Snowflake、AIを活用したアカウントインテリジェンスで機能の導入率を19.5%向上

Snowflakeは、サプライチェーン業務の強化やヘルスケア人材派遣成果の向上、54%のコスト節減など、SnowflakeのAIツールが世界中のお客様の成果を変革している状況を目の当たりにしてきました。
この変革の力はSnowflakeの社内でも発揮されています。たとえば、マーケターが、何千もの顧客のうち、顧客自身がその必要性に気付く前に、どの顧客が特定の製品の機能のメリットを享受できるかを予測できたとしたらどうでしょうか。第1四半期(2025年2月~4月)にSnowflakeのマーケティングチームがLLMとグラフニューラルネットワーク(GNN)をKumo.aiで使用した結果、ターゲットアカウントでの機能の導入率が19.5%増加し、セールスチームのミーティングからのコンバージョン率も45%向上した様子をご覧ください。
顧客マーケティングのためのAIドリブンなインサイト
すべてのマーケターは、適切なタイミングで適切なオーディエンスに製品メッセージを届けることの難しさを知っています。Snowflakeのライフサイクルマーケティングチームは、自社のデータを活用してキャンペーンの優先順位付けを行い、効率的かつ大規模に実施する方法を検討するために、AIを採用しました。
プロダクトマーケティングチームとマネジメントチーム、市場投入チームと実験チーム、そしてより大規模なマーケティング組織が協力して、顧客の次のSnowflakeユースケースを予測するための適切なモデルを作成できる、プロダクトシグナルとトリガーを特定しました。
課題:パーソナライズされたB2Bマーケティングの拡大
多くの企業と同様に、Snowflakeの成功は顧客数の増加だけでなく、顧客が目標達成を支援する新しい製品や機能を発見するのを手助けすることにもかかっています。Snowflakeの従来のリードスコアリングでは、誰が購入するか、その可能性を予測できても、次に何を購入するかは予測できませんでしたが、これは当社の拡大戦略における高コストの盲点でした。アカウントインテリジェンスのための従来のツールは、担当者レベルの詳細情報と見込み客のスコアリングを確認しており、新規導入ではなく、主に純新規ビジネスに注目していました。
「従来のスコアリングでは、YesまたはNoで判定されます。この見込み客はコンバージョンするか否かのスコアリングなどです。それだけではなく、アカウントが次に採用するユースケースはどれで、その順序はどうなるかを予測する必要がありました」と、Snowflakeのシニアデータサイエンティストであり、Marketing AI CouncilのメンバーでもあるDaniel Chowは言います。「製品の使用状況、イベントの出席状況、機能の探索など、すべてのシグナルを把握していましたが、何十もの潜在的なユースケースにわたって何千ものアカウントのパターンを手動で分析することは、単に複雑というだけでなく、AIなしでは不可能でした」
チームが顧客インテリジェンスの構築に求めていたのは、複数のデータソース、データタイプ、マーケティングインテリジェンスツールを取り込む、より複雑なモデルでした。Snowflakeチームは、予測すべき個別の成果や取り込むべき複雑なデータに直面し、Snowflakeネイティブアプリネットワークを活用して、リレーショナルデータに注力したAIモデル企業であるKumo AIのソリューションを発見しました。
解決策:従来のMLからグラフニューラルネットワークへ
Snowflakeネイティブアプリを使用することは、多くの理由で有益でした。シームレスでほぼ瞬時に統合できるため、チームはデータの移動、ガバナンス、データセキュリティについて心配する必要がなく、時間のかかる調達プロセスのやりとりが格段にスムーズになりました。
「Snowflakeネイティブアプリとの統合により、データの移動なしに既存のSnowflakeインフラストラクチャを活用できます」と、Snowflakeのデータサイエンティストでマーケティングインテリジェンス担当Syed Zaidiは言います。「当社のテーブルと接続して、48時間以内に従来の2~3か月のモデル開発を上回る予測が出ました」
データは、数億件の製品テレメトリレコードと数千万件の営業活動レコードを持つ、複数のドメインから抽出されました。構造化データと非構造化データの両方が、アカウント識別のためにGNNに取り込まれました。膨大な量のデータを扱えるようになったことで、これまでの取り組みと比較してパフォーマンスが大幅に向上しました。
Kumoは、グラフニューラルネットワークを使用しているため、この作業にも最適でした。GNNは、コネクテッドデータからのパターンの発見に優れています。従来のMLのように顧客の行動を個別に分析するのではなく、リレーショナルデータを通じて影響や共有特性を学習します。
「私たちが感銘を受けたのは、GNNが私たちの複雑なデータを処理できたことです。クレジットの消費パターン、ツールの使用、キャンペーンの回答、セールスノート、フィードバックなどをフィードしました。1億件を超えるレコードは、手作業では特徴量のエンジニアリングは不可能でした」とSnowflakeのデータサイエンス担当シニアマネージャーであるMatt Loskampは述べました。「このモデルは、私たちが決して見つけられなかったパターンを発見し、最終的に、私たちの従来のアプローチよりもアカウントの優先順位付けが20%向上しました」
このモデルはSnowflakeにネイティブに統合されているため、予測は四半期ごとではなく1日ごとに更新できます。
パイロット段階からグローバル規模での成功へ
このデータとハイパーターゲティングAI生成メッセージングを武器とするライフサイクルマーケティングチームは、四半期にわたって顧客キャンペーンを開始しました。この3か月間を通じて、Eメールのドリップキャンペーン、製品に特化したイベント、SDRアウトリーチなどにより、リターゲティングの取り組みを補完しました。その結果、キャンペーンのエンゲージメントが改善し、ターゲットアカウントでの機能の導入率が19.5%増加し、セールスチームのミーティングのコンバージョン率も45%向上しました。パイロットキャンペーンの成功をきっかけとして、複数のワークロードにまたがるグローバルな規模での実施にまで拡大し、Snowflakeの顧客マーケティングへのアプローチを変革できました。
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