注:本記事は(2022年4月26日)に公開された(How Your Organization Can Win in Today’s Data Economy)を翻訳して公開したものです。

データの価値が急上昇したことにより、データ、データアプリ、データサービスの世界的な供給と需要が生まれました。この新しいデータエコノミーは、クラウドプラットフォーム、エクスチェンジ、マーケットプレイスといったデータアクセスとデータシェアリングを可能とするテクノロジーによって支えられています。

データエコノミーに進出する企業は、新しい市場機会、新しい製品とサービスの開発、よりパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの提供、オペレーションの最適化と効率化といった、さまざまな機会を見いだしています。データエコノミーに参加しない企業は、時代遅れとなるリスクを背負うことになります。

この新しいデータエコノミーで、そのメリットを得やすい状況にある企業はどのくらいあるのでしょうか?Snowflakeの新しいレポート「How to Win in Today’s Data Economy(現代のデータエコノミーの勝者になる方法)」によると、その数はごくわずかだということです。

2021年11月と12月に実施された1,000人の上級ビジネスとテクノロジーエグゼクティブのグローバル調査では、自社にはデータを完全に活用する能力があると回答したのはわずか6%でした。(ベース:全体で1,000人の回答者、データエコノミーのリーダー = 63、データエコノミーのラガード = 163)これには以下が含まれます。

  • データがどこにあってもスムーズにアクセスできる
  • ビジネス上の意思決定のすべてまたはほとんどにデータを使用している
  • データを使用して、収益の増加や新しいビジネスチャンスの特定などの戦略的目標を推進している
  • 外部パートナーとデータを安全に共有する能力がある

このような「データエコノミーのリーダー」は、従業員が社内外のデータにアクセスし、共有や利用、インサイトの取得を実行できる、最新のデータ環境を取り入れている企業です。さらにこれらの企業は、同業他社よりも突出した業績を達成しています。例えば、過去3年間で、リーダーの77%が年間収益の伸びを経験していますが、パフォーマンスが最も低い調査グループである「ラガード」はその割合は36%でした。市場シェアが拡大したと考えているのは、リーダーでは60%である一方で、ラガードではわずか31%に留まっています。また、リーダーの67%は顧客満足度が向上したと回答していますが、同様に回答したラガードは50%でした。

データエコノミーへの進出に成功した組織は、テクノロジーを導入し、組織全体の戦略を実行し、ほんの数年前には考えられなかった方法でデータを使用しています。Snowflakeの調査によると、調査対象のほとんどの組織が同じような意欲を持ってはいるものの、データを効果的に管理して価値を引き出すという面で苦戦しているということが分かります。データが組織のほとんどまたはすべての意思決定に役立っていると回答したのは、わずか38%でした。外部パートナーとのデータシェアリングや、外部パートナーからデータアクセスが可能だと答えたのは45%に留まりました。

データリーダーになる

Snowflakeのレポートによると、データリーダーとデータラガードを分ける、3つの主な柱があります。

  • データリーダーはリーダーシップの最上位レベルからデータにコミットし、データラガードはボトムアップでデータを整理します。
  • プロセスデータリーダーにはITチームとビジネスチームがあり、より緊密に連携して、社内外でのデータシェアリングとコラボレーションを可能にしています。一方で、データラガードのほぼ半数は、データを共有していないと述べています。
  • テクノロジーデータリーダーのITチームは、リアルタイムデータを分析し、データをより迅速に配信できるようにするクラウドテクノロジーに投資しています。データラガードは、クラウドとオンプレミスのテクノロジーを組み合わせて使用することが多く、ITの障壁や、拡張性や伸縮性に欠けるレガシーシステムに悩まされています。

データエコノミーのリーダーが全企業数に占める割合はわずか6%ですが、調査対象となったすべての業界に存在しています。ヘルスケアとライフサイエンスおよびテクノロジー業界ではリーダーの数が若干多く見られ、金融サービス、小売、CPG、広告、メディア企業などの他の業界では、パフォーマンスの高い企業がやや少なくなっています。

Snowflakeの調査結果から、企業がデータエコノミーのリーダーになるための4つの方法が明らかになりました。

  1. データ戦略を明確にする:データリーダーは、ビジネス価値をもたらすインサイトの元となる機会に繋がる強力なデータ戦略を開発し、促進します。これらの戦略は、データ自体ではなく最終目標によって導かれます。
  2. 強力な、トップダウンの、データドリブン文化を構築する:データエコノミーリーダー企業の63%がデータドリブン性を達成すべしとの目標を経営幹部レベルで掲げている一方で、ラガード企業ではこの割合はわずか39%になります。データエコノミーリーダーは、エグゼクティブのサポート、データと分析のリーダーシップ、企業全体のデータリテラシーとトレーニングを含む強力で協調的なデータ文化を育んでいます。
  3. 協調的で、戦略と密接に整合し厳密に管理されたアプローチを取る:リーダーの62%がデータポリシーをまとめる優れたデータまたは分析センターを持っており、54%ではユーザーが単一のシステムまたはアプリケーションを介して利用可能なすべてのデータにアクセスできるようなっています。ただし、データを効率的かつ効果的に使用する上で必要なのは、データ戦略の実装を一元化することではなく、データ戦略の目標をデータで簡単にコラボレーションできるチーム間で統一し、調整することです。
  4. 拡張性と相互運用性に優れた協調的なインフラストラクチャを構築する:レポートによると、あらゆるデータエコノミーリーダーのテクノロジー戦略の中核にあるのは、「最新のクラウドアーキテクチャと機能を提供する最先端のクラウドデータプラットフォーム」です。これには、拡張性と伸縮性、相互運用性、データのコラボレーションと共有のサポートが含まれます。

データエコノミーの詳細、データを効果的に使用することで得られるメリット、データリーダーになる方法については、レポート「How to Win in Today’s Data Economy(現代のデータエコノミーの勝者になる方法)」をダウンロードしてください。