Snowflakeは、新たな関数パッケージに加えて、CARTOの新しいパイプラインオーサリングツールとの統合により、地理空間アナリティクスにおける力強い機運と投資を維持しています。インジェスチョン時の非準拠の空間オブジェクトの処理が改善され、方向変換を実行するための関数パッケージが提供されたことにより、Snowflakeユーザーの利便性が向上します。これらはすべてパブリックプレビューでご利用いただけます。では詳しく見ていきましょう。

無効な形状の処理

Snowflakeのお客様の多くが、OGC標準非準拠の空間オブジェクトのサポートを待ち望んでいました。どのお客様も生データの中にそのような形状を抱えており、以前はそれらを取り込む前にSnowflakeの外部で形状を修正する必要がありました。この度、当社のGEOGRAPHY列とGEOMETRY列にこれらの無効な形状を読み込んで保存できるようになりました。インポート後に修正することも、そのまま使用することもできます。さらに、形状が有効かどうかを確認するための新しい関数、ST_ISVALIDも追加されています。

スパイクと自己交差は、Snowflakeにインポートできるようになった無効な形状の2つの例です。

新しい方向と変換関数

Snowflakeの新しい関数セットは、方向の変換の実行プロセスを合理化するように設計されています。

ST_SIMPLIFYは、複雑な形状を取り込み、これらの形状を表現するために必要なポイントの数を減らすことで、「滑らかに」する関数です。オブジェクトのサイズを縮小する際に非常に便利です。 

ST_BUFFERは、保護バブルのように、既存の形状を囲む新しい形状を作成する関数です。都市の電力網の周囲にある幅5メートルのバッファーの例について、以下を参照してください。カットラインが不要となります。

ST_AZIMUTHは、2点で形成される線分とマップ上の北方向との間の角度を計算する関数です。これは、地表上の2点間の方向を計算するのに便利です。

ST_MAKEPOLYGONORIENTEDは、接続された一連の線を使用してポリゴンを作成し、形状または多角形が正しい方向を向いていることを確認する関数です。形状の「内側」と「外側」を正しく把握することが重要となるため、これは、ポリゴンや形状を扱う際に不可欠な項目となります。

CARTOワークフローの導入

Snowflakeの強力なデータインジェスチョンおよび変換機能は、SQLを好んで利用する多くのデータエンジニアやアナリストに役立っています。しかし、地理空間に関する詳細な知識を持たない一般のビジネスアナリストやデータサイエンティストがSnowflakeを利用するケースも増えているため、アナリストは、視覚的で使いやすく、位置情報ベースのデータから迅速にインサイトを得ることができる新しいツールを探しています。ここで役に立つのがCARTOの新しいワークフローツールです。

CARTOワークフローは、あらゆるスキルレベルのアナリストが、空間SQLの背景知識がなくても、シンプルなビジュアルインターフェイスを使用して複雑な地理空間分析を実行できるコード不要の分析ツールです。 

ワークフローはSnowflakeと統合されているため、ユーザーは何百もの分析コンポーネントを設計、実行、自動化し、これらのクエリをSnowflakeプラットフォームにプッシュすることができます。視覚的なインターフェイスは、非常に直感的に設計されています。フロー図ツールは、さまざまなデータソースとシンク、空間結合とフィルター、クラスタリング、等値線の作成、およびH3やQuadbinなどの空間インデックスを活用するツールなど、幅広い分析コンポーネントとデータ処理コンポーネントを提供します。

ワークフローでは、地理空間プロセスだけでなく、他のデータワークフローも自動化されます。プロセスを半自動化して、通常の分析ワークフローの負担を軽減し、分析の出力に基づいて通知をトリガーすることもできます。ワークフローはCARTOプラットフォームに完全に統合されているため、ワークフローの出力をビルダーツールで視覚化し、インタラクティブなダッシュボードとしてチーム間で共有したり、独自の空間アプリに埋め込んだりすることができます。

通信分野のお客様によるCARTOワークフローの活用例をご紹介します。このデモ動画は、通信業界で一般的な地理空間分析を実行し、ネットワークインフラストラクチャーの理想的な場所を特定するものです。手順は次のとおりです。

  1. SnowflakeマーケットプレイスのこちらのOpenCelliDデータセットに基づき、既存のLTEタワーのデータを追加します。
  2. タワー情報をフィルタリングし、フロリダ州オレンジ郡と交差するものだけに絞り込みます。
  3. 各タワーの周囲に500mのバッファーを作成します。
  4. H3空間インデックスを使用して、これらのバッファーをポリフィルします。
  5. H3セルをCARTO空間機能のデータセットからの人口データと結合します。
  6. 結果のフィールドをエクスポートして、マップの視覚化を作成し、各LTEタワーのカバレッジエリア内に住む人口を分析できるようにします。
  7. この視覚化を使用して、最適なタワーの場所を決定し、ネットワークカバレッジインフラストラクチャーへの投資に優先順位を付けます。

地理空間のインサイトをより多くのユーザーが利用できるようにする

今回のプロダクトアップデートとパートナーツールのバンドルにより、Snowflakeは開発のエキスパートと一般のアナリストの両方のニーズに対応しています。当社の新しい関数は、SQLでのデータ探索を好むアナリストのお役に立ちます。CARTOワークフローは、クラウドネイティブの空間アナリティクスを民主化し、より多くのユーザーが地理空間データおよびアナリティクスで得られるインサイトを活用できるようにするものです。詳しくはこちらのSnowflakeの地理空間関数をご覧いただくか、CARTOワークフローの14日間の無料トライアルをお試しください。