注:本記事は(2021年6月7日)に公開された(Snowflake’s Data Cloud Helps State of California Gain Insights to Combat Homelessness)を翻訳して公開したものです。

カリフォルニア州は、米国内のどの州よりも、ホームレス経験のある人の数が多い州です。

最近発行された連邦報告書によると、[1] 2020年1月に実施された公式調査中、カリフォルニア州には16万1,548人のホームレスが存在していたそうです。この数字と同様に、2020年にカリフォルニア州の福祉ワーカーが支援サービスを提供したホームレスの人々の数も、24万8,130人と高い数字となっています。

この問題に対応するため、カリフォルニア州はこのほど、この種の取り組みとしては初となる ホームレスデータ統合システム(HDIS)の導入を発表しました。このシステムは、州がホームレス人口をより正確に数え、ホームレス問題への地域および州全体の取り組みを測定、分析することを可能にするものです。

HDISにより、カリフォルニア州は家のない人々へのサービスを向上させ、ホームレス問題への取り組みにおいて、データに基づいて方針を決められるようになりました。Snowflakeデータクラウドを利用することで、HDISで複数のソースからのデータを安全に一元化、結合、分析し、そのデータに基づいたコラボレーションが可能となります。

ホームレス問題に関するデータをSnowflakeの単一のデータレポジトリに集約することで、HDISはホームレス問題への州規模の取り組みの全体像を示すことができます。ユーザーは、現在どのようなサービスが提供され、誰がそれらのサービスにアクセスし、どのような介入をすれば最も効果的かといった情報を得ることができます。

HDISはまた、ホームレス問題のパターンや地域全体のサービス利用状況を特定することで州全体での活動の調整を促すほか、ホームレスの人々の間で人種やその他の不平等がないかを特定し対処する取り組みも実現しています。HDISが開発されるまで、これらの指標の多くは入手不可能でした。

たとえば、HDISのレポートによると、2020年に福祉サービスを受けたホームレスの人々に関して、次のような実情が判明しています。

●               41% が身体に不自由がある

●               9% が退役軍人である

●               17% が家庭内暴力の被害者である

●               22% が18歳以下である

将来的には、州内に44あるCoC(継続的ケア)システムをSnowflakeデータクラウドに統合し、唯一の信頼できる情報源としてデータを分析、共有できるようにする予定です。HDISの全データはSnowflakeデータクラウド内で完全に統制、保護され、アクセスとプライバシーがしっかり管理されています。

カリフォルニア州はこれまでも、Snowflakeとパートナーシップを組み、 Snowflakeデータクラウドを介したCOVID-19リサーチデータベースを構築し [1]、新型コロナウイルスに関する大規模なリサーチを容易かつ安全に行ってきた実績があります。Snowflakeは、HDISプロジェクトのシステムインテグレーターである Plante Moran社と緊密に連携しています。

Snowflakeの公共セクター部門担当バイスプレジデントであるTed Girardは次のように述べています。「HDISとのパートナーシップを通じて、Snowflakeはカリフォルニア州のホームレス問題への取り組みに役立つ実用的なインサイトを得るお手伝いができると意気込んでいます。Snowflakeのデータクラウドにより、HDISは1つの場所にありながら正確な情報に迅速に、安定的かつ安全にアクセスできます。Snowflakeのセキュアなデータシェアリングではデータを一切移動させないため、ユーザーはHDIS内でデータをほぼリアルタイムかつ安全に共有し、結合させ、分析できます。さらに、マネージャーはデータセットへのアクセスを完全にコントロールし、誰がいつデータを見ているかを管理できます。」

公共セクターがいかにSnowflakeのデータクラウドを活用してITのモダナイゼーションを推進し、市民サービスを向上させ、イノベーションと効率化を加速しているかについての詳細は、 官公庁・公的機関のためのSNOWFLAKEをご覧ください。

[1] huduser.gov/portal/sites/default/files/pdf/2020-AHAR-Part-1.pdf