注:本記事は(2022年2月15日)に公開された(Piano Brings Advanced Analytics to Customer-Centric Organizations with Snowflake)を翻訳して公開したものです。

Pianoは、企業がデジタルチャネルにおけるオーディエンスの理解を深めるためのソフトウェアとサービスを提供するリーディングカンパニーです。これらのインサイトを手にした同社の顧客は、単一の統合プラットフォームを通じて、オーディエンスのエンゲージメントを維持し、収益を生み出すパーソナライズされたエクスペリエンスにより、インテリジェントにサービスを提供できます。

先頃行われたSnowflakeのMedia Data Cloud Summitでスピーカーを務めたPianoのパートナーシップ担当バイスプレジデント、David Restrepo氏は、Snowflakeを活用したPiano Analyticsの構築と統合という、Pianoの目覚ましい成長の最新情報についての発表を行いました。

チャネルに特化したアナリティクスの設計

Restrepo氏は次のように語りました。「Pianoを創設して成長させていくにつれ、視聴者に情報を提供して適切な行動を促すためのデータが顧客にとっても私たちにとっても重要であるという認識が高まってきました。そのため、私たちが世界最高水準の分析パッケージに着手し、それを提供することは実に有意義だったと言えます。」

Piano Analyticsが目指したのは、さまざまな業界の現代企業の要求に本当の意味で応えられる分析パッケージを作ることです。それは、単に幅広いチャネルやメディアに対応するというだけでなく、それらのチャネルを中心に設計するということ、つまり、マルチチャネル、マルチメディア、マルチクラウド時代のコンテンツの配信や利用に対応したソリューションを構築するということです。

Pianoは、このメディアとコンテンツの強力な分析パッケージというビジョンを実現できる機能がAT Internetですでに構築されていることを知り、2021年2月に同社を買収しました。このマイルストーンは、世界トップクラスのデジタル分析ソリューションにジャーニーオーケストレーションとパーソナライズコマースを組み合わせ、データをカスタマーエクスペリエンスに変換するという初めての試みでした。数か月にわたる統合とオンボーディングの作業を経て、2021年秋にPiano Analyticsが立ち上げられました。

SnowflakeはどのようにPiano Analyticsのスピード、効率性、使いやすさを実現しているか

PianoがAT Internetの機能を応用してPiano Analyticsを構築した際、Restrepo氏と同氏のチームは、次の3つの理由によりSnowflakeを再設計することを選択しました。

  1. 迅速かつ効率的なクエリ
  2. フレキシブルで統一されたデータモデル
  3. 統一されたユーザービュー

Restrepo氏は次のように語っています。「Snowflakeの実に魅力的な特徴は、まずコンピュートとクエリが分離されている点です。クエリを実行する際、Snowflakeではデータセットのサイズに基づいて、必要なリソースの最適量を計算できます。すべて従量課金制であるため、このような最適化によって当社のコストを削減でき、結果としてパートナー企業のコストも低く抑えることができます。」

また、Snowflakeのインサイトを得るまでの時間の短さは、オーディエンスデータを適切な次のアクションに素早く変換する上で重要な役割を果たします。「Snowflakeを基盤としているため、ページ上でイベントが開始されると、そのやり取りの結果が2分以内にツールに表示され、数百万人のオーディエンスに対してリアルタイムに近いインサイトを提供することができます」とRestrepo氏は説明してくれました。

最後に、データを収集するために対応しなければならないデバイス、チャネル、メディアプラットフォームが多数ありますが、Snowflakeのプラットフォームは、Pianoとそのパートナーが生成したデータの統合ならびに共有に関する多くの課題を解決するのに役立っています。

Restrepo氏は次のように語っています。「Snowflakeを利用すると、ソリューション間、組織間、さらにはクラウド間のデータシェアリングがより簡単に実行できるようになります。Snowflakeのセキュアなコネクタにより、パートナーは抽出、変換、ロード(ETL)のプロジェクト管理やパイプラインの保守に膨大な時間と労力を費やす必要がなくなります。」

最後にRestrepo氏は、Snowflakeのエコシステムの一部であることの価値と、それがPianoの顧客にとって持つ意味を強調しました。「顧客がソフトウェアへの投資から十分なROIを得られない大きな理由の1つは、データがソリューションのサイロに閉じ込められ、その価値が制限されていることにあります」と同氏は説明します。

「Snowflakeを利用することで、良い会社環境の中にいるのと同然となり、多くの大手ソフトウェアプロバイダーが参加するエコシステムに参加して、製品間でより高い相互運用性とデータシェアリングを実現することで、ソフトウェア業界がこれまでに経験したことのない方法で価値を創造できるようになります。」

Pianoの顧客のためにデータインサイトを統合する

セッションを締めくくるにあたり、Restrepo氏は、PianoとSnowflakeが世界的なマルチメディア放送局に提供した価値について、簡単なケーススタディを紹介してくれました。

その会社は、世界200か国以上、4億5,000万世帯以上にリーチしている放送局です。Pianoと提携する前は、業務におけるアナリティクス環境は非常に断片的なものでした。チャネルや地域ごとに独自のプラットフォームがあり、グローバルな視聴者の可視性が制限され、組織のデータの運用方法にも制約がありました。

「Snowflakeを使用してすべてのデータをPiano Analyticsの下にまとめることで、100以上のサイトの詳細なデータを統合したモデルが実現し、世界中のオーディエンスがさまざまなメディアとどのように関わっているかを正確に把握できるようになりました」と、Restrepo氏は説明しています。

その結果、これまでにグローバルリーチが11%増加しました。この数字は、全世界で数百万回分の視聴と再生に相当し、エンゲージメントと収益が向上したことを示しています。しかしそれだけではなく、Snowflakeは組織自体にもより幅広い影響を与えることになっています。

Restrepo氏は次のように説明しました。「Snowflakeは、顧客のデータドリブン型組織への移行に本当に役立っています。この放送局は規模が大きいため、Snowflakeでは簡単に実行できるクエリでも、独自のインフラで行うならばそこに多額の投資をしなければならなかったでしょう。ディープクエリが使えるという点で、Snowflakeを利用したおかげでオーディエンスやコンテンツについて多くの情報を把握できるようになり、コンテンツの制作方法からウェブページの最適化方法まで、あらゆる点に好影響が及ぶことになりました。」