注:本記事は(2022年5月25日)に公開された(Announcing the the 2022 Snowflake Startup Challenge Finalists)を翻訳して公開したものです。

Snowflake Summitでの決勝ラウンドに向け準備は万端

開始時点の参加者は250社にも及びました。審査員により10社まで絞り込まれ、ファイナリストとして残ったのはわずか3社です。ここに、Houseware、HyperFinity、Modelbitの3社がSnowflakeスタートアップチャレンジ2022で決勝ラウンドまで勝ち進み、最大100万ドルのSnowflake Venturesからの投資を賭けて戦うファイナリストであることを発表いたします。

ファイナリストの皆さんにお祝いを申し上げるとともに、セミファイナリストの10社(発表済み)の皆さんにもエントリーの質の高さ、前回のラウンドでのプレゼンテーションに対し、深く感謝申し上げます

では、2022年度のファイナリストを詳しくご紹介します。

HyperFinity

英国を拠点とするHyperFinityの最高コマーシャル責任者、Peter Denby氏は次のように語っています。「この有名なコンテストにおいて、革新的な新興企業がこれだけ多く参加する中、決勝ラウンドに進むことができ大変嬉しく思っています。決勝ラウンドに進む3社の中に入れたことは、私たちが作り上げた製品が確固とした支持を受けた証明であり、小売業者や消費財業者にとっては商業的な意思決定を変革する機会だと考えています。」

HyperFinityは、意思決定インテリジェンス市場における独自のソリューションを掲げており、それは、データサイエンスとAIをビジネスの意思決定者の手に委ねるという、完全なノーコードソリューションです。HyperFinityは、Snowparkを活用して軽量のサーバーレスアーキテクチャを改善することで、新機能の展開を短期化しリリースまでの期間短縮を実現します。これにより、非常に拡張性の高い、コンピュート集約型の処理の作成におけるコスト効率が大幅に改善されます。

Denby氏は次のように続けています。「特にSnowparkは、スケーラブルな機械学習ソリューションを模索する私たちに初日から興奮をもたらしてくれました。またSnowflake内のデータシェアリングを使用して大きな効果を上げ、セキュリティやクライアントとの情報交換の速度において自信を持つことができました。」

マルチチャネルリテーラーのStudio RetailはすでにHyperFinityと提携し、素晴らしいエクスペリエンスを顧客に提供し、同社にコマーシャルの成果をもたらすインテリジェントマーケティング、メディア、品揃え、価格設定などの判断を行っています。今日に至るまで、HyperFinityはプロモーションやインセンティブ、顧客中心のカテゴリーマーチャンダイジング、パーソナライズされたデジタルマーケティングのさらなる効率化を進めるためにStudioをサポートしています。HyperFinityの最先端テクノロジーとStudioが保有する主要なデータセットを組み合わせることで、Studioは顧客に関するインサイトの水準を大幅に向上し、商業面での意思決定が容易にできるようになりました。

Modelbit

Modelbitにとってクラウドへの移行は、この時代で最大のデータ業界の変革と言えるものです。データサイエンティストはこの動きに乗る必要があります。この点を心に留め、Modelbitは、Snowflakeインスタンス内で機械学習(ML)ワークロードを直接実行することでデータサイエンティストがデータクラウドに接続できるようにしました。

Modelbitの共同設立者兼CEOであるHarry Glaser氏は次のように語っています。「スタートアップチャレンジのファイナリストとしてSnowflake Summitに参加できることで、ModelbitがSnowflake上で構築するデータサイエンティストに何をもたらすかをお見せできる新たな機会を得ました。」

ModelbitはPython向けSnowpark(現在プライベートプレビュー中)を活用してSnowflake内でMLモデルを実行することで、データサイエンティストはノートブックから直接モデルをデプロイできるようになります。MLワークロードはトレーニングやライブスコアリングデータと隣接して実行されるため、拡張性や効率性が大幅に向上します。

アウトソーシングされたHR管理ソリューションを提供するBambeeは、Modelbitによって生じた機会を有効に活用しています。同社はModelbitを使用して、Snowflake内やBambeeのウェブサイトからのインバウンドセールスリードのスコアリングを行うMLモデルのデプロイを行っています。Jupyterノートブック内のモデルをトレーニングした上で、「modelbit.deploy」と呼ばれるBambeeのデータチームが、BambeeのSnowflakeインスタンスとREST APIに同時にモデルをデプロイします。

新たなリードはSnowflake内で毎時に一括でスコアリングされるという大幅な向上を遂げました。今のところ、BambeeはREST APIを使用してウェブサイト上の同一リードをリアルタイムでスコアリングしています。これによりBambeeは、個々の新たな見込客に、それぞれのリードスコアに基づいたカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。

Houseware

Housewareが目指すのは、データへのアクセスをデータチームを超えて拡張できる、拡張性、柔軟性、協調性を備えたデータアプリケーションエコシステムの構築です。このエコシステムでは、コードを書きこむことなく、ナレッジワーカーが自社のSnowflakeインスタンス上またはHousewareが管理するクラウドデータウェアハウス上に、データアプリケーションを構築することができます。

Housewareの共同設立者であるDivyansh Saini氏は次のように語っています。「私たちにとってSnowflakeスタートアップチャレンジへの参加は、データクラウドにおける理想的な製品統合をビルドするというごく自然な流れでした。けれども、ファイナリストとなってみてSnowflakeチームとのつながり以上の大きなものが得られました。SnowflakeとHousewareで「共に成長する」ストーリーを描けることを楽しんでいます。」

HousewareはSnowpark APIやUDFを使用し、予測やチャーン、その他の複雑な予測分析シナリオ向けの、あらかじめ定義されたMLモデルを、ナレッジワーカーが数クリックするだけで実行できるようにします。

Quizizzは、Housewareのアプリケーションエコシステムが持つこのアジリティに魅力を感じました。6500万人を超える生徒や教師が使用するエンゲージメントドリブンな学習プラットフォームであるQuizizzにとって、金融、セールス、カスタマーサクセスといった部署にまたがるデータを有効化することは非常に困難でした。Quizizzのデータチームは手間のかかる作業を大量に抱えているにもかかわらず、データは部門固有のツール向けに定義されいるためメトリクスが異なるという問題を抱えていました。

Housewareが提供するソリューションはQuizizzチームにとって2つの問題の解決に有効でした。それは、信頼のおけるメトリクスを特定することと、市場投入チーム全体に実験を重んじる文化を作り上げることです。今ではQuizizzは、アクショントリガーによりユーザーエンゲージメントを推進し、顧客の健康状態を把握することができています。さらに、メトリクスは、ダッシュボードに設置されているだけでなく、信頼性の高い、ツールや部門をまたがって利用できるものとなりました。

ラスベガスで開催されるSnowflake Summitのフィナーレに向けて

ここで紹介したスタートアップ企業3社は、スタートアップチャレンジの最終章を迎えようとしています。ラスベガスで開催されるSnowflake Summitで、優秀な審査員に対しその場でプレゼンテーションを行うことになります。審査員であるSnowflakeの共同設立者、Benoit Dageville、SnowflakeのCMO、Denise Persson、Sequoia Capitalのパートナー、Carl Eschenbach、Arista NetworksのCEO、Jayshree Ullalからの質問に答える場が用意されています。その後、審査員らの協議を経て勝者の発表となります。

世界中の企業から何百件という参加申し込みのあるSnowflakeスタートアップチャレンジは、2年目にしてすでに、スタートアップ企業のためのレベルの高い世界大会に成長を遂げています。今回のファイナリスト3社に対しても、幅広いスタートアップコミュニティ全体に対しても、次に何をもたらしてくれるのか、非常に期待しています。6月16日のフィナーレで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。ぜひ創立者シリーズウェビナーを視聴し、データクラウドを利用する他のスタートアップ企業をご確認ください。

注記:Snowpark APIはScalaで利用可能で、Java向けは現在パブリックプレビュー中、Python向けはプライベートプレビュー中です。Java UDFは一般提供、Python UDFは現在プライベートプレビュー中です。