Snowflake上のMCPサーバー:データエージェントの統合と拡張を実現

2024年、Anthropicはモデルコンテキストプロトコル(MCP)をオープンソース化しました。MCPは、AIエージェントがコンテンツリポジトリ、ビジネスアプリケーション、開発環境、データベースなどのデータが存在するエンタープライズシステムとセキュアに対話できるようにする標準規則です。これにより、エンタープライズ企業は手作業のワークフローの統合に関する課題を軽減し、モデルからより迅速に成果を得られるようになります。それ以来、MCPサーバーはエージェント型アプリケーションの基盤となり、ツールの起動とデータの取得のための一貫性のあるセキュアなメカニズムを提供しています。
エンタープライズでの導入を加速するために、Snowflakeは、Snowflakeサービスに接続されたMCPサーバーの作成を簡素化するオープンソースリソースを公開しました。最小限のセットアップ、設定ファイルでのサービス指定、プログラマティックアクセストークンによる認証により、組織はSnowflakeのCortex AnalystとCortex Searchの機能へのアクセスをAIエージェントに提供するMCPサーバーを起動できます。設定が完了すると、MCPクライアントは、Cortex Search、Cortex Analyst、その他の設定済みオプションなど、リクエストを適切なMCPサーバーに動的にルーティングしてさまざまなタスクを実行できます。Snowflakeは、Cortex Agentsを使用するMCPサーバー構築のためのクイックスタートガイドを追加公開しています。Cortex Agentsは、構造化データソースと非構造化データソースにまたがる多段階のワークフローを計画、実行、改良できるオーケストレーションレイヤーとして機能します。
Cortex Agentsは、複数のツールを連携させることで複雑なデータタスクの実行に特化しています。エージェントは推論を行い、タスクに適したツールを選択し、中間出力を繰り返し反映することで、質の高いエンドツーエンドのタスク実行を実現します。Cortex Agents用のMCPサーバーを登録することで、組織はマルチエージェントインタラクションをサポートし、MCPクライアントがタスクの複雑さに基づいて適切なエージェントをインテリジェントに選択できるようになります。
エージェントにAI対応データを提供
オープンソースのSnowflake MCPサーバーは、標準ベースの統合されたインターフェイスをAIエージェントが使用して、Snowflakeに保存されているデータとやり取りできるようにします。これにより、エージェント機能は、シンプルなクエリから、複雑なワークフローにまで拡張され、ガバナンスの確保されたデータプラットフォーム内で直接的に検索、要約、分析のワークフローが可能になります。
MCPサーバーのメリット
企業では、Snowflake上のMCPサーバーを以下の方法で活用できます。
エージェントのデータアクセスの拡張:MCPサーバーは、統合されたデータ検索ツールセットをエージェントに提供します。これにより、Snowflakeデータでのデータ検索と質問応答のタスクを遂行する能力が向上します。
サードパーティデータの取得:MCPサーバーは、内部データ以外にも拡張できます。Snowlakeのデータ共有機能とマーケットプレイス機能を通じて、エージェントはサードパーティデータをセキュアかつシームレスに取得できます。
構造化データについては、最近導入されたセマンティックモデルの共有(プライベートプレビュー中)により、内部データプロデューサーと、CARTOやCotalityなどの外部パートナーの両方から、AI対応データセットを簡単に統合できます。
非構造化データについては、Cortex Searchは大量のドキュメント、PDF、Eメール、メモにわたる自然言語検索機能を提供しています。Snowflakeに保存されている非構造化コンテンツをインデックス化し、エージェントがコンテキストリッチな正確な応答を提供できるようにします。
さらに、Snowflakeマーケットプレイスで利用可能なCortexナレッジ拡張により、エージェントは適切なアトリビューションと知的財産保護を維持しながら、信頼できるサードパーティプロバイダーから専有コンテンツをセキュアに取得できます。これには、AP Press、USA TODAY、Washington Post、CB Insights、Packtなどのプレミアムコンテンツなどがあります。
Snowflake上のMCPサーバーを使用する理由
SnowflakeのCortex AIは、すぐに使用を開始できます。また、構造化データと非構造化データの両方を高精度での処理と取得を可能にする、統合プラットフォームを提供します。取り込みからアプリケーションまで、エンドツーエンドの統合ガバナンスにより、チームはまったく新たなデータエージェントを実現できます。Snowflake上のMCPサーバーにより、お客様はアクセスとプライバシーの制御を維持しながら、スケーラブルなエンタープライズグレードのアプリケーションを構築できます。
Snowflake上のMCPサーバーの主なメリット:
標準化された統合機能:Snowflake上のMCPをサポートすることにより、ツールを呼び出すための統合インターフェイスが提供されるため、脆弱なポイントツーポイントコネクタが不要になり、ベンダーやAIアシスタント間での相互運用性が可能になります。これにより、企業はSnowflake上のデータからインサイトを得られます。
AIユースケース開発の加速:カスタムコネクタや手動介入を必要とせずに、Snowflake上のMCPサーバーとCortex Agentsを使用してレポート生成、ダッシュボード作成、ドキュメントエンリッチメントなどの多段階のタスクを自動化できます。
認証、アクセス、ガバナンス:Snowfakeの堅牢な認証サポートをMCPにも拡張できるようになりました。すべてのデータ検索はSnowflakeアカウント内で実行されるため、可観測性、アクセス制御、コンプライアンスのワークフローが合理化されます。
MCPによるエンタープライズのユースケース
MCPサーバーはすでに、Claudeやgooseなどの人気のツールで使用されており、エンタープライズデータの対話型インターフェイスを実現しています。また、開発者はCursorやCopilotなどの環境に統合して、インテリジェントでデータドリブンな支援によってコーディングワークフローを強化しています。
SnowflakeのCortex AIでマネージドMCPサーバーに対応(近日中に提供予定)
SnowflakeのCortex AIでMCPサーバーサポートが利用可能になります。マネージドMCPサーバーにより、エージェントは独自のサーバーインフラストラクチャを展開することなく、Snowflakeアカウントからリモートかつセキュアにデータを取得できます。MCPは、AIモデルを外部ツールと統合するための標準化されたフレームワークを提供することで、AIの相互運用性に革命的変化をもたらし、エージェントがツールやリソースと通信するためのデフォルトのプロトコルとなる可能性があります。
今すぐCortex AIを使ってみてください。生産性とイノベーションを促進する次世代のアプリケーションをチームで構築できます。
関連リソース
Cortex Agentsを試す:初めてのCortex Agentsの構築
独自のオープンソースMCPサーバーのセットアップ:クイックスタートガイドをご覧ください。
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