ビューティ&ライフスタイル小売企業のDouglas社は、自社のオンラインショップ網、美容市場、および2,000を超える小売店舗全体で、13万点以上の製品を提供しています。デュッセルドルフを拠点とするDouglas社が追及しているのは、これまでにない多彩な商品で、自分だけの美しさへの目覚めをインスパイアすることです。

Douglasは、以前のマルチチャネル小売店から進化して、店舗や市場パートナーを1つのプラットフォームに集約し、欧州最大のデジタルビューティプラットフォームとなりました。このほどSnowflakeは、Douglas社のグローバルカスタマーマーケティングおよびデータ部門ディレクターのThomas Wrobel氏をお招きし、同社がいかにデータのサイロを解消し、デジタルインフラストラクチャーを再設計して、アナリティクスを取り入れたかについて伺いました。

デジタルファースト戦略には強力なプラットフォームが必要

2020年、Douglas社のオンラインストアでは、収益が10億ユーロの大台を初めて超えました。Eコマースビジネスプラットフォームはすでに同社の収益の約40%を占めており、EコマースはDouglas社の#FORWARDBEAUTYデジタルファースト戦略の中心に位置しています。

しかしながら、デジタル化のスピードが加速する中、基盤テクノロジーを変革する必要性が即座に明確になりました。Douglas社の従来のオンプレミスデータウェアハウスは当初、小売店舗を前提として開発されたものであるため、徐々に戦略的取り組みの足かせとなってきました。

自社データセンターのリソースを追加する必要が生じたとき、同社は容量を追加するだけでなく、データアーキテクチャを統合して、会社全体でデータインサイトにアクセスしやすくする最新のプラットフォームが必要だと判断しました。目標は、プロセスを最適化し、シンプル化することでした。

Snowflakeを利用して高価値アナリティクスを変革

デジタル変革戦略の一環として、Douglas社は、データのサイロを排除し、ホリスティックなデータベースへと統合して、シングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)を確立するための最新プラットフォームとして、Snowflakeを選択しました。

Snowflakeが選ばれた理由は、無制限かつ最高に拡張性が高いストレージとコンピュート力を提供すること、ユーザーフレンドリーで会社全体でのデータの民主化が徹底できること、ほぼリアルタイムのデータインサイトを提供できることです。

Douglas社は、Snowflakeプラットフォームの新たな使用事例を、ビジネスへの付加価値が高い順に段階的に導入していきました。中でも、Douglas社の全品目データ、オンライン収益の追跡、およびその組織構造といったデータセットは、最初に移転されました。このアプローチにより、移行プロセスの早期に、Douglasの上級幹部に向けて、第一陣となる付加価値の高いアナリティクス使用事例を設計することができました。

すべての部門でリアルタイムのアナリティクスを可能に 

Snowflakeにより、Douglas社は一層データドリブンな企業になりつつあります。Eコマースの分野ではすでにリアルタイムアナリティクスが可能だった同社ですが、今ではすべての事業部門で、小売データセットとEコマースデータセット全体のデータアナリティクスを実行することができるようになりました。サイロを解消し、データへのアクセスを民主化することで、Douglasの従業員はデータサイエンティストやBIスペシャリストに頼ることなく、自分たちで分析を設計、実行することができます。

このプロセスは、Douglas社全体の効率性向上にもつながりました。Wrobel氏は次のように語りました。「1つのレポートのために週または月ごとに同じデータセットを移行する代わりに、今やエンドユーザーは、データを1回作成しておくだけで、多くの手動操作なしに、ほぼリアルタイムにアクセスできます。これにより反復作業にかかる時間が減り、より付加価値の高いタスクに時間をかけることができます。」 

「Snowflakeは、今までは2時間以上かかっていたテストクエリの実行時間を、わずか40秒に減らしてくれました。」

—Thomas Wrobel氏、グローバルカスタマーマーケティング&データ部門ディレクター、Douglas社    

パンデミックに対応する

新型コロナウイルス感染症の第1波は欧州諸国に均等に広がったわけではなく、ロックダウンや再開などのタイミングは各地域でずれがありました。Snowflakeでカスタマーの移動データや需要データをレビューすることで、Douglas社は他に先駆けて店舗を再開したさまざまな国から教訓を得ることができました。

Douglas社はこの知見を利用して、後の段階で店舗が再開できた国々において、店舗に適切な人数の従業員を配置しながら最も需要の高い製品を提供することができました。これによりDouglas社は、安全に店舗運営ができただけでなく、競争上の優位性を得ることもできました。

将来の成長に向けてデータを活用する

SnowflakeはDouglas社にとって戦略的に重要な存在となり、組織全体のデータを民主化させました。今ではコントローラーからマーケターまで、追加的なスキルの必要なく、簡単にデータにアクセスできるようになっています。

小売業者の将来の成長は、こうしたデータをいかにロバストに活用できるかにかかっています。今日のビジネスの成功は、オンラインにオフラインにしろ、カスタマーエクスペリエンスのクオリティと密接に関係しています。Wrobel氏によると、Douglas社には、すべてのカスタマーの買い物体験をパーソナライズする上で役立つ貴重なデータのうち、まだ活用しきれていないものが数多くあるそうです。

「データをもとに分析し、結論を出し、個々の視点からビジネスを向上させることができるよう、私たちは引き続き、さらに多くのデータを会社中の人々に提供し続けます。」

—Thomas Wrobel氏、グローバルカスタマーマーケティング&データ部門ディレクター、Douglas社