注:本記事は(2021年10月4日)に公開された(How Dia & Co Uses Data from Snowflake Data Marketplace to Help Women Get Their Best Clothing Fit)を翻訳して公開したものです。

ファッション業界誌WWDによると、米国のほとんどの女性はファッション市場からのサービスが十分ではないと感じているようです。その一因は、米国女性にとって最も一般的な服のサイズ10~32(日本の13号~18号あたり)に当てはまる服の選択肢が限られている点にあります。そこで今、Dia & Coを始めとする企業が、女性たちに気に入った服を見つけてもらいたいという熱意を持って、状況の改善に乗り出しています。

米国全50州に何百万人もの顧客がいるDia & Coは、プラスサイズの女性に向けてEコマースやパーソナルスタイリングサービスを展開しています。同社が他社と違うところは、アパレルメーカーと緊密に連携してサイズのバリエーションを増やし、自社のプライベートレーベルも構築しながら、「購入前に自宅で試着できる」というオプションを提供している点にあります。

Snowflakeの最近のウェビナーには、Dia & Coのデータプロダクトおよびテクノロジーチーム統括者兼CTOのChrista Stelzmuller氏が登場し、同社がSnowflakeデータマーケットプレイスなどのデータをいかに活用し、カスタマーエクスペリエンスを向上させているかについて語ってくださいました。

「フィッティングという点に関して、弊社がデータを基に行っているのは、単にサイズに対応するということだけでなく、さまざまな体格に合わせ、服をどうデザインすればよいかを知ることです。その視点からお客様を理解することで、弊社でお買い物をするすべての女性が自分にぴったりのアイテムを見つけ出すお手伝いができます。」

市場の課題

Stelzmuller氏によると、昨年、プラスサイズ専門の衣料品店の多くが、リストラ計画を理由に閉店しました。これにより、かねてから不十分だった市場へのアクセスがさらに縮小しました。閉店に加えて、大手ブランドが取り扱いサイズを減らしていることも、プラスサイズの選択肢が限られる原因になっています。

Dia & Coの「自宅で試着」というアプローチは、店舗で服を買うときと同じように、オンラインで色々試しながら服を選びたいという顧客のニーズを満たします。 

「Eコマースは私たちの多くにとってすばらしいものですが、これまでお客様が身体にぴったりと合う商品を買うことができず、それが試着を求める声につながっているとすれば、デジタルブランドを標榜するにあたり、その点を変えていく必要があると思います」と、Stelzmuller氏は言います。

データインサイトがカスタマーエクスペリエンスを高める

Stelzmuller氏の説明によると、Snowflakeデータマーケットプレイスを利用する前は、最高のカスタマーエクスペリエンスの提供に必要となる実用的なデータにアクセスすることは難しかったということです。チームはローデータソースを取り込み、それらを変換し、長い時間をかけてデータから有益な情報を導き出す必要がありました。

「つまり私たちは、この市場に関して豊かで詳細な情報を十分に得られていなかったということになります」と、Stelzmuller氏は説明します。「Snowflakeデータマーケットプレイスのソースはすぐに使える豊富なデータをシェアしてくれるので、悩みの種の多くが解消されました。データをソースから当社のアナリティクスシステムに直接マージし、チームがそこから直接情報を得て活用することができます。」

今では、Snowflakeマーケットプレイスのアクセスしやすく便利なデータに加えて、Stelzmuller氏のチームはStitchのデータSimon Data、およびデータ変換ツールであるdbt、さらにはHeapを始めとするSnowflakeソフトウェアパートナーを活用しています。

「当社にとってHeapの導入は特に貴重でした。このデータは統合が容易で、かつ当社のシステムでのお客様の流れを把握することができます」と、Stelzmuller氏は語ります。(Snowflakeを利用したHeapの導入については、こちらをお読みください。)

Dia & Coのチームは、オーディエンスとマーケットプレイスのデータセットを、それぞれ異なる目的で利用しています。たとえばマーケットプレイスのデータセットは、より広範な市場トレンドを理解するために使用し、オーディエンスのデータセットからは、キャンペーン、チャネル、ランディングページの性能に関するインサイトを得ています。

市場機会の拡大

Stelzmuller氏は次のように語ります。「Dia & Coは、市場シェアの取り合いだけに集中しているわけではなく、この市場における消費額そのものを拡大したいと考えています。そのために市場調査を徹底的に行い、それを公開されているデータと照らして、市場の全体像を把握しています。」

Stelzmuller氏によると、プラスサイズのファッション市場は、米国女性の67%というポテンシャルがある一方で、この市場での実際の支出額は27%となっており、大きなギャップがあるとのことです。したがって、購買データに頼っても、すでに購入している女性に関するインサイトしか得られず、あまり参考になりません。

「私たちは、お客様により広い選択肢を提供することに注力しています。これからも、エクスペリエンスのパーソナル化を進め、試着システムに資本を投下し、スタイリングサービスをさらに進化させていく予定です」と、Stelzmuller氏は語りました。

小売業のデータトレンドの詳細については、Snowflakeのウェビナーをご覧ください