現在、製造業では、運用効率を高め、バリューチェーン全体の可視性と柔軟性を高めるために、さまざまな新技術が導入されています。Deloitteによると、これにはロボット工学、自動化、データアナリティクス、IoT、人工知能(AI)、機械学習(ML)が含まれるとのことです。各社のリーダーは、これらのイノベーションが生産性と弾力性に優れたサプライチェーンの構築、生産の質と効率の向上、リスクの軽減に役立つことを期待しています。しかし、多くのメーカーは、さまざまなシステム、プラットフォーム、場所にまたがってサイロ化されていることが多いため、このような取り組みを強化するために必要なデータへのアクセスと統合において助けを必要としています。

そこでSnowflakeは、製造向けデータクラウド立ち上げました。これは、パートナー、サプライヤー、およびお客様と安全かつスケーラブルな方法でコラボレーションできるよう設計されたグローバルネットワークです。製造向けデータクラウドはSnowflakeプラットフォームの一部であり、データの統合、ガバナンス、性能のための単一のフルマネージド型マルチクラウドプラットフォームを提供します。ここでは、自動車、テクノロジー、エネルギー、および産業分野のメーカーを対象に、サプライチェーンの性能、製品品質、および工場の効率を向上させることを目指します。50社の製造パートナーで構成されるSnowflakeのエコシステムでは、さまざまな製造および産業のユースケースに対応できるよう、事前構築済みのソリューションや業界データセットを提供しています。

ここでは、バリューチェーン全体の可視性、アジリティ、性能の向上に役立つ製造向けデータクラウドの4つの機能をご紹介します。

1. 安全でスケーラブルなデータ基盤の構築:データサイロは製造業に多くの影響を与える可能性があります。さまざまなソースからのデータをリーダーが分析しにくい状況にあるため、意思決定が不正確なものとなる場合があります。データサイエンスチームでは、データの検索や調整に多くの時間がかかるせいで効率が低下する恐れがあります。セキュリティが不十分な複数の場所にまたがって機密情報が保管されている場合、セキュリティリスクが発生する可能性もあります。製造向けデータクラウドを使用すると、ERPシステム、センサー、機械、クラウドサービスなどのさまざまなソースによるITデータとOTデータの両方を、必要な人物がセキュリティに則ってアクセスできるシングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)に組み込むことができます。また、データアセット全体で一貫したガバナンスとセキュリティポリシーを適用し、コンプライアンスと品質を確保することもできます。

Fortune 100企業であるHoneywellは、Snowflakeの製造向けデータクラウドを使用してすべての企業データを保存し、分析しています。これにより同社は、サプライチェーンを最適化し、世界中の350万のSKUを対象に動的な価格設定を実現しています。

2. サプライチェーン性能の向上:サプライチェーンのリーダーを対象としたMcKinseyの調査によると、回答者の45%が上流のサプライチェーンを可視化できていないと回答しており、さらに、多くの回答者がファーストティアのサプライヤーしか確認できていないと答えています。製造向けデータクラウドは、エンドツーエンドのサプライチェーンの運用と性能をほぼリアルタイムで可視化し、潜在的なボトルネックとリスクを特定するためのデータと、在庫と物流を最適化するためのインサイトを提供します。Snowflakeのデータマーケットプレイスとデータコラボレーション機能により、企業はサプライチェーンの可視性を高めることができます。

建築およびコールドチェーンソリューションの大手メーカーであるCarrierは、Snowflakeを使用してサプライチェーン分析にアクセスして顧客のコミットメントに対応するとともに、IoTデータを分析して継続的なイノベーションと改善を行っています。

3. スマート製造イニシアチブの推進:Deloitteによると、調査対象となった製造企業の幹部の60%以上が、スマート製造への取り組みを促進するためにテクノロジー企業と提携しているとのことです。製造向けデータクラウドでは、スマート製造の重要な要件であるITデータとOTデータの取り込みと統合が可能になります。Snowflakeの強力なアナリティクス機能とAI/ML機能を活用してインサイトと予測を生成し、生産品質や効率の向上、無駄とダウンタイムの削減、プロセスの自動化を行うことができます。また、Snowflakeマーケットプレイスを使用して外部データセットにアクセスし、内部データを増補して新しい視点や機会を提供することもできます。

創業200年以上の歴史を持つ世界的な紙製品メーカーであるValmetは、Snowflakeの柔軟なスケーリングを活用することにより、異常検知ソリューションによるピーク負荷時の生産量の最大化とコスト削減を実現しています。

4. 業界をリードするパートナーソリューションのネットワークの活用:製造向けデータクラウドには、堅牢なパートナーエコシステムと業界固有の事前構築済みテンプレートというメリットがあり、イノベーションの促進、価値を生み出すまでの時間の短縮、より価値の高いソリューションの構築に役立ちます。Powered by Snowflakeプログラムには、製造業者がコントロールタワーと自動管理プロセスを使用してサプライチェーンを管理し、サードパーティの請負業者やサプライヤー全体のリスクを測定できるアプリケーションが用意されています。Snowflakeマーケットプレイスのパートナーは、Snowflakeのプライバシーを保護するコラボレーションテクノロジーを活用し、さまざまなデータソースへのシームレスなアクセスを実現するほか、ESG、サプライチェーンの混乱、市場予測を分析します。コンサルティング会社やサービス会社からは、主要な製造のユースケース向けに事前に構築されたソリューションが提供されています。また、テクノロジーパートナーが統合やすぐに使えるソリューションを提供しているため、お客様には、より詳細なインサイトにアクセスし、Snowflakeのパワーと使いやすさを最大限に活用していただけるようになっています。

製造向けデータクラウドは、サプライチェーンの性能を高め、データドリブン型のイノベーションとアジリティを備えたインダストリー4.0の導入に役立つよう設計されています。自動車、テクノロジー、エネルギー、産業のいずれの分野であっても、Snowflakeの製造向けデータクラウドを活用し、ビジネス成果を変革することができます。

Snowflakeの製造向けデータクラウドがお客様の製造目標の達成にどのように役立つかについて詳しくは、製造向けのSnowflakeをご覧ください。製造向けデータクラウドの立ち上げパートナーソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。さらに、私たちの立ち上げウェビナーにご登録いただき、Snowflakeと業界の専門家が製造向けデータクラウドについて実演する様子をぜひご覧ください。