注:本記事は(2022年3月30日)に公開された(Snowflake and Sustainability: What Can Be Done Today to Ensure a Better Tomorrow?)を翻訳して公開したものです。

現在のサステナビリティニーズにどのように対応するのか?

今日、ほとんどの人が日常的な判断において環境フットプリントを意識しています。私たちは、サステナビリティの取り組みにおける実際の成果やどのようにしたらサポートできるのかを常に理解しているわけではありません。今回の記事では、環境サステナビリティの概念を説明し、Snowflakeのサステナビリティプログラムを拡張する計画の一部をご紹介します。

Snowflakeでは、環境サステナビリティの重要性を信じており、私たちの役割を積極的に果たそうとしています。では、今日の「サステナビリティ」とは具体的に何を指すのでしょうか?1987年、国際連合は世界的なサステナブル開発の推進に向けて環境と開発に関する世界委員会を設立し、サステナビリティの概念を「将来の世代が自身のニーズに対応する能力を損なうことなく現在のニーズに対応すること」としました。

このときの将来の世代はいま、大きな課題に直面しています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測によると、気候変動や潜在的な悲惨な結果を防止するためには、温室効果ガス(GHG)排出量は「2030年までに50%近く削減する必要があり、世界的には2050年までにネットゼロを達成する必要があります。」サステナビリティを擁護し環境を保護することはこれまでも重要でしたが、今後数年間が地球の未来を決定づけるものとなるでしょう。

温室効果ガスの影響

環境サステナビリティに対する最大の脅威の1つが気候変動で、過剰なGHG排出が主な要因となっています。米国環境保護庁(EPA)による説明の通り、気候変動に影響している温室効果ガスの主なタイプは二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、水蒸気です。これらの気体は地球の大気中に蓄積して温室効果を生み出しています。GHGは日光を通すため、地表の温度を上昇させます。この熱は大気に解放されるべきですが、GHGに吸収され、大気中からいずれ消散される代わりに地表に不自然な熱をもたらしています。

EPAは、GHGは生活可能な範囲に地球の温度を保つために必要ではあるものの、世界的な化石燃料の燃焼増加や近代的な生活による他の要因により、GHG濃度が上昇し地球に危機をもたらしています。

GHG排出には、人為的要因と自然過程の両方の要因があります。すべての人為的なGHG排出の主な構成要素である二酸化炭素は、輸送や発電といった用途における化石燃料の燃焼から生じています。

メタンは、化石燃料の製造工程、家畜、農作物、腐敗した有機ごみ、埋め立てにおいてよく排出されます。

これらの2種類の気体は、水蒸気や他のGHGと共に、海洋、巨大な水域、有機物の分解といった天然源から排出されます。

復帰不可能な限界点

もしこのまま、現在の比率で大気中へのGHG排出が続けば、地球温暖化はすぐに、復帰不可能な限界点に到達してしまいます。IPCCは地球の平均表面温度(GMST)の増加率は、産業革命前の気温である2.0℃をはるかに下回る摂氏1.5℃以下にしておく必要がある、としています。

特定の1か所だけを想定した場合、1.5℃の上昇は大きな変化とは思えないかもしれませんが、地球の平均表面温度の1.5℃の上昇は、地球にとって壊滅的と言えます。1.5℃の上昇は、世界的な気温や気象パターンに長期的な影響を与えます。IPCCは報告書の中で、地球温暖化で1.5℃の上昇を許してしまうと、異常気象事象が4大幅に頻繁化、深刻化する恐れがあり、世界のいたるところの生態系に復旧不可能なダメージを与える、としています。例えば、氷の解凍、海洋水位の上昇、豪雨などはある地域での洪水リスクを増加させる場合がある一方、長期的かつ深刻な熱波により別の地域で干ばつが引き起こされる恐れもあります。

ではどうすればよいのか?

地球温暖化がこのGMSTの1.5℃上昇となった場合、熱波などの異常気象や、ある地域での豪雨の頻繁化や深刻化、また別の地域での干ばつといった地域的な気候変動につながります。こういった知己的な気候変動は、人間と動物の双方に影響する貴重な生態系の喪失といった、復旧不可能な環境ダメージのリスクを増加させます。 

前述したように、IPCCは現在のGHG排出率は2030年までに50%削減されなければならない、と算出しており、2050年までに世界はネットゼロを達成する必要がある、としています。しかしながら、2050年までにネットゼロを達成するには、GHGの排出量削減のみならず排出の相殺手段の拡張においても、世界中で大胆かつ即時の行動をとる必要があります。これは非常に大きな課題であり、解決は容易ではありませんが希望はあります。さらに重要なのは、やるべきことがあるということです。

気候変動およびサステナブルな社会実現の重要性について理解が深まるにつれ、より多くの政府、組織、個人がGHG排出量削減に向けた積極的な対策を講じています。

Snowflakeのサステナビリティにおけるビジョン

Snowflakeでは、このような課題を克服し将来の世代のための環境保全に向け、積極的に自社の責任を果たしていくことをお約束します。以前のブログシリーズである「Snowflakeとネットゼロ:データの脱炭素化の事例」(第1部第2部第3部)では、ネットゼロデータの概念やテクノロジーの発展がいかにしてデータによる炭素排出フットプリントを削減したか、について詳細に説明していますさらに、Snowflakeはサステナビリティプログラムの開発初期段階であり、既に当社の事業において影響力の強い3つの分野を特定しています。

  1. エネルギー管理
  2. GHG 排出量(スコープ 1-3)
  3. 水管理ソリューション

サステナビリティへの取り組みを拡張するためにSnowflakeがどのような対応をとっているか、また、取り組みを支援するためにはどうしたらよいかについて、詳細は後日お知らせいたします。