注:本記事は(2021年6月18日)に公開された(What’s Next for the Data Cloud? Highlights from Snowflake Summit 2021)を翻訳して公開したものです。

今年のSnowflake Summitでは、Snowflakeのリーダー、カスタマー、パートナーが集合し、データクラウドの将来について、またサイロを打ち壊してデータを一元化するデータクラウドの革新的な力について議論しました。「Data Together Now」というスローガンのもと、サミットではデータドリブンなビジネスのあらゆる側面を深掘りし、いかにSnowflakeが世界のデータを集約し、ビジネス価値を高める実用的な知見にする上で役立つかを明らかにしました。

Snowflakeのプロダクト部門シニアバイスプレジデントであるChristian Kleinermanは次のように述べています。「Snowflakeのユニークなアプローチは、データクラウドの先駆けとなることでデータの可能性を再定義するだけでなく、私たちが構築とイノベーションを続けるための基礎を与えてくれました。こうした基礎を力に、Snowflakeはその優れたパフォーマンス、オペレーションの複雑さの低減、セキュリティの強化を通じ、6つのワークロードタイプにわたって市場でリーダー的地位を確保しています。おかげで私たちは、クラウドとリージョンの垣根を越えたグローバルエクスペリエンスを創造できます。これにより情報のサイロが打ち壊され、組織はビジネスにとって最も関連深いデータにアクセスできます。

60以上のセッションが行われた2日間の中で、何千人もの参加者がオンラインで集い、データクラウドのビジョンについて、さらにはJetBlueNovartisKraft Heinzといった一流企業がいかにSnowflakeを活用してビジネス価値を向上させ、カスタマーエクスペリエンスをパーソナライズしているかについて学びました。ソートリーダーシップセッションには、技術研修、エキスパートへの質問コーナー、実践ラボなどが盛り込まれ、出席者に実用的なスキルやトレーニングを提供しました。これらのセッションを通じて、出席者はサードパーティのデータを自身の機械学習モデルで使用する方法やAmazon SageMakerを使用して推奨エンジンを構築する方法を学ぶことができました。

データクラウドの次の展開 

サミットの主なハイライトの1つは、プロダクト基調講演です。基調講演では、共同創始者兼プロダクト部門プレジデントであるBenoit Dagevilleと前出のChristian Kleinermanがデータクラウドの未来についてのビジョンを語り、さまざまな新機能、特長、イノベーションを紹介しました。

「データクラウドの構想は9年前に始まりました。当時、Thierry(Cruanes)と私はエータハウジングとビッグデータソリューションの失敗を目の当たりにし、全く異なる何かが必要だと思い知りました」と、Dagevilleは説明します。「私たちの夢は、構造やボリュームに関わらずあらゆるデータを格納でき、複雑さや同時実行の上限なしにデータに対してワークロードをいくつでも実行できるようなソリューションを構築することでした。また、セルフサービス方式で非常に使い易く、従量制の料金モデルによってコストを大幅に削減できるソリューションにしたいと考えました。」

ここで、Dagevilleはデータクラウドの未来に視点を移し、将来のイノベーションの成長を促し、牽引し続けるデータクラウドの主な差別化要素について説明しました。

  • プラットフォームアーキテクチャ:フルマネージド型サービスとして提供されるSnowflakeのデータクラウドは、世界の23のクラウドリージョンを異なるクラウドプロバイダーからカバーする単一のプラットフォームです。このマルチクラスターの共有データアーキテクチャにより、データのサイズやコンピュートストレージへの制限がなくなるほか、個々のクラスターを数秒で拡大縮小できる即時の伸縮性により、真にオンデマンド型のコンピューティング能力を提供します。
  • 相互接続性:Snowflakeのアーキテクチャは、クラウドまたはリージョンに関わらず、グローバルなビジネス接続性を提供します。このように、Snowflakeは既存のサイロを打ち壊し、組織に関する包括的なビューを提供します。構造化データおよび半構造化データ全体で複数のワークロードを同時実行することが可能になるため、Snowflakeは価値実現までの時間が短縮され、「うるさい隣人(ノイジーネイバー)」の問題が過去のものとなります。
  • データシェアリング:「Google Docs内で文書を共有するのと全く同じようにデータベースを共有できると想像してください」と、Dagevilleは言いました。データクラウドがあれば、企業はデータをチームの内外で簡単に共有し、データをコピーせずに外部データソースを活用し、パートナーやベンダーと安全にコラボレーションできます。また、成長を続けるSnowflake Data Marketplaceを通じて新進気鋭のデータプロバイダーとつながることで、より良いビジネス意思決定を下すことができるようになります。

このセッション中、Kleinermanは、5つの主要分野でプライベートプレビュー版またはパブリックプレビュー版として現在開発が進行している多数の新製品リリースも紹介しました。

  1. データプログラマビリティ:これには、Java UDF(ユーザー定義関数)、Snowflake SQL REST API、およびパートナーに技術エキスパートとのアクセスとSnowflakeカスタマーへのアピールの場を提供するSnowpark Accelerated Programが含まれます。SnowparkとJava関数はAWSのすべてのカスタマー向けにプレビュー版として、Snowflake SQL APIは現在パブリックプレビュー版として提供されています。
(この動画をご覧いただけば、Snowpark Accelerated Programがいかにパートナーから歓迎されているかが分かります。)
  1. グローバルデータガバナンス:これには、匿名化ビュー、PII分類、およびAlationとの統合が含まれます。匿名化ビューは間もなくプライベートプレビュー版が提供されます。PII分類は現在プライベートプレビュー版で提供中です。Alationとの統合は次のAlationリリースで利用可能になる予定です。
  2. プラットフォーム最適化:これには、ストレージの経済性向上機能、対話型エクスペリエンスのためのサポートの改善、および新しい利用状況ダッシュボードが含まれます。ストレージの経済性向上機能や対話型エクスペリエンスのサポートは既に提供が始まっています。利用状況ダッシュボードはパブリックプレビュー版で提供されています。
  3. コネクテッドインダストリーズ:これには、Snowflake Data Marketplace内で直接データプロバイダーを見つけ、テストや取引ができる新たな方法が含まれます。これらの機能は今年後半にプライベートプレビュー版で提供される予定です。
  4. Powered by Snowflake:これは、Snowflake上でアプリケーションを構築し、運用し、育てるソフトウェア企業やアプリケーション開発者(AdobeやSeismicなど)を支援する目的で設計された、新しいSnowflakeパートナーネットワーク(SPN)です。


大きく賭ける

2日目は、世界で最も賭け金が高いポーカールームの女性胴元であるMolly Bloom氏へのインタビューで始まりました。Bloom氏は、インタビュアーであるSnowflakeのエンタープライズセールス部門シニアバイスプレジデント、John Saponeを相手に、改革と復活力にまつわる自身のストーリーを語りました。「当初、私はポーカーのディーラーをしながらお客様を見ているうちに、人は意思決定を下す際、非常に大きな感情バイアスがかかることに気づきました。そこから私はデータに大いに注目するようになったのです。初めのうちはそれこそ、『リスクを見積もりたいから、できるだけ多くのデータを集めさせて』といった調子でした。」

サミットは、次世代のSnowflakeユーザーであり、Snowflakeを利用してビジネスを立ち上げ、成長させている新興企業を表彰する場ともなりました。Snowflakeスタートアップチャレンジ決勝ラウンドでは、ファイナリスト3社が、Snowflake Venturesから最大25万ドルという投資機会を勝ち取るために競い合いました。Snowflakeの経営陣と業界屈指のVC企業の代表者で構成された審査員団が厳正なる審査を行い、3社すべてが非常に健闘しましたが、最終的にOverlayAnalyticsが優勝しました。

Snowflake Summitの全セッションについては、こちらからオンデマンドでご視聴いただけます。データクラウドの新機能についてさらに詳しく知りたい方は、6月6日より開催されるSnowflake Deep Diveシリーズへの参加を今すぐお申込ください。