注:本記事は(2021年10月6日)に公開された(BUILD 2021: The Future of Development on Snowflake)を翻訳して公開したものです。

今年の「BUILDData Cloud Dev Summit」には、世界中の何千人もの開発者、データサイエンティスト、エンジニア、および起業家がバーチャルに集まりました。この2日間のイベントでは、開発者らが参加者として交流しただけでなく、Ally Financial社、IQVIA社、Twilio社といったSnowflakeのカスタマーが、Snowflakeでの開発の未来についての画期的なビジョンや実践ラボ、さらにはデータクラウドがいかに開発環境を変化させるかについて、体験に基づくインサイトを共有しました。

Snowflakeが支えるイノベーション

サミットの開会基調講演において、エンジニアリング部門シニアバイスプレジデントのGreg Czajkowskiは、「『典型的なアプリビルダー』というものは存在しない」と発言しました。その多様性を示すため、彼は、小売りパートナーによる包括的でタイムリーな購買傾向把握を可能にするアプリケーションを構築したInstacart社、毎月何十億通もの電子メールを送信することで、ユーザー行動の追跡と電子メールキャンペーンの最適化をサポートするTwilio社のSendGrid、さらにSnowflakeを利用してイノベーションを続ける世界の何百もの新興企業や独立系開発者について言及しました。


開発者はなぜSnowflakeを選ぶのか。その理由について、Czajkowskiは次の3つを挙げました。

  • 開発期間の短縮:データコピーを伴わない新しい開発環境やテスト環境の即時的構築、さまざまなデータ形式の一括取得と連続取得、およびSQLや他のプログラミング言語を使用したプログラマビリティにより、パイプライン開発を合理化します。
  • アプリケーション機能:データが格納されているシステム、リージョン、またはクラウドを問わず、関連するデータにほぼ瞬時にアクセスできる能力がアプリケーションの機能を支えます。 
  • 開発者の生産性:Czajkowski曰く、「アプリケーションが大きくなるほど、オペレーションが複雑になります。Snowflakeのプラットフォームはフルマネージド型で、オペレーションの負担を肩代わりするため、開発者は優れたアプリケーションの構築に集中できます。」

また、Snowflakeは、今年前半に開始したPowered by Snowflakeプログラムの最新情報を提供しました。このプログラムでは、100を超えるさまざまな規模の企業が、エンジニアリング知識や日々拡充されるリソースにアクセスし、アーキテクチャやデータ管理についての情報を得ています。

「Powered by Snowflakeを通じて、より良いアプリケーションのデリバリに役立つ支援、ガイダンス、指導を受けることができます」と、Snowflakeのプロダクト管理担当シニアディレクターのChris Childは説明します。「アプリ開発の環境や使用事例に精通したサポートエンジニアから、アラートを使用したヘルプや、問題のトラブルシューティングへの支援、さらにはサポート問題やオペレーションに関するインサイトを得ることができます。」

開発者ギャップへの対応

開発者の選択肢は増え続けており、データベース、プログラミング言語など、さまざまなオプションがあります。開発者にとっては結構なことですが、認知の混乱と管理費用が生じる原因にもなります。このことを、RedMonk社の共同創始者兼アナリストであるJames Governor氏は、開発者エクスペリエンスのギャップと呼んでいます。同氏は、「開発者は、実際のアプリケーション構築よりも、インフラストラクチャの管理に多くの時間を費やしています。データも決して例外ではありません。私たちはデータエンジニアリング用のさまざまなETLツールで同じ現象を目撃しています」と語っています。

Governor氏の特別セッションでは、円滑な開発者エクスペリエンスから、パイプライン、ネイティブデータエンジニアリング、データの差分検出、そしてマルチクラウドまで、さまざまな機能をまとめた「データのiPhone」をつくり上げるために何が必要だったかを探りました。「かつては断片化でしたが、今では首尾一貫したエクスペリエンスをユーザーにもたらす動きに戻りつつあり、バンドリングの波、すなわちプラットフォーム化への波が起きています」と、Governor氏は語りました。

データクラウドはすでにこの波に乗っており、データへのアクセス性、高性能、および柔軟性により開発者の成功を後押ししています。Governor氏は次のように付け加えました。「私は、開発者クラウド、そしてそれをサポートするデータクラウドに関してiPhoneが実現する瞬間を心から期待しています。」

SnowparkとJava UDF:期待に応える機能

BUILDでは、Snowflakeにデータプログラマビリティ機能をもたらすSnowpark用の新アプリケーションの詳細も説明されました。。開発者の方々に、これらの新機能を活用してアプリの性能や機能をどのように向上させたかについての体験談を共有していただいたほか、新しいJava UDF(ユーザー定義関数)がいかにSnowflakeを利用した開発の地平を広げたか、また使い慣れた言語を使用して複雑なロジックルールをいかにSnowflakeに組み込めるようになったかについても紹介していただきました。たとえば、開発者はデータセンチメント分析の処理を始める前に、統合型開発環境から離れることなく、Twitterデータから個人情報を削除できるようになりました。

また、Snowflakeは、このプログラムに対してさらにプログラミング言語が追加予定であるという最新情報を発表しました。「Snowparkは現在、AWSでScala用がパブリックプレビュー版として提供されています。現在、AzureでJavaを使用するカスタマーやパートナー用のSnowparkの展開に向けて準備を進めています。Pythonへの対応を望む声が多いことも承知しており、その方向で近々ご要望にお応えできるよう取り組んでいます」と、Childは述べました。

技術に触れる開発者たち

世界中から集まった開発者は、一連の実践ラボ、技術研修、BUILD.localセッションを通じて、互いから学び、理論を実践へと転じる機会を得ることができました。AWSに関するセッションでは、サードパーティデータを持ち込んで自身のデータセットをどのようにエンリッチ化するか、SnowflakeをAWS SageMaker Data Wranglerにどのように接続するかについて、段階的に学びました。

他のラボでは、人気の高いデータベース変換ツール「dbt」についての実践トレーニングも開催されました。セッションの中で、開発者たちは、Snowflakeデータマーケットプレイスからライブのトレーディング/外国為替データセットを安全にサブスクライブする方法について、また財務報告用の損益計算やインサイトの導出のため、拡張性あるデータパイプラインをどのように構築するかについて学びました。

データドリブンなBBQ 

BUILDでは、広告テクノロジーから金融サービスまで、さまざまな業界にわたる数多くのSnowflakeカスタマーが紹介されました。特に人気を集めたセッションでは、Ally Financial社のデータデリバリ担当ディレクターであり、SnowflakeデータスーパーヒーローでもあるSonny Rivera氏が、Snowflake、Snowpark、Snowflakeセキュアデータシェアリング、およびIoTセンサーを利用したテクニックをどのようにマスターしたかを、BBQ(バーベキュー)に例えて語りました。

「Snowflakeのアーキテクチャは、一般的なオンプレミスのデータウェアハウスでは不可能なことを可能にし、Snowparkはアナリストの生産性を向上させてくれます」と、Rivera氏は語っています。

Rivera氏は、IoTデバイスを使用して、肉にゆっくりと均一に火が通るよう、燻製箱の中の肉と空気の温度を監視しています。「当社では、アナリストたちがデータを活用してより美味しく調理し、カスタマーから喜んでいただけるよう取り組んでいます。」

Snowflakeで築く未来 


将来に向け、Snowflakeは待望のスタートアップチャレンジ2022について発表しました。第2回となる今年はコンテストの賞がさらに充実し、革新的な方法でSnowflakeを活用している新興企業上位3社は、総額100万ドルの投資を受けることができます。現在、参加登録を受け付け中です。ファイナルの結果はSnowflake Summit 2022で発表されます。

Snowflake Venturesのコーポレート開発統括者であるStefan Williamsは、データを取り巻く環境について次のように述べました。「ベンダーの環境はすでに変化しています。新しいデータスタックが登場し、データのサイロがデータプラットフォームに一元化されつつあります。SaaSアプリケーションの環境も変化しているところですが、時間、エネルギー、資金の約70%が(依然として)他社との差別化につながらない面倒な作業に投下されています。」

Williamsによると、ソフトウェア開発者は自社のパートナーやプラットフォームの再評価を行うことで、市場投入までの時間を短縮し、開発の時間をより高いインパクトをもたらす活動に集中させることができます。投資家もそれに注目しており、クラウド100企業の成長率調整済み評価尺度は、2016年以来180%上昇しているとのことです。「現在、クラウド事業を構築する価値はこれまでと同様である一方、投資家はデータクラウドに貢献しているパートナーへの投資にかつてないほど乗り気になっています。」

BUILD 2021のセッションは、こちらからオンデマンドで視聴できます。

将来の見通しに関する記述

この投稿には、明示・暗示を問わず、(i)Snowflakeのビジネス戦略、(ii)Snowflakeの製品、サービス、技術(開発中のものを含む)(iii)市場の成長、トレンド、競合に関する考察(iv)当社の製品と第三者プラットフォームとの統合、相互運用性、利用可能性などに関する将来の見通しに関する記述が含まれています。これらの将来の見通しに関する記述は、Snowflakeが証券取引委員会に提出した2021年7月31を末日とする四半期報告書(フォーム10-Q)内の表題「Risk Factors(リスク要素)」以下の記述やその他の記述を含め、若干のリスク、不確かさ、および推測を伴います。これらのリスク、不確かさ、および推測を踏まえると、実際の結果はこれらの将来の見通しに関する記述で予想または暗示された事柄と大きくかつ不利な形で異なる場合があります。よって、これから起こることの予測として、将来の見通しに関する記述に依存することはおやめください。

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