注:本記事は(2021年7月7日)に公開された(How Snowflake’s Data Cloud Is Empowering Retailers to Unleash Business Benefits)を翻訳して公開したものです。

最近のウォールストリートジャーナルの記事の統計は、消費者の支出傾向が大きく変化していること、店舗の閉店が増えていること、Eコマースの売上高が増えていることなど、広く知られた事実を裏付ける結果となりました。つまり小売環境は全世界で劇的に変化しているということです。1 豊富なインサイトを提供するコンシューマーデータがあれば、企業は変化し続けるコンシューマー需要に後れをとることがありません。Snowflakeの出資のもと、Economist Intelligence Unitが最近実施した調査のレポートによると、「小売企業にとって、顧客が誰か、また何をどのような方法で購入したがっているかを理解することが、これまでにないほど重要になってきている」そうです。2

Snowflakeのデータクラウドは、小売企業や消費財企業にデータの力をもたらし、小売環境の変化を完全に把握できるようにします。データクラウドを使用することで、小売業者は、詳細かつタイムリーなインサイトの取得、意思決定の加速、カスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ、顧客の離脱率の低減のほか、新しい収益分野の発見も可能になります。

ここからは、Snowflakeの小売および消費財分野のお客様であるYamaha、Pizza Hut、Petco、US Foods、Sainsburyの各社が、Snowflakeのデータクラウドを利用してどのようなビジネスメリットを実現しているかをご紹介します。

US Foods:顧客離脱率の低減

売上を追跡し、将来の需要を予測するため、US Foodsは膨大な取引データを取り込み、分析しています。US Foodsの従来のオンプレミスデータウェアハウスは定期的なメンテナンスが必要で、リソース競合が頻繁に発生し、2年分以上のデータを保管するには高い費用がかかっていました。システムのユーザーインターフェイスは直感的ではなく、大型のデータセットのロードも不可能で、BI機能も限られていたため、ビジネスアナリストは、1つのレポートを作成する準備に何週間もかかっていました。

Snowflakeのプラットフォームは、US Foodsの単一の取引データ用アナリティクスリポジトリとなりました。Python向けSnowflakeコネクター、Amazon S3からのバルクロード、SQLへのネイティブサポートといった機能により、以前は5時間かかっていたレポートが、Snowflakeでは3分で実行できるようになりました。US Foodsの売上データや発注データをSnowflakeに取り込み、それを使用してDataRobot内のデータサイエンスモデルをトレーニングし実行することにより、さらに高度なエグゼクティブレポートの生成やより豊かなインサイトの提供ができるほか、商品化計画、マーケティング、サプライチェーンに関する情報に基づく意思決定を可能にします。予測的アナリティクスの支援により、US Foodsは予測を構築し、顧客の離脱率を低減しています。合理的なデータ取り込みとカスタムレポート機能により、気象データやUS FoodsのEコマースポータルからのクリックストリームデータといった新しいデータソースを探索するための追加的なリソースの確保が可能となりました。

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Sainsbury’s:革新的な新サービス

Sainsbury’sは、ブランド全体のビジネスに不可欠なシングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)を構築するため、Snowflakeデータクラウドを選びました。Sainsbury’sが導入したData Vaultは、エンタープライズデータウェアハウスをモデル化するための、迅速で柔軟で拡張性あるアプローチです。

Snowflakeを利用することで、Sainsbury’sは自社の製品と競合他社の製品を比較する製品マッチングサービスをローンチできました。このサービスは同社のウェブサイトで人気を集めている機能です。Sainsbury’sはSnowflakeのデータサイエンスエンジンによって提供されたビジネス上のメリットを計算するビジネスモデルを構築しました。Snowflake以前、GDPRリクエストの処理とレポートの生成は、IBM MDM、Oracle、PostgreSQLなどの複数のシステムをまたぐ複雑なプロセスを伴うものでした。Snowflakeは何層もの重複や混乱の排除に貢献しました。エンジニアはかつて、7、8種もの異なるシステムを扱っていましたが、今ではたった1つで済みます。

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Petco:カスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ

Petcoが進めているデジタル変革やオムニチャネルなセールス戦略により、データアナリティクスの需要が高まりました。しかし、同社のオンプレミス型データアーキテクチャでは、小売レポートサイクルに合わせて柔軟に規模を拡大縮小することができませんでした。データ処理ワークロードの実行に数時間かかり、ユーザーはタイムリーにインサイトを入手できず、広告代理店と広告データを共有しようとしても、転送1回あたり最大40時間かかっていました。データエンジニアリングの課題により、チームはデータ可視化やレポートのドリルダウンに集中できないでいました。Petcoの従来のデータウェアハウスは、2名のフルタイムの技術スタッフが常に監視していたにもかかわらず、頻繁に機能停止していました。ハードウェア、ソフトウェア、およびデータセンター費用も大きな負担となっていました。 

データ環境を刷新する必要性に気づいたPetcoは、Snowflakeに目を向けました。Snowflakeのマルチクラスターの共有データアーキテクチャは瞬時に規模を調整でき、リソースの競合を回避します。柔軟な容量調整機能は、Petcoの周期的レポートに関する課題に便利なソリューションを提供します。Snowflakeを利用してPetcoのデータ環境をモダナイズしたインパクトは、業務に直ちに表れました。ビジネスチームは、Snowflakeからのデータを使用して、Petcoの店舗、モバイルアプリ、およびウェブサイト全体での顧客の行動を理解し、誘導することができます。また、Snowflakeによるデータ可視化により、360度の視点でカスタマーを把握することで、パーソナライズされたサービスの提供、プロモーションキャンペーン、その他の収益創出プログラムについての適切な意思決定ができます。Petcoの周期的レポートに合わせてSnowflakeのコンピューティングをほぼ瞬時に調整できる柔軟性により、不要なコンピューティング費用が生じること顧客もありません。

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Yamaha:より深くタイムリーなインサイトを得る

BIユーザーにタイムリーなインサイトを提供するため、Yamahaは大量の取引データやリレーションシップデータを取り込み、分析しています。営業、マーケティング、サポート、およびファイナンス部門のBIユーザーのためのデータ可視化の開発、デプロイ、反復を加速するため、YamahaのITチームはインフラストラクチャの強化を模索し始めました。

30秒以内でロードできるデータ可視化を提供することを目指し、チームはSnowflakeのプラットフォームに着目しました。Snowflakeは、およそ400万ものERP(エンタープライズリレーションシップ管理)レコードを6分間、つまり他のデータウェアハウスの5倍の速さで取り込みました。データセット全体には、9億1000万以上のレコードが含まれています。Tableauでのレポートレンダリング処理が高速化されたことにより、生産性が上がり、スタッフがデータドリブンな意思決定をより短時間で行えるようになりました。YamahaのERPおよびSalesforceデータを1時間ごとにSnowflakeに取り込むことにより、ディーラーの発注量、顧客の信用限度、在庫状況、パイプライン性能に関するタイムリーな営業インサイトが得られるようになりました。サクセスチームはSalesforceからプロダクトサポートの指標を監視して、顧客満足度を測定したり、人材を補充するタイミングを決定したりしています。マーケティングチームや財務チームはSnowflake内のデータを利用して、価格や予算に関するさまざまな意思決定を行っています。Snowflakeによるニアゼロの管理インフラストラクチャーと秒単位の価格設定は、明確なコスト削減を実現しています。 

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Pizza Hut:意思決定の加速

Pizza Hutのオンプレミス型データウェアハウスは、増え続ける需要に合わせた規模の拡大ができませんでした。米ナショナルフットボールリーグのスーパーボウル開催中はPizza Hutにとって1年で一番忙しい時期ですが、その期間のデータ量は普段の3倍になることもあります。従来のデータウェアハウスでは、拡張性が限られていたため、スーパーボウル中、統合型のリアルタイムなアナリティクスを提供することは不可能でした。

Pizza HutがSnowflakeデータクラウドの実証実験を行ったところ、すぐにポジティブな結果が出ました。Snowflakeのほぼ瞬時の伸縮性は、以前の拡張性に関する問題を即座に解決しました。高度なアナリティクスチームは、以前のシステムでは提供不可能だったアドホッククエリを実行できるようになりました。今ではSnowflakeにより、ユーザーはビジネスに関する質問にデータで回答できるようになっています。2020年のスーパーボウル中、Pizza Hutは統合型でほぼリアルタイムなビジネス分析ビューを構築しました。これは、Snowflake導入前には実現不可能だったことです。

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Snowflakeデータクラウドがいかに小売企業や消費財企業のビジネスメリットの実現に役立つかについて、さらに詳しく知りたい方は、7月21日に当社が無料で開催するオンラインフォーラム「 Retail and CPG Data Analytics Forum(小売および消費財データアナリティクスフォーラム)」にぜひご参加ください。


  1.  on.wsj.com/3x2mo08
  2.  bit.ly/3jo4iSk