゼクティブが考慮すべき3つのポイント
JUL 22, 2026/約5分で読めますパートナー & カスタマーバリュー

エージェント型企業におけるROIの実現:エグゼクティブが考慮すべき3つのポイント

AIの将来性は長年にわたり経営陣を魅了してきましたが、エグゼクティブが常に問い続けているのは、「リターンはどこにあるのか」ということです。 

技術チームがモデルやインフラストラクチャについて議論する一方で、経営幹部は、AIへの投資が収益の成長、コスト削減、競争優位性につながるという具体的な証拠を必要としています。

数字がそれを物語っています。「The ROI of Gen AI and Agents 2026」レポートによると、リーダーは今後36か月間に開始されるエージェント型イニシアチブの失敗率を41%と見積もっています。このようなリスクがあるにもかかわらず、エグゼクティブの25%は12か月以内にエージェントを本番環境に導入する予定であると回答し、32%はすでにエージェント型ソリューションを本番環境で稼働させていると回答しています。

複雑なタスクを完了するために自律的に行動できるシステムであるエージェント型AIへの移行は、企業の運営方法における根本的な変化を意味します。継続的な人間の監視を必要とした初期のAI実装とは異なり、エージェント型システムは、最小限の介入でデータを分析し、意思決定を行い、アクションを実行できます。CMO、CFO、CROにとって、この進化はビジネスの成功を定義するメトリクスに直接影響を与えるため、非常に重要です。

差し迫った問題は、AIに投資するかどうかではありません。組織はすでにその決定を下しています。本当の課題は、継続的な投資と拡張を正当化できるほど迅速に、測定可能なリターンをもたらす方法でAIを展開するにはどうすればよいかということです。エグゼクティブがこの問題についてどのように考えるべきか、いくつかの方法をご紹介します。

エージェント型AIにおける重要な要素の測定

エージェント型AIのメリットは単なるコスト削減にとどまらないため、エージェント型AIを評価する際、従来のROI計算では不十分です。エージェント型システムを評価するエグゼクティブは、次の3つの側面を考慮する必要があります。 

  1. 自動化による直接的なコスト削減

  2. 迅速な意思決定による収益の加速

  3. 精度の向上によるリスクの軽減

広告最適化のユースケースを例に挙げます。マーケティングチームは従来、複数のプラットフォームにわたるキャンペーンのパフォーマンス分析、入札の調整、予算の再配分に何時間も費やしてきました。エージェント型システムは、リアルタイムでパフォーマンスを監視し、コンバージョンデータに基づいて支出を自動的に調整し、チャネル全体でクリエイティブの展開を最適化できます。 

ROIの計算には、明らかな人件費の削減だけでなく、最適化サイクルの高速化による収益の向上や、パフォーマンスの低いキャンペーンによる無駄の削減も含まれます。エージェント型AIが成果を上げるか期待外れに終わるかは、データ基盤によって決まります。 

SnowflakeのAIデータクラウドは、まさにそれを提供します。これは、エージェントが企業全体でガバナンスの効いた高品質なデータにアクセスできるようにする統合基盤です。AWSやAccentureなどの戦略的パートナーと連携するAIデータクラウドは、エージェントが矛盾する情報の照合に費やす時間を削減し、アクションの精度を向上させることで、ROIに直接的な影響を与えます。

「データが技術的には利用可能であるにもかかわらず、運用上アクセスできないために、今日、どの重要な意思決定が遅れたり弱まったりしているでしょうか」と、AWSのNorth America Industries Solutions Architecture担当HeadであるGeries AbouAyash氏は述べています。「構造化データであれ非構造化データであれ、データが存在することはすでにわかっています。課題は、ビジネスが必要とするときに、そのデータへの運用上のアクセスを提供することです。」 

AccentureのSnowflake Business Group Advanced AI担当Global LeadであるBenny Du氏は、次のように明言しています。「モダンなデータ基盤が整備されていなければ、AIを適切に活用することはできません。」

パイロット版から本番環境への移行における経済性

パイロット版での成功と本番環境規模でのROIとのギャップは、ほとんどのAIイニシアチブがつまずくポイントです。小規模なデータセットで有望な結果を示したパイロット版を企業全体に拡張しようとすると、基盤となるインフラストラクチャがコンピュートの需要やデータガバナンスの要件を処理できないため、期待通りの成果が得られないことがよくあります。

本番環境規模のエージェント型AIには、インフラストラクチャチームが手動でリソースをプロビジョニングすることなく、需要に応じて拡張できる伸縮性のあるコンピュートが必要です。価格設定戦略を最適化するために、エージェントが5千万件のレコードにわたって顧客の行動を分析する必要がある場合、システムは迅速に拡張し、タスクが完了した時点で縮小する必要があります。この伸縮性は、過剰にプロビジョニングされたインフラストラクチャの無駄を排除することで、収益に直接影響を与えます。

また、エージェント型AIのコスト構造は、従来のソフトウェア投資とも異なります。組織は、多額の初期設備投資を行う代わりに、実際に使用したコンピュートとストレージの料金を支払います。 

このCapExからOpExへの移行により、ROIのタイムラインが変化し、大規模なインフラストラクチャ投資に対するリターンを何年も待つのではなく、段階的に価値を証明することが容易になります。

リーダーたちはすでに先を見据えています。レポートによると、リーダーたちは今後12か月以内に、平均して4つの異なる事業部門でエージェント型AIを使用することを想定しています。

収益の原動力としてのガバナンス

CROやCMOなどのエグゼクティブにとって、データガバナンスはイノベーションを遅らせる制約のように感じられることがよくあります。エージェント型企業では、AIシステムがコンプライアンスリスクを生じさせることなく機密性の高い顧客データに基づいて行動できるようになるため、ガバナンスが競争優位性をもたらします。

顧客の購入履歴、行動データ、デモグラフィック情報にアクセスできるエージェント型システムは、コンバージョン率を大幅に向上させる精度でオファーをパーソナライズできます。しかし、同じシステムでも、個人情報を漏洩させたり、プライバシー規制に違反する決定を下したりすれば、多大な法的責任が生じます。適切なガバナンスのROIは、パーソナライゼーションの向上による収益の増加と、コンプライアンス違反やブランド毀損によるコストの回避という2つの形で現れます。

ガバナンスに対するSnowflakeのアプローチにより、組織はポリシーを一度定義するだけで、すべてのAIワークロード全体で一貫して適用できるようになります。エージェントが顧客データにクエリを実行すると、プラットフォームはユーザーのロールとデータの機密性に基づいて、マスキング、フィルタリング、アクセス制御を自動的に適用します。この自動化により、マーケティングチームは、法務チームやコンプライアンスチームに新たなリスクをもたらすことなく、より迅速に行動できるようになります。組み込みのセキュリティ制御を備えたAWSインフラストラクチャ上に構築し、Accentureの業界をリードする専門知識を活用することで、企業はエージェント型AIの未来に向けて有利な立場に立つことができます。  

業界の観点から、ガバナンスリスクが高い金融サービスを例に挙げると、AccentureとSnowflakeは、KYCコンプライアンス、Customer 360のパーソナライゼーション、リアルタイムの金融犯罪検知全体にこのアプローチを展開しており、ガバナンスを制約から収益を可能にする機能へと変えています。

エグゼクティブリーダーが歩むべき道

エージェント型AIへの移行を通じて組織を成功に導くエグゼクティブとは、技術的な機能とビジネスの成果を結びつけることができるリーダーです。これには、AI投資のレビューにおいて、これまでとは異なる視点で問いかけることが求められます。 

モデルの精度やトレーニング時間に焦点を当てるのではなく、システムがインサイトからアクションへとどれだけ迅速に移行できるかを問う必要があります。インフラストラクチャの選択肢について議論するのではなく、利用の拡大に伴ってプラットフォームが経済的に拡張できるかどうかを評価する必要があります。

今後18か月で、エージェント型AIから真のROIを達成する組織と、高額なパイロットプロジェクトを積み重ねるだけの組織に分かれるでしょう。その違いは、データアーキテクチャ、ガバナンス、そして実験段階から本番環境へと迅速に拡張する能力に帰結します。

始めるための1つの方法は、エージェント型AIが90日以内に測定可能な結果をもたらすことができる、価値の高いユースケースを特定することです。データ基盤が本番環境規模の展開をサポートできることを確認してください。コスト削減と収益への影響の両方を、リスク軽減と組み合わせて測定してください。そして、効果のあるものを拡張してください。

Snowflake、Accenture、AWSのプレイブックでは、次のように説明されています。ガバナンスが適用されたデータ基盤をエージェントに接続し、ワークフローをエンドツーエンドで再設計し、自動化する前に簡素化します。これにより、破綻したプロセスを単に加速させるだけの事態を防ぐことができます。

エージェント型企業は未来のビジョンではありません。組織は現在それを構築しており、適切な基盤の上に構築する企業にとってROIは現実のものとなっています。だからこそ、レポートによると、実装の複雑さにもかかわらず、エグゼクティブは強気の姿勢を崩しておらず、来年のエージェント型AIへの投資に対する平均リターンを47%と予測しているのです。

Snowflake、Accenture、AWSは、組織のAI投資におけるROIの達成を支援します。詳細については、eBook『Delivering ROI for the Agentic Enterprise』をダウンロードしてご覧ください。

Subscribe to our blog newsletter

Get the best, coolest and latest delivered to your inbox each week