Snowflakeは、スウェーデンで開催されたData Innovation Summitの場で、EQT Groupのデータ管理担当責任者、Pedram Birounvand氏から、未公開株式投資会社がいかにしてアジャイルデータアーキテクチャを活用し、投資対象の企業からの投資リターンを向上し、将来にプラス影響を与えるべく将来に対応させているかについてお話を聞くことができました。

データドリブンなリーダーシップの実現

EQT Groupはパーパスドリブンな国際的投資会社で、責任を持った投資、保有、企業育成を行いながら、全社を挙げて株主としての権利を積極的に行使するアクティブオーナーシップ戦略に注力しています。どの企業に投資すべきかを把握するために、同社はSnowflakeを使用して内部、外部からの膨大なデータを保存、分析しています。Snowflakeはテクノロジーレベルでのサポートに留まらず、事業を推進するデータに対し、経営幹部によるニアリアルタイムなアクセスや把握を可能にすることで、EQTが推進するデータドリブンなリーダーシップモデルの一端を担っています。

Birounvand氏は次のように説明しています。「当社の役員陣は、打ち合わせのために1枚のスライドやPDFファイルを準備する必要がありません。私たちが会議においてライブデータに基づいた完全なストーリーを構築するため、詳細を詰めたいと思えば、クリックするだけで、その場で話を進めることができます。」Snowflakeが提供するEQTデータレイクは、組織内の意思決定においてこのようなアジャイルかつ時間を節約できるアプローチを実現しており、Birounvand氏は、EQTの使命である投資対象企業の育成という業務において、このアプローチを採用しています。

ターゲティングされたイテレーションによる主要ステークホルダーからのバイインの推進

「私たちは、組織内の非常にストレスのたまったユーザーに注目しています。MBAを取得しているような最高責任者レベルに近い経営幹部たちは、上級職にもかかわらず、Excelでコピー&ペーストするような面倒な業務に追われています。」

Birounvand氏と彼のチームは、このようなユーザーにターゲットを絞り、生産性を阻害したり無駄に時間を費やしている分野の改善に注力しています。主なターゲットユーザーにソリューションを提供し、このプロセスを何度も繰り返すことで最適なソリューションを導き出します。けれども、データ戦略においてプロセスを反復させるには適切なテクノロジーが必要です。そこで、Snowflakeの登場となります。

Birounvand氏は次のようにコメントしています。「戦略の反復的な実施には適切なテクノロジーが必須であり、この点、EQTは実現できていると私は確信しています。」EQTはデータパイプラインに、ソースデータをSnowflakeが提供するオペレーションの永続データレイヤーに円滑かつ正確に転送してくれるFivetranを使用しているため、社内チームはソースシステムにおけるAPIのバージョンや変更を管理する必要がありません。

重要なのは、この段階でBirounvand氏がどのような変換も行っておらず、新たなELTプロセスを使用してソースからデータレイクへデータを移動しているという点です。これもSnowflakeの使用により実現できています。Birounvand氏は次のように説明しています。「当社はSnowflakeデータレイクに永続データを保有していますが、その他の変換についてはビューを構築しているだけです。データ製品はこれらのビューを基に構築しています。そのため、データモデルの変更も非常にシンプルに実施でき、異なる環境間におけるビッグデータ移行の必要なく、スプリントごとのデータモデルの変更が可能です。

データ製品の構築により、Birounvand氏と彼のチームは、少人数のアジャイルなチームに特定のデータドメインをアサインして事業の一部に対し完全なオーナーシップを持たせ、顧客を深く理解することでより良いサービスの提供につなげるようにしています。

エンタープライズレベルのデータセキュリティ

Snowflakeは、データカタログプロバイダーとも連携し、データガバナンスやコンプライアンスの向上に努めています。Birounvand氏は次のように続けています。「Snowflakeにはダイナミックデータマスキング機能がありますが、一般データ保護規則(GDPR)に基づいて業務を行う上で、この点は非常に重要です。当社には投資家に関する膨大な機密データがあり内部、外部リークを防止することが不可欠です。」

データ所有者は個人を特定する情報(PII)としてデータにタグ付けし、他のユーザーからマスキングすることができます。タグ付けされたデータは、アクセス履歴のログに記録することができるため、規制遵守のタスクが非常に容易になります。「監査人が来て、『組織内の機密データにアクセスした人は?』と聞かれたら、シンプルなクエリを実行するだけですぐにその情報を提供できます。」

Birounvand氏とEQTが構築したのは、組織内の誰もが必要なデータを見つけ出し、管理を確認し、所有者を把握し、さらに信頼できる情報かどうかを判断できる、包括的なデータカタログです。データ運用の中心にSnowflakeを据えることにより、これらすべてが実現しています。