注:本記事は(2021年7月29日)に公開された(A Window of Opportunity to the Data Cloud)を翻訳して公開したものです。

2008年にAppleがApp Storeをローンチしたとき、何千ものソフトウェア開発者にチャンスが生まれました。開発者がこぞってアプリを生み出した結果、今私たちが生きているモバイルファーストの世界につながりました。ゲーム開発会社のImangiのように、このような新しいパラダイムに乗じたベンダーは飛躍的な成功を収めました。1Snowflake Venturesは、基盤となるカスタマーデータインフラストラクチャーにアクセスできるあらゆる業種のB2B SaaSベンダーに同様の機会をもたらすものです。

SaaSアプリケーションの導入はソフトウェアを民主化し、生産性を大いに高めた一方で、企業では部門ごとに複数のデータサイロができてしまうという意図せぬ結果も招きました。API統合は大規模での構築と維持が難しく、これらのSaaSソリューションに依存している部門や企業全体が、データセットの統合に依然として悩まされています。マーケティングチームとプロダクトチームが単一のカスタマーデータプラットフォームを構築しようとする場合、CRMやマーケティングスイートからのデータを広告キャンペーンパフォーマンスや行動イベントデータと組み合わせます。さらにITチームが資産インベントリをエンドポイントテレメトリと組み合わせ、セキュリティチームがさまざまなツール間の主要なリスク指標を追跡します。

Tomasz Tunguz氏は、自身のブログの「Cloud Prem Architecture(クラウド-オンプレミスアーキテクチャ)」という記事2の中で、SaaSアプリケーションがコードとデータに分離される、新しいモデルへ向けた動きが加速し始めていると述べています。SaaS企業がコードを書き、更新し、メンテナンスする一方、SaaSベンダーによるデータの格納とアプリケーションのデータ処理に使用されるクラウドデータインフラストラクチャーは顧客によって提供されます。これにより、API統合を管理する必要がなくなり、多次元的なインサイト獲得に向けた新たな機会が拓かれると共に、重要なこととして、新たなデータサイロを産むことなく新しいSaaSソリューションを追加できます。

その好例が、セキュリティアナリティクス分野です。これまで、セキュリティチームはデータを専用のSIEM(セキュリティインフォメーションおよびイベント管理)ソリューションに収集していました。これらのシステムは企業の他のデータスタックとは別途に運用され、拡張性と柔軟性が著しく制限されていました。結果として、ほとんどのセキュリティ組織は、他の部門からサポートされない、複数のデータサイロに対処する必要がありました。

こうした制限を排除し、急速に成長するビジネスのセキュリティニーズを満たすため、NETGEARの革新的リーダーであるPallavi Damle氏は、Snowflakeのデータクラウドを取り入れました。Damle氏は、グローバルサイバーセキュリティ部門の統括者として、専用のSIEMソリューションから、Snowflake上でNETGEARのさまざまなアナリティクスワークロードと並行してセキュリティアナリティクスも実行する形に移行することで、可視性とオートメーションに関する目標を達成したほか、大幅なコスト削減にも成功しました。こうした移行が成功した要因は、NETGEARがHunters社から購入したSaaSソリューションにあります。3Powered by Snowflakeパートナーの一員であり、Snowflake Venturesのポートフォリオ企業でもあるHunters社は、スタンドアロンでも既存のSnowflakeプラットフォーム上でも実行できるサイバー脅威検出機能や対応機能を提供しています。

iPhoneのアプリのように、Hunters社はNETGEARのSnowflakeアカウントのセキュリティデータをロードし、そのインターフェイスとオートメーションにはNETGEARのSnowflakeコンピュートリソースを使用します。NETGEARのSnowflakeリソースに直接アクセスできるので、Hunterの脅威検出エンジンは、より完全で多様なデータセットを組み合わせることが可能です。大規模な調査が必要なセキュリティインシデントが発生した際には、NETGEARの情報セキュリティチームが必要に応じてすばやくクエリ能力を拡張します。同社がすべてを掌握しているわけです。この魅力的なモデルは、NETGEARがHunters社の顧客となる上で重要な役割を果たしました。Gartner MQに選ばれているSecuronix社などのリーダー的企業4(プレスリリースを参照5)や、Panther Labs社といった話題の新興企業6 も、この革新的なアプローチを導入しています。

このモデルを活用しているベンダーは、次のようなメリットを得ることができます。

  • 足並みを揃えたGTM戦略:Snowflakeは消費ベースのセールスモデルを採用しており、Snowflakeの営業担当者は常に顧客に価値をもたらし消費を促す新しい使用事例とワークロードを模索しています。2021年4月30日時点で、Snowflakeの顧客数は4500以上を数えます。
  • データコンプライアンス:このモデルは、セキュリティ要件やコンプライアンス要件を満たすべくインフラストラクチャー内にデータを保管、管理する上で顧客がしばしば直面するニーズに直接対応します。この点は特に、規制が厳しい業界で重要となります。
  • データサイエンスワークロード:ベンダーが大規模エンタープライズに付加価値を提供することで、そのエンタープライズのデータサイエンスチームはローデータに直接アクセスし、他のビジネスデータセットを組み合わせながら、更なる価値を抽出できます。
  • 粗利益率の向上:アプリケーションによって使用されるストレージやコンピュートリソースはエンドカスタマーが提供するため、ベンダーにとって売上原価の削減につながります。

顧客にとっても、その価値は明らかです。データのサイロを解消でき、データへのコントロールを維持できるほか、さらに多くの部門や事業が、全社的なデータドリブン型の戦略から価値を得ることができます。

この先見の明に富んだ新しいSaaSビジネスの勢いは高まり続けています。ベンチャー専門の機関投資家たちも注目しており、データクラウドに支えられたこの新しい革新の波に投資戦略を同調させることへの関心が高まっています。今こそ絶好のチャンスです!

Snowflakeパートナーになる方法について詳しく知りたい方は、Powered by SnowflakeチームのMatt Hill([email protected])までお問い合わせください。この新しいPowered by Snowflakeプログラムは、カスタマーのSnowflakeプラットフォーム上で直接実行できるアプリケーションを設計、実装する方法について、ベンダーのガイド役となるものです。また、パートナーが共同ソリューションをローンチした後、Snowflakeデータクラウドのユーザーにそれをアピールするお手伝いもいたします。

Snowflakeのパートナーが、Snowflake Venturesへのアクセスを希望される場合は、[email protected]までご連絡ください。


  1. bit.ly/2TG4IsB
  2. bit.ly/3kLWI4x
  3. hunters.ai
  4. securonix.com
  5. bit.ly/3zxvzpU
  6. runpanther.io