注:本記事は(2022年10月26日)に公開された(Startup Spotlight: Bluesky)を翻訳して公開したものです。

BlueskyのCEO、Mingsheng Hong氏がSnowflake導入によるデータクラウド効率の強化とイノベーションの推進について語る

Snowflakeの「注目のスタートアップ企業」シリーズにようこそ。このブログシリーズでは、Snowflakeの活用によりビジネスを成功させているスタートアップ企業について取り上げます。各企業のリーダーとの質疑応答により、Snowflakeの導入によりどのような課題を解決しているか、どのようにデータを利用しているか、またどのようにして業界の既成概念の打破に取り組んでいるかについてお聞きします。成長著しい多彩なスタートアップ企業のリーダーが語る、興味の尽きないストーリーにご期待ください。 

カリフォルニアに拠点をもつBlueskyは、データクエリとアナリティクスの迅速化、調整作業の簡易化、コスト削減のための新しいデータ管理手法を提案するパイオニア企業です。BlueskyのSaaS製品は、クエリパターンと呼ばれる革新的な技術に基づいて顧客のワークロードを分析後、ワークロードを即座に最適化しかつ長期的に最適化を維持するための実効性のある推奨策を提示します。これにより、データエンジニアとビジネスリーダーはデータ利用に関して比類ない可視性を手に入れ、データの管理に煩わされずにデータからの事業価値の抽出に注力できます。

今回のブログでは、Blueskyの共同創業者であるMingsheng Hong氏に、Blueskyの企業理念とデータの最適化に取り組む理由、そしてSnowflakeを採用している理由について話を伺いました。

まずあなた自身についてお話を聞かせてください。いまの仕事をすることになったきっかけは何ですか?

私はMingsheng Hongと申します。もう一人の創業者であるZheng ShaoとともにBlueskyを立上げ、現在はCEOを務めています。私は長年の間、世界で最も複雑なワークロードをサポートするためのクラス最高のデータ・機械学習インフラの構築に取り組んできました。この分野では15年の実務経験があり、最初はGoogleで複数のチームのリーダーとして、Googleの1000億ドル規模の広告事業を支えるストレージおよびクエリスタックの構築、およびAIワークロードのパフォーマンス向上のための新しいTensorFlowバックエンドの開発に取り組みました。

私は、ビッグデータ時代の到来のはるか前からすでに25年近く、データに深くかかわりデータの世界に魅了されてきました。そこで、クラウドベースのデータプラットフォームのワークロードコスト効率向上を求めるあらゆる組織のために、データ、アナリティスク、機械学習の真の民主化に取り組んでみたいと考えたのです。

Blueskyは顧客のためにどんな課題を解決していますか?

Blueskyはクエリとアナリティクスの迅速化およびコスト削減により、オペレーション面および財務面における比類ない価値の提供を目指しています。私たちのアプローチは、ワークロードの最適化により、データレイアウトとウェアハウス設定をスピーディーに最適化するための知的で自動化されたソリューションを顧客データチームに提供することです。

Snowflakeはデータクラウドのパイオニアであり、使用量ベースの価格モデルを導入したことで知られています。Snowflakeの高いイノベーション性と優れたアーキテクチャには驚くべきものがありますが、Snowflakeが大きな価値を実現できている主な理由は、SQLインターフェースの利用によるプロジェクトの立上げを極めてシンプルに行うことができる点だと思います。多くの企業がワークロードのクラウド化を進める一方で、ワークロードの内容を適切に把握して監視し、不要なワークロードを検出、排除して効率を維持することはますます難しくなっています。そこで役に立つのがBlueskyです。私たちの使命は、データ利用効率を向上してシンプル化し、データからより大きな価値をより迅速に引き出すことができるようにすることだと考えています。

そうした課題を解決することがいま重要である理由は何でしょうか?

Snowflakeは非常にパワフルなプラットフォームです。ユーザーは従来のように大がかりなコンピューターハードウェアの初期プロビジョニングに時間を費やす必要がなくなり、これにより比類ないフレキシビリティを享受できます。多くのユーザーが過去数年間に事業やデータの飛躍的な成長を達成していますが、いまは経済が後退傾向にあり、あらゆる企業のCFO(最高財務責任者)は予算の見直しと厳しい防御策の導入を迫られています。こうした状況下で、データクラウドユーザーおよび財務幹部にとって、コストガバナンス、ワークロードの最適化、業務規律の強化、コスト削減が最優先事項となりつつありますが、Snowflake顧客企業はコストと利用状況の正しい把握により、説明責任の徹底化とデータクラウド投資の効率向上を推進しつつ競争力の維持に必要なクラウドリソースを確実に確保することができています。

Blueskyは、Snowflakeワークロード履歴の分析により、最適化が不十分なクエリ、連続失敗クエリ、オーファン(孤立)テーブル等の潜在的課題を能動的に特定してワークロードを最適化するための専用ソリューションです。Blueskyを利用したデータインフラ効率課題の解決は、Snowflakeユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、不要なエンジニアリングリソースや財務リソースを解放して事業目的に充当することを可能にします。

Blueskyが他のサービスと異なる点は何でしょうか?

私たちはベーシックなインフラストラクチャコスト測定の範疇を超えて、顧客がインスタンス全体でどのようにデータを利用しているかを見極めて改善すべきエリアを特定し、ウェアハウス、クラスタ、ユーザーデータパイプライン、クエリ別にきめ細かなインサイトを提供して改善ポイントを特定します。私たちは、顧客が人手で行っている手間のかかる作業を排除し、データから即時に事業価値を引き出すのに真に重要なタスクに注力できるようにします。また、イノベーションには世界を作り変える力があるとの認識に基づいて、顧客が無駄な支出を排除して新しい実験的な試みにリソースを投入できるよう支援します。

顧客によるSnowflakeインスタンスの最適化をBlueskyがどのようにサポートしているかについて詳しく説明いただき有難うございます。Blueskyでも社内業務にSnowflakeを導入していると思いますが、Snowflakeの利用は業界の規制概念の打破にどのように役立っていますか?

Snowflakeは、当社SaaS製品の継続的稼働に不可欠な存在です。私たちはSnowflakeインスタンスを通じて顧客ワークロードを保管・分析しており、製品開発面およびオペレーションフェーズ面の両方で、Snowflakeの充実したSQLサポート、他のETL/BIツールとの広範な統合、そして伸縮性のあるクラウドコンピュートを定常的に活用して大きなメリットを得ています。日常のデータ管理にSnowflakeを利用することで、私たちはより多くの社内リソースをコアビジネスの発見とユーザーのためのワークロード最適化アイディア開発に充当することができています。

Snowflake導入前は、クラウドベースのデータインフラストラクチャの設定とメンテナンスにより多くの投資が必要でした。いまはSnowflakeの活用により、コアプロダクトの開発と事業の成長のための取り組みにより多くの時時間とエネルギーを充てることができます。

今後に向けた業界の技術トレンドとして最も期待していることは何ですか?

データクラウドは真に革命的なイノベーションでしたが、世界の分析データの大半はまだオンプレミスで保管されています。今後、各種新世代ツールを利用した効率的かつ持続可能なデータの利用方法の開発により、データ効率をどこまで最大化していけるかが楽しみです。

また、いま業界は使用量べ-スの価格体系にシフトしつつありますが、企業の新しい業務プラクティスとしての”FinOps”の台頭にも注目しています。クラウドエンジニアが戦術的シフトに向けて提唱するフレキシブルなキャパシティコンセプトであり、クラウドコスト管理の比較的新しい機能として普及しつつあるFinOpsは、企業がクラウド関連の業務経費をモニタリング・管理し最適化する枠組みと言えます。Blueskyもこのトレンドの一翼を担い、現在のクラウドベースの企業が支出目標の達成とイノベーションの推進を両立するのを支援したいと思います。

今後の展開は?

Blueskyは今後、「価値ある支出」を念頭に、顧客企業向けによりインテリジェントかつデータ重視型のサポートの提供に取り組んでいきます。私たちはデータ利用方法の把握と最適化を目指す企業を支援するための優れた体制を備えていますが、将来に向けた方向性として、アクティブかつ知的なモニタリング、リアルタイムアラート、意思決定インテリジェンス、自動化による全ての業務の完全なオペレーション化を目指します。

私たちは顧客企業が防御策を自動化することで、無駄な支出と分かっている項目を予め排除しながら実験的試みやイノベーションに積極的に取り組んでもらいたいと思っています。つまらない投資の過ちを未然に防ぐことができるならそのほうがよいと思いませんか?顧客企業に自信をもってかつ安全な方法でデータに関する取り組みを進めてほしいのです。

何よりも重要なのは、私たちは、発案からデータクラウドエコシステムの完全自動化まで、データクラウド利用のあらゆるフェーズにおいて顧客企業を支援したいと考えています。顧客企業が目指す目的が何であれ、データから最大限の価値を引き出す手助けをしたい。そしていつか、一体なぜ前はあんなやり方をしていたのかと誰もが不思議がるようになればよいと思います。
Blueskyの事業について詳しくはこちらのサイトで紹介しています。またSnowflakeスタートアッププログラムの詳細についてもぜひご確認ください。