Snowflakeが注目するスタートアップ企業:Lang.AI

Snowflakeのスタートアップスポットライトでは、スタートアップ企業の創業者を迎え、解決しようとしている問題、構築しているアプリ、スタートアップジャーニーから得た教訓についてインタビューします。今回は、Lang.AIの共同設立者の2人を招き、Lang.AIの製品と常に実験するという企業文化が、AIによってどのように形成されてきたのかお聞きします。
自己紹介をお願いします。
Lang.AIの創業者、JorgeとEnriqueです。実は、Lang.AIは、私たちが一緒に立ち上げた2番目の会社です。最初の会社は、スペイン語圏向けのソーシャルメディア分析プラットフォームです。スペインを拠点に南米にまで広げました。従業員数は40人にもなり、地域で有数のエンタープライズ企業を顧客としています。
私たちは、AIの可能性に賭け、米国の顧客獲得に注力するために、サンフランシスコで2番目の会社Lang.AIを立ち上げることにしました。
創業者としてのインスピレーションは何ですか?
過去12年間、私たちは非構造化データを価値ある企業インサイトに変えるという課題に突き動かされてきました。このタスクを成功させるためには、高度なアルゴリズムとユーザーフレンドリーなインターフェイスを組み合わせて、ビジネスユーザーがアクセスできるようにする必要があります。私たちの日々のモチベーションは、お客様の暮らしをシンプルにし、これまで成し遂げられなかったことを実現することにあります。私たちの取り組みは、非構造化データをビジネス価値に活用する大きな機会を解き放つことができます。この潜在的な可能性は、生成AIの進歩によって大きく成長しています。
解決を目指している問題は何ですか?その問題をどのように特定しましたか?
コミュニケーションがデジタルチャネルへと移行するととともに、顧客の声は非常に貴重なものとなっていますが、多くの企業はこのデータを真に活用できていません。膨大な非構造化データの処理は、非効率性や機械の損失につながります。私たちは、膨大な非構造化データを扱ってきた経験から、この問題を特定しました。当社は、AIによって定性データの価値を解き放つことを目指しており、Snowflake上でプロダクトマネージャー向けのAIエージェントを作成しています。
AIの性質の変化は、Lang.AIにどのような影響を与えましたか?
AIは私たちの方向性と戦略を根本的に再構築しました。Lang.AIは、デジタルプラットフォームによって生成される膨大な非構造化データを活用し、組織の意思決定を改善するというビジョンを掲げてスタートしました。当初は消費者組織に注力し、Zendeskと提携して会話にタグ付けと分類を行い、非構造化データからのインサイトを推進して顧客体験(CX)チームを支援していました。
しかし、生成AIの登場により、私たちのアプローチは一変しました。生成AIは、何時間もの意思決定をデータに裏付けられた即時のインサイトに変換します。これによって、私たちは第一原理アプローチから戦略を再構築することを促されました。CX領域はますますコスト重視になり、ZendeskはAI企業と提携せずに優位に立つことを目指しています。これは、CXを収益ドライバーに変えるという当初の想定を妨げるものです。
AIがコスト削減以外にも幅広い影響を与えることを認識した私たちは、焦点をCXから変えて、Snowflakeを基盤としたプロダクトマネージャー向けのAIエージェントの開発にシフトしました。このシフトにより、私たちはビジョンに集中し続け、このデータの分析が組織に与えるインパクトを示すAIエージェントの構築に注力できるようになりました。Lang.AIのエージェントは、Slack上で直接、コンテキスト付きの有意義なプロダクト提案を行います。当社のソリューションはSnowflake内にあるお客様のデータとシームレスに統合されるため、データチームは複雑なセットアップやAIの専門知識を必要とせずに、ビジネスチーム向けにAI駆動のアナリティクスエージェントを構築して展開できます。
社内においても、私たちは常に実験するという文化を取り入れ、すべての従業員が仕事の一環としてOpenAIやAnthropicを活用しています。私たちは、適切な実験を成功させるためには、AIの限界も押し上げなければならないと考えています。
Snowflakeネイティブアプリによって、どのように事業の限界が押し広げられましたか?
Snowflakeネイティブアプリフレームワークは、当社の戦略的アプローチの中核となっています。これにより、企業の顧客体験データを扱う際の以下の主要な課題を克服することが可能になりました。
コンテキストの欠落:従来のCXデータはコンテキストが欠落しているため、単独で分析しても意味のあるインサイトを引き出すことは困難です。これは、パズルのピースが1つしかないようなものです。
収益アウトカムに結びつかないインサイト:CXのインサイトを、収益や維持率などの具体的なビジネス成果に結び付けることは困難です。こうしたデータはデータウェアハウスの外部で利用できないからです。
新しいプラットフォームの採用:多くの場合、プロダクトマネージャーは新しいプラットフォームの導入に課題を抱えており、すでに使用しているツールにインサイトを統合することを望んでいます。
Snowflakeを利用することで、Lang.AIは以下のように、これらの課題に正面から対処して測定可能なビジネスインパクトをもたらす、包括的でスケーラブルなデータプラットフォームを提供できます。
すべてのコンテキストへのアクセス:Snowflakeによってデータソースの統合が可能になるため、関連するすべてのデータソースにアクセスし、有意義な分析に必要なすべてのコンテキストを得られるようになります。この包括的なデータビューは、これまで達成不可能でした。
成果と結びついたインサイト:Snowflakeネイティブアプリフレームワークワークでは、CXデータを他のSnowflakeテーブルにある特定のビジネス成果(収益や維持率など)に直接結び付けることができます。Lang.AIのAIエージェントは、関連する顧客のインタラクションを分析し、それらをユーザーの支出やアクションに結び付けることにより、重要なインサイトを特定し、ビジネスインパクトを促進する実践可能な提案に変換できます。
既存のツールへのシームレスな統合:Snowflakeネイティブアプリにより、Lang.AIのAIソリューションは、プロダクトマネージャーがすでに使用しているツールに直接埋め込むことができます。ツールの一般的な例としては、Slackがあります。また、Snowflake内の読み取りアクセス用のインターフェイスとして提供することもできます。
さらに、Snowflakeネイティブアプリフレームワークワークによって展開も合理化します。AIの新時代には、迅速に価値を実証することが何よりも重要です。そのため、成功には販売サイクルの迅速化と簡素化が求められます。最も重要なのは、価値を示すことです。これは、セキュリティや法的遅延に煩わされることなく、迅速にソリューションを展開することによってのみ達成できます。Snowflakeネイティブアプリを利用することで、Snowflakeの既存の顧客関係とインフラストラクチャを活用できるようになります。お客様は既存のSnowflakeの費用を使用して、当社のアプリを購入できるのです。
Snowflakeでのアプリケーションの構築を検討中の企業にアドバイスはありますか?
1つのエコシステムに焦点を当てることです。そして、そのエコシステムがSnowflakeであればすべてを投入すべきです。そうしなければ、リソースが薄く分散しすぎてうまくいかなくなります。また、障害に直面したときは恐れることなく疑問を尋ねることが大切です。
創業者でありイノベーターとして、急速に変化するAI情勢についてどのように考えていますか?
楽しみでもあり、懸念でもあります。AIは、世界中の最もクリエイティブな人々に可能性の世界を開いているという点では楽しみです。コーディングや英会話の知識がないことは、もうすぐ障壁ではなくなるでしょう。創造性の高い人は、環境に縛られることなくイノベーションを起こし、製品を構築できるようになります。
懸念しているのは、創造性を必要としない実行的な作業の多くが自動化され、大勢の人が仕事を奪われるという点です。これは、世界の大部分でまだ十分に認識されていないことです。
すべてのAI/MLイノベーションは、適切に使用される限り、楽しみを与えてくれるものです。昨今は目まぐるしく変化しているため、具体的なイノベーションを名指しすることは困難ですが、私たちは、コンピューターとの関わり方が大きく変化している時代に、働き方や生活が進化することを最も楽しみにしています。これこそがAIの最も価値のある側面です。以前は時間やリソースがかかりすぎたために解決できなかった問題を、AIは解決できるようにしてくれます。
この新しいAIの世界で成功を収めるために不可欠な能力は、適応力です。すべてが目まぐるしく変化するなかで、プロフェッショナルとして、そして企業として成功を収めるためには、学習して適応する力が必要です。
スタートアップ企業の経営について、これまでに受けた最も価値のあるアドバイスは何ですか?
恐れから意思決定することは避けよ、ということです。スタートアップ企業の成功要因は、平均的ではなく大胆であることです。最良の意思決定は、自信と直感によって行うものです。このアドバイスは、TypeformのCEOであるKim Lecha氏から受けました。
lang.aiのAIワークフローによる顧客体験の強化についてご興味のある方は、SnowflakeマーケットプレイスでLang.aiアプリをお試しください。また、技術的な詳細については、MediumのSnowflake Builder Blogの記事をお読みいただけます。Snowflakeは、Snowflakeで構築しているスタートアップ企業の目標達成をサポートしています。Powered by Snowflakeスタートアッププログラムをぜひご確認ください。