注:本記事は(2021年8月23日)に公開された(The Annotated Data Architect Resume)を翻訳して公開したものです。

今は、データアーキテクトになるのに最高の時期です。実際、キャリアの視点から見て、データに関連していれば何の仕事でも絶好のチャンスであると言えます。

企業は、アナリティクスに極めて高い価値を見出しています。これにより今は、データやアナリティクスを専門としているプロフェッショナルにとって売り手市場であると、人材紹介会社Harnham社の米国西部部門バイスプレジデントであるMcElla Pappas氏は語っています。

「将来への懸念、予算の制約、市場の不透明さなどを理由に2020年のうちにチームを拡大しなかった企業は、現在遅れをとっており、頭数をそろえようと必死です。すでに制約のある市場で、人材の供給も足りないとなると、さらに苦しい状況となります。」

Pappas氏によると、この分野の平均給与は、1四半期で15%上昇したそうです。

データアーキテクトという仕事は、各企業で異なる意味を持ちますが、一般的に、組織のために大局を捉え、どのようなデータがあるか、それをどのようにモデル化すべきかを調べ、ビジネス課題の解決に活用することを専門とします。

雇用する側の企業は現在、この職務を担う人材として、非常に専門的な経歴を持つ人を求めがちですが、Pappas氏によると、これらのエキスパートの獲得競争は非常に激しいとのことであり、当然のことながら候補者は常に自分のスキルの拡大に取り組むことができる状況にあります。

そうした取り組みへの参考として、データアーキテクト職への架空の応募者のレジュメを例に挙げて説明します。あくまで架空ですので注意してください。

Pappas社とSnowflakeのエバンジェリストを務めているKent Graziano氏は、彼自身もかつてデータアーキテクトだった経歴を持つ人物ですが、このほど、履歴書をレビューして求職者と雇用会社の両方に機会向上についての助言を提供するチームを立ち上げました。


注釈付きのレジュメのフルバージョンをダウンロードするには、こちらをクリックしてください。

Pappas氏によると、全体的に見てこの候補者は「シニアマネージャーもしくはデータエンジニアリング職に興味がある」ようですが、データアーキテクトとしての技術要件にはあまり合致していないようです。

しかしこの市場では、それだけで不合格となるわけではありません。

Dithers氏は現在、管理職に就いています。データアーキテクトは、どちらかと言えば専門職であるため、Graziano氏はDithers氏に対し、職種を変える理由について尋ねられる心積もりをしておくよう助言しました。「私自身、アーキテクト職の面接時に、その質問をされたから」だと、Graziano氏は言います。

Graziano氏は、このセクション全体にわたって、Dither氏はどのタスクを自分だけで行い、どのタスクがチームによって行われたかを明確にすべきだと述べています。

「3NF、Star、Snowflake、Data Vault、どのモデルでしょうか。」データモデルについては常に具体的に言えるようにしておくのがよいと、Graziano氏は指摘しました。

「一部の企業は、自社のツールスタックに関して非常にこだわっています」と、Graziano氏は肩をすくめます。彼やPappas氏は、複数のツールセットを扱える人が最も強力な候補者だと声をそろえます。

しかし候補者は、最新の状態であるスキルがどれで、どのようにスキルを維持しているかを示す必要があるかもしれません。Dithers氏は今までに獲得した専門スキルを証明するような認定証を取得したり、実践的プロジェクトに従事したりしているでしょうか。


技術についてレジュメに具体的に記載しておくと、面接時に、より高いレベルのスキルについての話に集中できるという、メリットもあります。

Graziano氏のコメントをなぞるようにPappas氏は言います。「興味深いことに、本当のテクニカルエキスパートは、技術的なテストを受ける必要がありません。有能な候補者はツールをすばやく使いこなすと会社側は知っているからです。」一方、Pappas氏は、面接担当者は候補者の問題解決能力を探るような質問をするはずだとも言います。

「相手に具体例を尋ね、次にそれを詳細に掘り下げます。どのような関係者が関わったか、30/60/90日計画はどのようなものだったか、どのような障害に突き当たったか、それらをどう解決したか、などです。」

この種の質問を行うことで、この架空のMarilou Dithers氏のように、特定の経験が欠けているけれど、最終的に優秀なデータアーキテクトになりそうな人を見つけ出すことができます。

最後に、Pappas氏によると、この求人市場において苦労しているのは候補者だけではありません。「候補者の中には引く手あまたで、次の新天地となる企業を品定めしている人もいます」とのことです。

給与と福利厚生以外に雇用企業を魅力的に見せるのは、組織構造です。求職者は企業がデータについて真剣に捉えているか、確固とした証拠を見つけようとします。「データアーキテクトは、最高データ責任者、アナリティクス統括者、またはエンジニアリング統括者に直属するポジションを探そうとするでしょう」と、Pappas氏は述べています。