注:本記事は(2021年11月1日)に公開された(Four Rules to Make Partners Your Marketing Differentiator)を翻訳して公開したものです。

マーケティングリーダーはパートナーと少し距離を置きがちです。パートナーと緊密なビジネス関係を築く上での複雑さや面倒は、得られる価値に見合わないと考えているからです。しかし、パートナーマーケティングを最重要事項としていないマーケティング組織は、貴重なチャンスを逃しています。Forrester社によると、成熟したパートナープログラムを採用している企業は、そうでない企業と比較して収益がほぼ2倍の速さで成長しており、さらに株価や純利益において期待値を上回る可能性が5倍高いとのことです。1

Snowflakeでは、最初からパートナーと手を取り合いながら歩んできました。パートナーは当社の市場進出戦略にとって欠かせません。実際に、当社は、マーケティングの5つの柱のうちの1つを「最も繁栄するパートナーエコシステムを構築する」と定めています。端的に言って、私たちはパートナーなしに今の地位に立つことはなかったでしょう。なぜならパートナーは私たちの成長に不可欠だからです。

最近のIDG調査において、パートナープログラムの第一の目標が収益の創出であるという結果が出たことも、おどろくべきことではありません。2 パートナーは、皆さんの営業活動を増やす手助けをしてくれるだけでなく、自分だけではリーチできないカスタマーセグメントを引き付けます。パートナーは、メッセージの普及を助け、ブランドの認知度を高めてくれます。また、現在のカスタマーの満足度やロイヤリティの向上を後押ししてくれます。さらには、Snowflakeのような消費量ベースのビジネスの場合、パートナーのプロフェッショナルなサービスはカスタマーの消費量を増やすきっかけとなり、結果として私たちのビジネスの収益を増大させてくれます。

Snowflakeの初期の頃、私たちがプロダクトを市場に投入するときはほぼ100%、パートナーの力を借りていました。ほとんどの場合、戦略にはAWSとTableauが関与しており、それによって私たちは3分の1のマーケティング費用で3倍のリーチを得ることができました。現在、当社のパートナーやカスタマーはSnowflakeデータクラウドとSnowflakeデータマーケットプレイスをマーケティングプラットフォームとして利用し、ビジネスの課題を解決するアプリケーションを構築したり、価値あるデータを流通させたりしています。

実際のところ、パートナーのエコシステムがなければ、世界のデータをモビライズするという当社のミッションを遂行することはできません。カスタマーは、当社のプロダクトから得る価値に加えて、私たちのエコシステム全体から価値を得ています。当社の収益のほぼ100%が、当社とパートナーとの関係から、何らかの形で影響を受けています。しかしここに至るまで、私たちは、カスタマーに重点を置くという姿勢を貫いています。

ここから、マーケティング競争で優位に立てるようなパートナープログラムを構築するための4つのルールをご紹介します。

1. カスタマー中心のパートナープログラムを構築する 

パートナーマーケティング戦略において何よりも優先されるルールは、カスタマーに重点を置くことです。これは単なるリップサービスではなく、パートナーシップに関して下す意思決定のすべてが「これがカスタマーにどのような価値をもたらすか」という問いから始まるものでなければなりません。現在のコネクテッドな世界では、消費者はサイロの中でプロダクトを利用するわけではありません。最も成功している企業は、自社のプロダクトをいかにパートナーエコシステムと統合し、統一されたエクスペリエンスをカスタマーに提供するかに焦点を当てています。Snowflakeは数多くのパートナー企業のテクノロジーやサービスを補強しています。これが、パートナーのカスタマーの課題解決につながっていますが、逆もまたしかりです。統合が進めば進むほどカスタマーのためになります。また、カスタマー中心主義の企業とパートナーシップを組むことも重要です。率直に言って、カスタマー第一という価値観を共有できない企業が含まれていれば、摩擦が生じることになるでしょう。

2. マーケティング組織全体でパートナーを受け入れる

パートナーマーケティングは、パートナー組織だけに任せておくべきものではありません。この点をマーケティング組織全体のDNAに刻み込んでおく必要があります。Snowflakeでは、マーケティングプログラムのうち75%はパートナーを関与させることを標準としています。需要創出のためのプログラムを推進するとき、プロダクトマーケティングが新しいプロダクトをローンチするとき、ソリューションマーケティングがある業種にフォーカスするとき、またはコミュニティチームがメディア露出の拡大を目指して新しいオーディエンスを構築しようとするとき、必ず最初からパートナーマーケティングに関わってもらうようにします。これは私たちにとって難しいことではありません。なぜなら当社は、エンジニアリングからプロダクト開発、そしてサービスまで、組織全体でパートナーを受け入れるようにしているからです。したがって、これらの各部署内におけるパートナー活動の足並みが揃い、パートナーにとってのエクスペリエンスが統一され、重複削減にもつながります。

3. パートナーから得られる以上の価値をパートナーに提供する

ある企業とのパートナーシップが利益創出やブランド認知向上を目的としたものであっても、活動の焦点は与えることであるべきです。特定のパートナーに何を提供できるか、彼らが必要としているのはリードか、高度なトレーニングか、リソースか、それともコンテンツ作成への手助けか。これらのメリットは大小さまざまな形で提供できます。たとえばパンデミックのさなか、当社はパートナーが自ら主導してバーチャルキャンペーンをローンチし、パイプライン構築を促進できる場所としてパートナーデマンドセンターを開設しました。私たちは、Zero to Snowflakeプログラムを通じて、Snowflakeのカスタマーとのワークショップの実施にシステムインテグレーション(SI)パートナーを参加させ、リードの創出とパイプラインの構築を支援してきました。また、これらのワークショップのバーチャル版であるバーチャルハンズオンラボを開始し、ISVパートナーにもチャンスをもたらしました。一方、Snowflake Summitでは、パートナーにコンシェルジュが1名ずつ付き、パートナーがエクスペリエンスを最大限活用できるよう支援しました。また、すべてのパートナーが利用できるプログラムも構築しました。私たちはどのパートナーも弱小扱いしません。今日の小規模パートナーが明日の業界リーダーになり得ることを、私たちは身をもって知っているからです。

4. 規模の調整が可能なパートナープログラムを構築する

小規模企業のCMOならば、各パートナーとパーソナライズされた関係を築き、育てることができるでしょう。大企業のCMOの場合でも、当社のパートナーと関係を築くことが非常に重要かつ教育的であると思うはずです。私も常々、パートナーが当社と共同で実りのあるエコシステムを構築する新たな方法を、興味深く拝見しています。しかし、企業が成長してパートナーとの関係が何百、さらに何千にも増えると、それぞれのパートナーに対してパーソナライゼーションを提供するための構造を作る必要があります。Snowflakeパートナーネットワークは、パートナーがSnowflakeプラクティスを構築し、Snowflakeと共に市場進出できるようにするためのトレーニング、ツール、リソースを提供しています。当社は引き続き、パートナーがパートナーデマンドセンターを通じて自己管理型で共同ブランドの多言語キャンペーンを展開するためのリソースに投資していきます。3 また、パートナーが自社のイベントでSnowflakeのコンテンを活用したり、Snowflakeのエキスパートや講演者を招いたりすることもできます。これらのサービスは、パートナーセグメントごとにパーソナライズされています。パートナーセグメントの種類には、単一でシームレスなSnowflakeエクスペリエンスを提供するクラウドパートナー、プロフェッショナルサービス、マネージドサービス、リセールサービスを提供するサービスパートナー、Snowflakeエクスペリエンスを高めるテクノロジーを提供するISVパートナー、そしてSnowflakeデータマーケットプレイスを通じてデータやデータサービスを提供するデータパートナーがあります。さらに、Snowflake上で実行するカスタマー対応アプリケーションを提供しているパートナーに向けの、専門的なPowered by Snowflakeプログラムもあり、この戦略は効果を上げています。IDGによると、文書化された戦略を掲げる組織の85%は、パートナーマーケティングを価値を提供するものとしてとらえていると回答しているとのことです。4 

カスタマーのためのパートナーシップ

Snowflakeでは、当社のプロダクトを使用することで強化できるプロダクトを擁し、カスタマーにより良いサービスを提供できる企業とパートナーシップを組むよう徹底しています。マーケティングの観点から見て、当社は「スポンサー」という用語を使用しません。なぜなら企業を金銭的にサポートすることを目的としていないからです。私たちは真に互恵的なウィンウィンの関係を求めています。パートナーマーケティングプログラムを成長させるにあたっては、協力してどのように売り込むかではなく、より良いサービスを協力してどのように提供するかに焦点を置いてください。パートナーとの協働がうまくいけば、それだけ顧客の期待を大きく超えて、より効果的に問題を解決できるようになります。


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3パートナーデマンドセンターを利用するには、Snowflakeパートナーポータルへのサインインが必要です。

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