注:本記事は(2022年6月1日)に公開された(How Snowflake Empowers Healthcare & Life Sciences Organizations to Generate Real-World Evidence for Better Patient Outcomes)を翻訳して公開したものです。

How we eat, exercise, work, and rest play an important role in influencing our health outcomes. It’s been established that healthcare and life sciences (HCLS) organizations can improve health outcomes when they have access to this type of data on patients to inform real-world evidence. It’s also been shown that healthcare organizations can overcome challenges in collecting, analyzing, and sharing this sort of data to drive evidence-based collaboration when they utilize cloud computing technologies.

Snowflakeによるヘルスケア&ライフサイエンス(HCLS)のデータクラウドは、ヘルスケアおよびライフサイエンス組織に対し、多様で豊富なヘルスケアおよび治験データの収集、分析、安全な連携を実現するクラウドファーストなプラットフォームを提供することで、患者アウトカムに影響を与える要素を特定できるようにします。このデータからリアルワールドエビデンスを生成することにより、医院からライフサイエンス研究、健康保険や支払者にいたるヘルスケア業界全体にポジティブな影響を与えることができます。以下に詳しく説明します。

従来の患者情報

業界は長きにわたって、薬局や医療の請求、償還、電子健康記録(EHR)、処方箋(Rx)、診断書(Dx)、患者の病歴(Hx)、通院データといった患者データに頼って治療の効果を把握しようとしてきました。データクラウドでは、このようなデータのアグリゲーター(IQVIAなど)が、コアとなる患者の縦断的データセットへのアクセスを製薬会社に提供しています。

健康の社会的決定要因(SDOH)

世界保健機関の調査では、収入、住宅、教育、仕事、食料安全保障といったSDOHデータが、健康アウトカムの最大55%を占めていることが示されています。HCLSデータクラウドにおいては、Anthemなどの組織が予測モデルを使用し、フードデザート(健康的な食品の入手が困難な地域)で一人暮らしをしている消費者は糖尿病になる傾向が高いことを発見しています。一方、Experianなどの消費者信用格付機関は、患者の負債レベルやその他の金融インサイトといった、患者の生活習慣およびヘルスケアアウトカムと相関する可能性があるデータへのリアルタイムかつ安全なアクセスを提供しています。さらにCarrot Healthなどの次世代の患者健康データのアグリゲーターは、何億もの消費者から集めたSDOHデータのライブかつ直接的なアクセスを提供し、服薬遵守や通院、その他の患者サイドで発生するイベントの予測を可能にしています。

患者の栄養/生活習慣

ヘルスケアに関するサービスや製品は、患者の複雑な栄養習慣、生活習慣の中で提供されており、それがアウトカムに影響を与えます。HCLSデータクラウドにおいては、支払者、プロバイダー、ライフサイエンス組織が、食品配達サービスのような個人向け配達アプリから、患者の食品購入や栄養習慣へのアクセスを得られる可能性があります。同様に、患者のクレジットカード購入やロイヤルティプログラム、オンラインショッピング行動データなどへの安全なリアルタイムアクセスにより、広角的な患者の消費習慣を識別することも可能となるでしょう。最終的には、患者のアクティビティトラッカーやその他のコネクテッドヘルスデバイスにより生成されたデータにアクセスすることで、運動や身体活動がどのようにアウトカムと相関しているかに関するインサイトを得ることができます。

ソーシャルメディアをモニタリングしインフルエンサーの声を聞く 

Yonder.aiは、オンラインナラティブを管理、拡大するインフルエンサーたちをAIを使用して検索するソフトウェア企業です。同社は、ワクチンに関する誤情報の43%が陰謀論者に異より拡散されたものだと推定しています。このようなインサイトは、主なソーシャルメディアや「付随的な」オンラインプラットフォームに寄せられた何億という投稿から得たデータセットから収集されています。HCLSデータクラウドにおいては、Socialgistなどの企業が提供するソーシャルメディアデータやインサイトが、従来は存在しなかったデータソースによるオンライン情報の影響を受ける可能性のある患者と、それによるヘルスケアアウトカムの特定に役立っています。

データプライバシー、個人の医療情報、およびデータクリーンルーム

プライバシー規制と倫理的配慮の双方を確実に遵守するのは複雑な作業であるため、従来、前述のデータソースのほとんどがヘルスケアコラボレーションの領域外となっていました。ヨーロッパのGDPRやカリフォルニア州のCCPAといった規制は、当初オンライン広告における個人情報の使用に対応するために策定されたものですが、これによって情報を漏洩せずに機密データに関する連携を推進するための新たなメカニズム確立の必要性が明らかとなりました。分散型データクリーンルームはそのようなメカニズムの1つです。これにより、データ保護法令や企業方針の双方を遵守しながら、HCLS業界におけるデータコラボレーションの未来が切り開かれることになりました。

Snowflakeが実現するHCLSデータコラボレーション

Snowflakeはデータクラウドにおけるパイオニアであり、安全かつ管理された情報交換のためのグローバルなフェデレーションネットワークです。Anthem、Novartis、athenahealth、Prisma Healthなどのヘルスケア&ライフサイエンス組織は、自社製品やサービスが患者アウトカムに与える影響の特定や、革新的なバリューベースの商業戦略の実行にSnowflakeを活用しています。

HCLS業界はSnowflakeのHCLSクラウドを使用した連携により、従来の情報資産(Rx、Dx、Hx、請求や償還データ)を幅広いオルタナティブ資産と統合し、リアルワールドエビデンスを生成することができます。将来的には、より豊かで多様な患者データにおけるコラボレーションによりヘルスケア業界が変革され、患者らの健康も向上していくことになるでしょう。

患者アウトカムの改善に向け、SnowflakeがどのようにHCLS組織によるリアルワールドエビデンスの生成をサポートしているかについては、リアルワールドエビデンスのためのヘルスケア&ライフサイエンスデータクラウドのホワイトペーパーをご覧ください。

リアルワールドエビデンスのためのヘルスケア&ライフサイエンスデータクラウド:患者アウトカムの推進に向けた徹底したコラボレーションアプローチの構築