注:本記事は(2021年9月15日)に公開された(Snowflake Provides the Data Backbone for California’s Digital COVID-19 Vaccine Record)を翻訳して公開したものです。

今年の前半、カリフォルニア州の住民が数百万単位でワクチンの接種を受けようとしていた頃、州のリーダーたちは、紛失したり、破れたり、洗濯機でボロボロになったりしないワクチン接種の電子証明書をどのように提供するか、知恵を絞っていました。

そのわずか数か月後、カリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)とカリフォルニア州技術局(CDT)は、Digital COVID-19 Vaccine Record(デジタル新型コロナウイルスワクチン接種記録)ポータル1を立ち上げました。これは、ワクチン接種済みのカリフォルニア州住民のすべてが任意でワクチン接種の電子証明を受けられるポータルであり、証明書はセキュリティが確保されており、共有することもできます。立ち上げから2週間のうちに、カリフォルニア州は約100万件ものワクチン接種電子証明書を、リクエストした住民に発行しました。

カリフォルニア州のDigital COVID-19 Vaccine Recordシステムのデータ面を支えているのがSnowflakeです。Snowflake独自のほぼ瞬時の伸縮性とマルチクラスターおよび共有データアーキテクチャを利用することで、ポータルではワクチン接種電子証明書をリクエストから数秒で安全に住民に提供することができます。1日あたり数百万もの証明書を発行することが可能です。 

新型コロナウイルスと闘う武器

データは、新型コロナウイルスと闘うための強力な武器の1つとなることが分かっています。Snowflakeデータクラウドは、カリフォルニア州のウイルスとの闘いを、さまざまな面で支援してきました。

パンデミックの初期の頃、Snowflakeは、新型コロナウイルスの症例、死亡数、入院者数、空き/使用中のベッドの数、個人保護具(PPE)や換気装置の数、および患者の人口統計に関する情報を管理する、安全で信頼性の高い新型コロナウイルスデータリポジトリの構築を支援しました。

現在カリフォルニア州は、リーダーたちが感染拡大に的確に対応し、将来に向けて計画を立てられるよう、Snowflakeデータクラウドを活用してさまざまなデータセットを格納、分析しています。これらの情報は、Snowflakeデータマーケットプレイスを通じて、州当局や各部門、郡衛生局や各部門、さらには病院、ワクチン製造企業、その他の医療パートナー間で簡単かつ安全に共有できます。

Snowflakeのデータは、一般の人々に最新の情報を提供する州の新型コロナウイルス関連ウェブサイトのほか、新型コロナウイルスの検査で陽性となった人と接触していた場合に通知が届く、GoogleとAppleが開発したCA Notifyという携帯電話用アプリでも活用されています。

Snowflakeの機能強化によりインタラクティブな使用事例に対応

ワクチンの接種が開始されると、カリフォルニア州は再び新型コロナウイルスとの闘いに向けてデータを活用すべくSnowflakeに協力を求めました。ここでの目標は、ワクチンを接種した住民へのインセンティブを用意すること、および任意で交付されるワクチン接種電子記録の仕組みを構築することでした。

The Vax for the Win2インセンティブプログラムは、Snowflakeに格納されたCDPHからのワクチン接種データを基盤として構築されました。このプログラムでは、5月27日から7月18日までの間に1回目のワクチンを接種した住民に金銭的なインセンティブを提供しました。インタラクティブなデータアプリケーションが、SnowflakeデータクラウドにあるCDPHのワクチンデータを引き出し、資格をチェックするという仕組みです。

Digital COVID-19 Vaccine Recordポータルは、Snowflakeを活用することで、データクラウド内のあるロケーションでレコードの重複排除をしながら、Azureを使用してデータアプリケーション層を構築するといった、拡張性のあるパイプラインを展開しています。伸縮性のある性能を提供するSnowflakeのエンジンをさらに強化することで、高スループットと一貫した低遅延を実現し、何百万人もの住民が同時にすばやく自身の記録をリクエストし、処理することができます。データクラウドはスケールアップとダウンが自在であり、どれだけのリクエスト件数にもほぼ対応可能です。

ポータルのローンチからわずか1日で、カリフォルニアの何百万人もの住民が電子記録を申請し、取得しました。Snowflakeの非構造化データ機能3を使用することで、住民の情報を安全に検証できるほか、CDTは、住民が自分のデータにエラーを見つけた場合に、その問題を修正できるバーチャルアシスタントを構築することもできました。

これらのすべてが、性能の調整やインフラストラクチャの構成をすることなく、データクラウドからシームレスに実現できます。Snowflakeはデータエンジニアリングワークロードをデータアプリワークロードから分離して、独立的にスケーリングできます。また新規プロジェクトの立ち上げも簡単にできるため、CDTはかつてないほど迅速にリクエスト対応を完遂できるようになりました。

Snowflakeのプロダクト管理部門のコアプロダクト統括者であるArtin Avanesは次のように述べています。「当社の最新プロダクトエンハンスメントが、新型コロナウイルスとの闘いの最中にあるカリフォルニア州の、クリティカルかつデータドリブンなワクチン接種記録ポータルに力をもたらすことができ、喜ばしく思います。このインタラクティブなアプリケーションはSnowflakeデータクラウドの能力を示す好例です。Snowflake内で包括的なデータリポジトリを構築することで、州はさまざまな組織間でのデータコラボレーションを加速し、多くの個人が同時に正確かつ最新の情報を取得できるようになりました。これらの新プロダクトエンハンスメントを活用した、さらなるインタラクティブダッシュボード、組み込み型アナリティクス、およびデータアプリケーションを目にするのを楽しみにしています。」


  1.  bit.ly/3l5EKZ8
  2. bit.ly/3yNrZat
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