注:本記事は(2022年3月8日)に公開された(NN Investment Partners’ Papyrus Team Delivers End-to-End Data Visualization with Snowflake’s Data Cloud)を翻訳して公開したものです。
NN Investment Partners社の投資担当シニアエンジニアであるMarcel Naumann氏は、データやインサイトへのアクセスが流動的かつ容易になり、ポートフォリオマネージャーがより責任ある形で投資を行い収益を得ることができる、そんな未来を思い描いています。今回は、Naumann氏がこのような未来の実現に向けてSnowflakeをどう活用しているか、お話しを伺いました。
NN Investment Partners社(以下、NN IP)は、世界37か国の投資家の資産を運用しています。責任ある投資を行うこと、およびクライアントに強力な財務成果をもたらすことを事業の二本の柱とする同社は資産運用業界でも傑出した存在として注目されています。
これら二本の柱を実現するべく、NN IPのポートフォリオマネージャーらは、さまざまなソースからデータを取得して投資案件やパフォーマンスを評価し、環境・社会・ガバナンス(ESG)要素に基づいた投資案件の分析を行っています。NN IPが扱う投資の91%はESG投資です(2021年12月31日時点のデータに基づく)。
こうしたデータのすべてを大規模に結合して可視化することは一筋縄では行きません。投資担当のシニアエンジニアとして従来型のオンプレミス型データウェアハウスやマルチクラウド型データパイプラインと格闘していたMarcel Naumann氏と彼のチームは、データドリブンなインサイトをスピーディーかつ大規模にクライアントに提供していたSnowflake Data Cloudに注目するようになりました。
データと視覚化ツールの間を橋渡し
「社内でもさまざまなデータを作成していますが、サードパーティベンダーから入手するデータは知識の共有や的確なインサイトの取得に非常に有効です。」とNaumann氏は説明します。「私たちは、収集したデータを自社独自のナレッジプラットフォーム「Papyrus」に集約し、これを自社AWSインフラ上のS3バケットにスナップショット・エクスポートしていますが、これらのバケットをAzure上にホスティングしたPower BI可視化ツールに接続する方法を見つける必要がありました。」
データパイプラインが複数のプロバイダーにまたがっていることから、Naumann氏は選択肢が限られていることに気付きました。「いくつかのソリューションをテストしましたが、いずれも当社の可視化ツールに直接接続できなかったり、あるいは運用上の手動作業が多すぎるなど不十分な結果に終わりました。」
そんな中、Naumann氏はSnowflake Data Cloudの試験を開始したところ、このクラウドソフトウェアベースのソリューションを非常に気に入りました。Snowflake Data Cloudとの出会いにより、Naumann氏をとりまく状況は変化しました。「Snowflakeをテストしたところ、まさに私が望むどおりに機能しました。」と彼は言います。Snowflakeコネクタにより、PapyrusチームはDirectQueryから得られるデータをPower BIでそのまま利用できます。「Snowflakeは当社インフラを完全に刷新しなくても展開可能だと気付き、試してみることにしました。その結果、わずか4週間のうちにテストを成功させ、本稼働開始に成功したのです。」
プラットフォーム — そしてサポート — 投資家に力をもたらすために
「Snowflakeが提供してくれたサポートやトレーニングのおかげで、私たちは少人数の担当者チームをすばやく戦力化しテストを成功させることができました。」とNaumann氏は語ります。
最初のデリバリーの完了を経てSnowflakeの本格稼働を開始して以来、NN IPのPapyrusチームは、財務および非財務関連のパフォーマンス情報の提供という会社の中核的な優先事項に貢献する能力をさらに高めています。同社ポートフォリオマネージャーは、今やあらゆる投資の過去のパフォーマンスだけでなく、将来のリターンへの影響が想定される市場データやESGスコアに貢献するさまざまな情報をすばやく可視化することができます。
さらに、同社デベロッパーは以前より少ない労力でよりスピーディーにあらゆる分析を行えるようになりました。「私たちは、情報に基づく意思決定をより迅速に下すことができるようになりました。規模を変更しても、パフォーマンスの維持やスピードには全く問題がありません。Snowflakeやそこでホストしているデータに関心を示すチームが社内でも増えていますが、これまでのように数日や数週間ではなく、ほんの数分で彼らのリクエストに応えることができます。」
プラットフォームのロバストなコンプライアンス管理機能や監視機能もまたPapyrusチームにメリットをもたらしています。「私たちはSnowflakeで社内データシェアリングツールを再構築し、データの品質やセキュリティをチェックするコントロールを複製することにも成功しました。」とNaumann氏は付け加えます。「常に厳しい規制環境の中で仕事をしていますから、自在にツールの構築と規模の調整ができかつ全社規模で分析を実行できる集中化されたプラットフォームを築くことが重要です。Snowflakeは包括的なデータガバナンスを可能にしてくれるので、進化し続ける高度なコンプライアンス標準を遵守することができます。」
「自在にツールの構築と規模の調整ができかつ全社規模で分析を実行できる集中化されたプラットフォームを築くことが重要です。」
将来に備えたプラットフォーム
Naumann氏が整備したSnowflakeパイロット版は、わずか数週間でインサイト共有のためのより迅速なデータ可視化ワークフローの構築に成功しました。Naumann氏は、Snowflakeの教育サービスやサポートサービスがチームのデータジャーニーを手厚くサポートしてくれることを知っていました。「Snowflakeチームのサポートのおかげで、当社のエキスパートたちは、技術的、商業的側面についてパートナーから寄せられるあらゆる問い合わせに対処する体制を整えることができました。」
「当社はまだSnowflake Data Cloudと共に歩み始めたばかりですが、私たちのアセットマネージャーはすでに将来に向けたエキサイティングな計画の策定に取り組んでいます。すべてのチームが必要に応じてそれぞれのデータ環境を形成し活用することができるデータメッシュの構築に長年取り組んできましたが、Snowflakeがあればこれからもさらに正しい方向に進んでいけると信じています。」
長い目で見れば、こうした取り組みは社内の人材品質向上にもつながっているとNaumann氏は言います。「どの業界でも能力と知識に優れた人材の確保に苦労していますが、私たちは最先端のアプローチに基づく市場分析やデータ可視化への移行により、優秀な人材が業務に利用したいと思う市場屈指のツールを提供できていると思います。」
最新のデータプラットフォームに移行することで、Naumann氏はNN IPで取り組む困難な業務に一段と誇りを持てるようになりました「私は20年以上IT分野で仕事をしてきて、あらゆるものの変化を目の当たりにしてきました。今や人はよりマルチファンクショナルであることが求められ、セキュリティ、インフラストラクチャ、およびデータの専門知識を持つことが必要とされていますが、私自身はそうした課題への挑戦をむしろ楽しんでいます。」
「最も驚くべき成果は、コロナ禍にも関わらずオンボーディングやパートナーシップを成功させることができたことです。」とNaumann氏は語ります。「今では優れたシステムのおかげでより大きく、より手ごたえのある収益の確保に成功しています。しかもすべてサーバーレスでです。オンプレミスシステムもないので、私は自宅を離れる必要なしに、完全かつエンタープライズ規模のデータクラウドをその場で活用できています。」