注:本記事は(2022年6月15日)に公開された(Bring Identity Resolution to Your Data with Native Applications)を翻訳して公開したものです。

パブリッククラウドの導入が急速に進む中、データを活用している企業は、どのようにして多様な顧客データに安全に接続し、より多くのパフォーマンスインサイトやより正確な顧客モデリングを生み出すかという難問に直面しています。 

ブランドがパーソナライズされたマーケティングやサービスを提供するためには、このような統一されたビューを作成することが重要です。しかし、このような360度ビューを実現するためには、さまざまなデータの断片にまたがるID解決を実行する必要があります。このプロセスは面倒で時間がかかるほか、機密性の高い顧客データへの移動やアクセスの共有が必要となる場合も少なくありません。企業が必要としているのは、データがどこにあるかにかかわらず安全かつ簡単に接続し、顧客の技術スタックの中で最も適切なワークフローに組み込む方法です。

そこで、当社ではSnowflakeと共同で、同社の新しいネイティブアプリケーションフレームワークで構築した2つの新ソリューションを提供することにしました。それがLiveRamp Device ResolutionとLiveRamp Transcodingです。

なぜネイティブアプリケーションなのでしょうか? 

Snowflakeのネイティブアプリケーションフレームワーク(現在プライベートプレビュー中)は、Snowflakeのコア機能を使用してアプリケーションを簡単に構築し、Snowflakeマーケットプレイスで配布して収益化し、Snowflakeの顧客のアカウント内に展開することができます。LiveRampでは、ネイティブアプリケーションフレームワークに当社のIDインフラストラクチャ機能を導入するメリットは明らかだと考えました。ネイティブアプリを利用するとデータの移動を最小限に抑えることができるため、お客様がデータを管理し続けることができるからです。また、当社の独自データが保護されるため、複雑なワークフローを管理することなく、お客様にエンゲージし、ID解決をアンロックすることもできます。

ビルダーである私たちにとってネイティブアプリを活用する決定的な理由は「使いやすさ」です、ネイティブアプリケーションフレームワークにより展開は非常にシンプルになります。識別子の解決や変換に必要なものはすべて、お客様の環境にロードされ、適切なパーミッションが付与され、運用が開始されます。さらに、お客様は要件に応じて柔軟にIDワークフローをカスタマイズすることもできます。つまり、ターンアラウンド時間を当社に依存するのではなく、需要の変化に応じてウェアハウスのニーズを増減することができるということです。

主なシナリオ:データの統合とコラボレーション

LiveRampの新しいネイティブアプリケーションを利用すると、データソース間で安全かつ簡単に顧客のIDを解決できます。

  • LiveRamp Device Resolutionは、多くのコンシューマーデータの断片に含まれる変更可能なデバイス識別子(cookie、MAID、CTV ID)に代わり、正確で耐久性のあるブランド固有の識別子(LiveRampのRampID)を作成し、測定、パーソナライズ、最適化、オーディエンスモデリング用にこれらの断片を一貫して統合できるようにします。
  • LiveRamp Transcodingは、異なるデータセット上のRampIDを、測定ならびに新規アセット作成のための共通のIDスペースに変換することにより、ブランドのデータをSnowflake共有内のパートナーのデータに接続します。

端的に言えば、これはプライバシーに配慮したデータ接続ソリューションであり、Snowflake内でのアナリティクスを強化するためにだれでも利用することができます。

  • データサイエンスの専門知識がなくても、ビジネスアナリストが実行できるシンプルなユーザーインターフェイスでデータを接続します。
  • 顧客の個人識別情報(PII)やコンテキストに応じたデバイス情報を公開しないレコードの分析演算に対応することで、コンシューマーデータのプライバシーに関する懸念を軽減します。
  • 組織内またはパートナー間の確定的な人ベースのデータ接続に対応し、データを適切な場所で管理下に置きながら、耐久性のあるテーブル結合を実現します。

これらのソリューションはすべてSnowflakeでホストされているため、データがデータクラウドを離れることはありません。LiveRampのアプリケーションは、データアナリスト向けに、Snowflakeのメディアデータクラウド、小売データクラウド、金融サービスデータクラウド、ヘルスケア&ライフサイエンスデータクラウドで利用できる多くのデータセットと組み合わせて、ブランドのオーディエンス、メディア企業の視聴率、小売企業のサプライチェーンパートナーに対するショッパーインサイトなどに関する重要なデータを接続し結合し測定できる、使いやすく安全な、すぐ使えるソリューションを提供します。

Snowflakeネイティブアプリケーションのメリット

Snowflakeのネイティブアプリケーションフレームワークを利用するとクラウドソリューションがより効果的なものとなります。APIワークフローの統合や一般的なクラウドアプライアンスの起動といった複雑さを取り除くことで、すべてのSnowflakeパートナーが、Snowflakeインフラストラクチャ内で動作が完結し、しかもどのクラウドのユーザーからもアクセスでき、実行できる組み込みソリューションを簡単に作成することができるようになりました。このシンプルなビルトインの仕組みにより、より多くのクライアントがSnowflakeのメリットを活かせるようになるほか、すべての人がデータクラウド接続をさらに活用していけるようになります。

最後になりますが、Snowflakeの優秀なパートナーシップチームからの重要なサポートがなければ、このエキサイティングなプロジェクトを完了することはできなかったと思います。このように密なパートナーシップは、私たちがPowered by Snowflakeプログラムに参加した理由の1つです。アプリケーションのログと認証に関する技術的なフレームワークの疑問の解決から、多数のデータクラウドユースケースの検証、あるいはこれらのソリューションをパイロット版の顧客に直接提供するための支援まで、Snowflakeの経験豊富なパートナーシップチームが、充実したネイティブアプリケーションフレームワークそのものと同じく、シンプルさと明快さに焦点を当てたこの素晴らしいソリューションの提供に役立っています。

ネイティブアプリケーションフレームワークにおけるLiveRampのソリューションについては、こちらをご覧ください。